製造情報の扱い方 儲かるメーカー改善の急所101項(その55)

5、設備改善の基本

◆ 製造情報の扱い

 工場の現場では、ホワイトボードに生産計画が書かれていたり、工程ごとに指示書が貼られていたりします。しかしそれが現場のみの活動なのか、データサポートの援助があっての活動であるのかで大きな違いが出ます。

 例えば前に作ったことがある製品なのに、まるで初めての作業したかのようにもたついたりするならデータベース化されていないからということになります。担当者が「頭の中にすべて記憶しています」という考えでは無理だと思います。材料や部品、作業方法まで含めて、製造に関する情報をデータ化していなければ毎回、経験と勘によるあやふやなモノづくりになってしまいます。そして再注文を頂いた時に時間がかかるだけでなく、前と同じでないモノができてしまうこともあり得ます。

 今回はK社で実行された改善をご紹介します。

 K社のFさんとおっしゃる女性設計技師が、ある日の改善会でご自身が行っている気の利いた改善を発表しました。彼女はいろいろなお客様から来た仕事を製造部門の担当者に割り振る仕事も行っていたのですが、その際に以前実行した仕事とよく似たケースがあった場合は、その時の図面や作業方法記録をコピーして添付したところ、とても喜ばれたという内容でした。

 それを聞いた社長はすぐさま反応し「その方法をこれからの標準にしていこう!」と、その場にいた全員に指示し、短時間のうちに仕組み化しました。K社には1,000社以上もお客様がいて一品受注なのですが、この仕組みを作ったことであたかも繰り返し生産であるかのようなモノづくりになり、生産性を大きく向上させました。

 モノの流れを追求するのと同様に、注文が入ったらデータベースから作る量と納期、部材、作り方…などが関係者に滞りなく伝達されるようにできたらいいですね。...

特に外部と連携を図るためにはデータベース化が重要と考えます。

今回の言葉   

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 製造情報は、データベース化して流れるようにせよ。
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」

    日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

◆関連解説『生産マネジメントとは』

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