レーザーとは?原理や普通の光との違い、用途などを解説

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レーザーとは?原理や普通の光との違い、用途などを解説

 

瞬間的に光を発するレーザー光と定常的に光を発しているレーザー光がありますが、よく見るレーザーとしては定常的なものの方が多く、これを連続発振レーザーと呼びます。レーザーはコヒーレント光ビームを発光する装置で、その種類は、固体レーザー、色素レーザー、ガスレーザー、ファイバーレーザー、ダイオードレーザー、エキシマレーザーなどです。

 

レーザーはその性質上、誤った取り扱でこれを利用すると人体に傷害をもたらすので、各国にはレーザー製品に対する規制が存在します。規制の内容はレーザークラスに紐き、レーザー製品のメーカーは規格を理解した上で、適切にレーザークラスを決定して、必要な安全対策を施すことが必要です。

 

今回は、このような背景を踏まえて、レーザーとは?原理や普通の光との違い、用途などを解説します。

◆関連解説『電気・電子技術』

【目次】

    1. レーザーとは

    レーザー(laser:Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation)は、日本語に訳すと誘導放出による光の増幅で、私たちが使っている多くの製品の主要部品として使われています。ブルーレイプレーヤーでは、レーザー技術でディスクからの情報読み取りをおこないます。レーシック手術などの医療分野でもレーザーが使用されています。バーコードスキャナーはレーザーを使用して情報処理をおこないます。現場では材料の切断、彫刻、穿孔、マーキングにレーザーが使用されています。

     

    (1)レーザーの原理

    励起状態(原子はエネルギーを吸収すると、低いエネルギー状態から、高いエネルギー状態に移る)は不安定な状態で、低いエネルギー状態に戻ります。これを遷移といい、このときに光(エネルギー差に相当)を放出します。この現象で放射された光は、同じ様に励起状態にある他の原子に衝突して、遷移を誘発、この誘導されて放射される光を誘導放射と言いい、これがレーザーの原理です。

     

    2. レーザーと普通の光の違い

    レーザーには普通の光と比べると干渉性に優れて、単色性に優れ、指向性に優れています(レーザー光は直進性が高いのです)。

     

    レーザーは、次の点で通常の光とは異なります。1つは、放出されるすべての光が同じ方向に向かっている、一貫性がある。このため、レーザーポインターは長距離でも明るい点を作ります。 もう1つは、単一周波数の光を放射し、スペクトル幅の非常に狭いものであり、可視光であれば、単色性の光になります。

     

    (1)単色性 

    普通のランプからは複数の色が混じりあった光が発せられますが、レーザーは単なる1つの波長、周波数の光なので分解されることがありません。普通の光では、例えば太陽光をプリズムに通すと7色の光に分解されます。太陽光が種々の光が混ざり合ったものであるからです。

     

    (2)指向性

    普通光からは広がる光が発せられますが、レーザーからは、広がることなくまっすぐに進みます。これが、レーザーの指向性です。

     

    (3)収束性(エネルギー密度)

    レーザーは、位相が良く揃い収束性も良く、高密度の光エネルギーを集中できます。この為、焦点温度を数万度まで上げることが出来ます。太陽光は様々な波長を持つため、レンズを通した時の波長ごとの屈折角が異なり、平行光とすることができず、鋭く焦点に集めることが出来ません。

     

    (4)可干渉性(コヒーレント)

    レーザーはコヒーレント性(一つの定まった波長を持つ光、連続的に光の山と山、谷と谷が一致する規則正しい光のこと)を持っていますが、自然光はこのような性質は持っていません。      

     

    3. レーザーの種類

    レーザーの名称は、◇◇レーザーと言います。この◇◇は波長、発振媒体、パルス幅など様々な種類の言葉が入ります。ここではその名称について整理します。

     

    • 【発振方式】:パルスレーザー、CWレーザーの2種で、パルス発振か連続発振かで分類する呼び方です。
    • 【発振媒体】:ガスレーザー、固体レーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー、液体レーザー等で、励起光源を受ける媒体で分類する呼び方です。
    • 【波長】:赤外線(IR)レーザー、グリーンレーザー、紫外線(UV)レーザー等で、色で分類する呼び方です。
    • 【パルス幅】:パルス発振の場合、細かく分類します。マイクロ秒・ナノ秒・ピコ秒・フェムト秒レーザー等で、パルス幅で分類する呼び方です。

     

    4. レーザーのパワーとは

    レーザービームが発射される際の光の強さ、エネルギーの量が、レーザーのパワーです。そのパワーの単位は、ワット(W)・ミリワット(mW)で表されます。医療用・産業用のレーザーは数百ワットから数キロワットのパワーで、手術や溶接などに使用されます。レーザーポインターは、1〜5mW程度のパワーで、プレゼンテーションなどに使用されます。

     

    さらに、軍事用のレーザーは数十キロワット以上のパワーを持ち、物を破壊する...

