見えない問題を見つける方法 儲かるメーカー改善の急所101項(その33)

3.仕組みを改善する基本

◆ 見えない問題を見つける方法

 KZ法では、みんなでひと月以内に使わないモノにカードを貼ります。これを実行すると色々な見えない問題が突然に顕在化します。

 例えば、それぞれの人が持っている工具や道具の中にはひと月以内に使わないモノが必ずあります。今月使わなくても、数か月に一回は使いますから、特に気にしないで自分で保管しているということはあります。その場所だけ見ている分には全く「問題」は見当たりません。

 ところが、ひと月以内に使わないとしてカードが貼られたモノを一カ所に集めてみると、たまにしか使わない高価な工具や道具がほぼ人数分出てきたりします。

 使う頻度と効率を考えると工場に一つかせいぜい二つあれば十分であるモノがゴロゴロ出てくるのです。これは「大問題」ではありませんか?

 もしこの状態を放っておいたら、使いもしない高価な工具が際限なく増え続けます。そして一事が万事であるとすると、工具以外にも不要なモノがジワジワと増えていくのです。もう既に十分にある不要なモノがドンドン増え、お金と場所が減り続けるのです。

 これはKZ法を実行したことにより初めて分かることであって、これ以外の方法ではなかなか見つからないと思います。

 見えないモノを見るには集めてみることです。分散している現場のモノを一カ所に集めてみると、これまで見えていなかった問題が一瞬で顕在化します。

 一か所に置いてある在庫は少なくても、集めてみると全体では山のようにあったということはよくあるものです。そしてそこから始まって設計や調達、あるいは営業のやり方までの不具合が見えてくることもしばしばあります。

今回の言葉   

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 一つだけだと問題は見えないが、一か所に集めると問題は顕在化する。
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」

    日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫  

◆関連解説『生産マネジメントとは』

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