中国工場の実状を知る、部品・材料について 中国工場の品質改善(その31)

 前回のその30に続いて解説します。

【第3章】(自社)中国工場、品質管理の進め方

 この章では、自社中国工場の品質管理の進め方・考え方をお伝えします。数多くの日系中国工場を見てきましたが、品質がよくない工場は、技術がうまく落とし込めていない場合と中国人の管理がうまくいっていない場合が大半です。技術の落とし込みについては、3Mのところで書きましたので、ここでは中国人の管理を含めた工場管理の面と問題解決の進め方について書くことにします。

 そこには日本と大きな違いがありますので、その違いを把握し理解することが重要であり必要になります。

【3.1 中国工場品質管理・三つの歯車】

 品質管理に関しては、いろいろな考え方や進め方があると思いますが、ここでは三つの歯車を例えとして考えることにします。歯車にはそれぞれ役割・機能があり、各々の歯車がその持っている役割を果たすこと、つまり自分の歯車を回すことによって動力を次の歯車に伝え回します。そして、次の歯車も自分が回ることによって、さらに先の歯車を回すようにします。このように歯車が噛みあって進み、全体を回すというイメージです。

 中国工場品質管理・三つの歯車とは、(1) 経営層・設備・材料・仕組み、(2) 教育された管理者、(3) 作業者の意識向上、です。

(1)第一の歯車:経営層・設備・材料・仕組み

 第一の歯車では、前述した3Mをきちんと整備することがポイントとなります。

① 人

 人に関しては、経営層が対象となります。経営層(総経理・工場長)がしっかりした考え方や方針、そして工場をよくするという意識を持つことが大事です。

② 設備・機械

 設備・機械に関しては、ノウハウ部分の落し込みとメンテナンスをしっかりやることが求められます。

③ 部品・材料

 部品・材料については、中国メーカーを指導して、品質が管理された部品・材料を投入できるようにします。

④ 仕組み・ルール

 上記に加えて、工場を回すための仕組みやルールを構築することも必要なポイントとなります。

(2)第二の歯車:教育された管理者

 第二の歯車のカギは、現場の管理者です。その管理者がちゃんと教育されていることがポイントとなります。どういうことかと言いますと、第一の歯車の3Mや仕組み・ルールが出来ていたとしても、実際に現場で運用し管理するのは現場の科長・組長・班長などの管理者です。従って、この管理者たちの意識やスキルが低い状態では、第一の歯車で整備された3Mや仕組み・ルールが活かされないことになります。

 この管理者たちのレベルを高めることが高い品質につながります。そのためには、教育が必要不可欠ということです。

 組長や班長などの管理者になったからといって自然に管理者の仕事ができるようになる訳ではありません。日本でも、係長から課長に昇進したからといってマネジメントのスキルが自然と身に付くものではないのと同じです。特に中国のこのレベルの人たちは、自分で勉強して身に付けるというのは期待できませんし、期待してはいけません。

 前述したように管理者として会社が望んでいる管理をして欲しいのであれば、それができるように教育をしなければなりません。管理者たちができる仕事の範囲は、会社が...

彼ら彼女らに教育した範囲であることをもう一度認識してください。

(3)第三の歯車:作業者の意識向上

 第三の歯車は、作業者の意識を向上させることがポイントです。

 どんなに立派なハードを備えていても、いくら完璧な手順があったとしても、実際に作業を行う作業者の意識が低ければ、品質は確保できず宝の持ち腐れになってしまいます。作業者の意識向上は、第二の歯車でしっかり教育された管理者が作業者に落し込んでいくことが必要です。これをやるためにも教育の仕組みを作ることが大事です。

 次回は、(4) 歯車に共通するもの、から解説を続けます。

 【出典】根本隆吉 著 「中国工場の品質改善」 日刊工業新聞社発行 筆者のご承諾により、抜粋を連載

 

 

◆関連解説『品質マネジメントとは』

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