    レーザーとは?原理や普通の光との違い、用途などを解説

     

    瞬間的に光を発するレーザー光と定常的に光を発しているレーザー光がありますが、よく見るレーザーとしては定常的なものの方が多く、これを連続発振レーザーと呼びます。レーザーはコヒーレント光ビームを発光する装置で、その種類は、固体レーザー、色素レーザー、ガスレーザー、ファイバーレーザー、ダイオードレーザー、エキシマレーザーなどです。

     

    レーザーはその性質上、誤った取り扱でこれを利用すると人体に傷害をもたらすので、各国にはレーザー製品に対する規制が存在します。規制の内容はレーザークラスに紐き、レーザー製品のメーカーは規格を理解した上で、適切にレーザークラスを決定して、必要な安全対策を施すことが必要です。

     

    今回は、このような背景を踏まえて、レーザーとは?原理や普通の光との違い、用途などを解説します。

    ◆関連解説『電気・電子技術』

    【目次】

      1. レーザーとは

      レーザー(laser:Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation)は、日本語に訳すと誘導放出による光の増幅で、私たちが使っている多くの製品の主要部品として使われています。ブルーレイプレーヤーでは、レーザー技術でディスクからの情報読み取りをおこないます。レーシック手術などの医療分野でもレーザーが使用されています。バーコードスキャナーはレーザーを使用して情報処理をおこないます。現場では材料の切断、彫刻、穿孔、マーキングにレーザーが使用されています。

       

      (1)レーザーの原理

      励起状態(原子はエネルギーを吸収すると、低いエネルギー状態から、高いエネルギー状態に移る)は不安定な状態で、低いエネルギー状態に戻ります。これを遷移といい、このときに光(エネルギー差に相当)を放出します。この現象で放射された光は、同じ様に励起状態にある他の原子に衝突して、遷移を誘発、この誘導されて放射される光を誘導放射と言いい、これがレーザーの原理です。

       

      2. レーザーと普通の光の違い

      レーザーには普通の光と比べると干渉性に優れて、単色性に優れ、指向性に優れています(レーザー光は直進性が高いのです)。

       

      レーザーは、次の点で通常の光とは異なります。1つは、放出されるすべての光が同じ方向に向かっている、一貫性がある。このため、レーザーポインターは長距離でも明るい点を作ります。 もう1つは、単一周波数の光を放射し、スペクトル幅の非常に狭いものであり、可視光であれば、単色性の光になります。

       

      (1)単色性 

      普通のランプからは複数の色が混じりあった光が発せられますが、レーザーは単なる1つの波長、周波数の光なので分解されることがありません。普通の光では、例えば太陽光をプリズムに通すと7色の光に分解されます。太陽光が種々の光が混ざり合ったものであるからです。

       

      (2)指向性

      普通光からは広がる光が発せられますが、レーザーからは、広がることなくまっすぐに進みます。これが、レーザーの指向性です。

       

      (3)収束性(エネルギー密度)

      レーザーは、位相が良く揃い収束性も良く、高密度の光エネルギーを集中できます。この為、焦点温度を数万度まで上げることが出来ます。太陽光は様々な波長を持つため、レンズを通した時の波長ごとの屈折角が異なり、平行光とすることができず、鋭く焦点に集めることが出来ません。

       

      (4)可干渉性(コヒーレント)

      レーザーはコヒーレント性(一つの定まった波長を持つ光、連続的に光の山と山、谷と谷が一致する規則正しい光のこと)を持っていますが、自然光はこのような性質は持っていません。      

       

      3. レーザーの種類

      レーザーの名称は、◇◇レーザーと言います。この◇◇は波長、発振媒体、パルス幅など様々な種類の言葉が入ります。ここではその名称について整理します。

       

      • 【発振方式】:パルスレーザー、CWレーザーの2種で、パルス発振か連続発振かで分類する呼び方です。
      • 【発振媒体】:ガスレーザー、固体レーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー、液体レーザー等で、励起光源を受ける媒体で分類する呼び方です。
      • 【波長】:赤外線(IR)レーザー、グリーンレーザー、紫外線(UV)レーザー等で、色で分類する呼び方です。
      • 【パルス幅】:パルス発振の場合、細かく分類します。マイクロ秒・ナノ秒・ピコ秒・フェムト秒レーザー等で、パルス幅で分類する呼び方です。

       

      4. レーザーのパワーとは

      レーザービームが発射される際の光の強さ、エネルギーの量が、レーザーのパワーです。そのパワーの単位は、ワット(W)・ミリワット(mW)で表されます。医療用・産業用のレーザーは数百ワットから数キロワットのパワーで、手術や溶接などに使用されます。レーザーポインターは、1〜5mW程度のパワーで、プレゼンテーションなどに使用されます。

       

      さらに、軍事用のレーザーは数十キロワット以上のパワーを持ち、物を破壊するために使用されます。レーザーのパワーは、高いほど、より強力なエネルギーが放射されるため、様々な用途に活用されます。

       

      5. レーザーの用途

      レーザーは次のように多岐にわたる用途で利用されています。

      【レーザーの主な用途】

      • 通信分野では、光ファイバー通信として、 高速・高帯域幅のデータ伝送に利用されます。
      • 産業分野では、レーザー加工として、 精密な切断、穴あけ、溶接などに適しています。レーザー測定では、 距離測定やプロファイリングに使用されます。
      • 研究開発分野では、光学顕微鏡として、高解像度の観察に利用されます。分光法として、物質の成分を分析するために使われます。
      • 医療分野では、レーザー手術として、 正確な切開や凝固を行うために使用されます。レーザー脱毛では、余分な毛を除去する際に効果的です。

       

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      この記事の著者

      岩瀬 栄一郎

      メカトロ製品など原理開発から構造設計まで競争力ある製品へと育てませんか。設計根拠を大切にし、工法を考慮した、性能、品質の作りこみをしていきます。

      メカトロ製品など原理開発から構造設計まで競争力ある製品へと育てませんか。設計根拠を大切にし、工法を考慮した、性能、品質の作りこみをしていきます。


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