中国企業改善指導のポイント 中国工場の品質改善(その82)

 前回のその81に続いて解説します。

【第5章】中国企業改善指導のポイント

6、2つの視点で考える~長期視点~

 2つの視点で考える~短期視点~は、中国工場の品質改善(その78) 中国企業改善指導のポイントからご覧下さい。

 長期的視点は、工程での作り込みを促すことで不良の発生を減らすとともに、中国工場が自分で改善サイクル(PDCA)を回せるような仕組みを整備・構築することです。中国企業と長く取り引きを続けるつもりがあるのであれば、まだ満足できるレベルではない中国企業を育てるという長期的な視点が必要です。ただしひと口に育成といっても容易なことではありません。

 特に心しておかなくてはならないのは、日系企業と同じようにはいかないということです。

 育てるとは、先方に不足している技術・工程管理・品質管理などを指導して、安定的に取引可能なレベルに引き上げることです。レベルを引き上げる時に大事なことは、少しずつで良いので停滞させず前に進めることです。例え小さな一歩でも、積み重なれば大きな歩みになります。

 中国企業を育成するときのポイントを一つ紹介すると「理由」を理解させることです。例えば、工程で管理しなければならない項目はいくつもありますが、その項目はなぜ管理が必要なのかをきちんと理解させましょう。「ただ必要だから管理しろ」でもやれないことはありませんが、理由を理解することで間違いのない管理ができるようになります。

 品質管理では、実施している検査の内容を問います。その検査の内容(頻度、数量、タイミング)で品質を保証できるのか、作り方とのつながりはどうなっているのかをみて、不十分であればその理由を説明して理解させるようにすると良いと思います。

7、問題点を把握し対処する

 改善を進め育成するといっても、やみくもにやったのではうまくいかないので、問題点をしっかり把握した上で対応の順番と方法を決めます。問題点を把握するには、この連載で述べたように3Mや5Mを切り口として行うのが良いでしょう。ここでは、5Mを切り口とした典型的な問題点を表にしました。

 また、発生...

している不良の対策を進めて、当面の問題点を潰すことも当然やらなくてはなりません。そうした個別の不良に対する原因分析や対策の立案においても、5Mに基づき行うのはとても有効で、要因の見逃しがなくなります。個別の不良への対処と事前に不良発生の要因を潰すことを並行して行うのが理想です。

 次回は、問題点事例から解説を続けます。

 【出典】根本隆吉 著 「中国工場の品質改善」 日刊工業新聞社発行、筆者のご承諾により抜粋を連載 

◆関連解説『品質マネジメントとは』

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