付加価値を付ける方法 儲かるメーカー改善の急所101項(その96)

 

7、これからのモノづくり経営

 前回の儲かるメーカー改善の急所101項(その95)工場のショールーム化に続いて、解説します。

◆ 付加価値を付ける方法

 儲かるメーカー改善の急所101項(その93)で、マーケットインの次に来るこれからの時代としてユーザーインについてご紹介しました。そこでは、ユーザーインという新しい時代に向けて、モノづくりをしている私たちしかできない商品を開発しましょうということで、10分の1や10倍の桁違いの性能を追求するという切り口をご紹介しました。

 そして今回は人の手の活用という切り口で、ユーザーインに対応するもう一つ別の切り口のお話をいたします。

 

 多くの工場で、生産性の向上や技術力アップを目指して設備を増強したり、改良を行ったりしています。チューンアップされたスピードの速い自動化設備は、強いモノづくりの柱であり、差別化の強い武器になることは間違いありません。同じものを大量に作ることによって品質、コスト共に強化されるからです。

 しかしいくら優れた設備でも機械で造れるのは製品までだと思います。均一化されることは良いことですが、一方で面白みがなくなるという側面は否定できません。個々のお客様のそれぞれの好みに応えるということはできないからです。そして製品である限り、価格競争から抜け出ることはできません。なぜなら人は「機械で造っているモノ」には安さや機能性を求めるからです。

 ユーザーインの時代では、個々のお客様のご要望お応えすることが求められます。そのことの実現のために、製品の域を超えて、価値を売れるようにしたり、ブランドを高めていこうとしたりするなら「職人技」や「手間暇(てまひま)」を投入するべきでしょう。製品を売って利益を出せるのは大量生産・大量販売で勝負できる大手企業だけではないでしょうか。

 生産性向上の観点から、人手をいかに省くかを追求することはとても重要です。しかしユーザーインの時代に向かっていく中で、中小メーカーは、付加価値で勝負できるように、むしろ人の手の作業を、どこかに加えられないかを考える...

ことも大切です。お客様の様々なご要望を人の手で微妙にかなえることができるようにするのです。

今回の言葉   

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機械は製品をつくるが、人の手は価値をつくる。

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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」 

日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

 

 

◆関連解説『生産マネジメントとは』

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