TRIZと QC/VEの違いとは

1. TRIZに関してよくある質問

 TRIZセミナー受講者のみなさんからTRIZと他の手法の違いについて良く質問されます。そこで、みなさんが良く知っているQC(Quality Control)やVE(Value Engineering)の本質的意味を比較することでTRIZとの違いを説明するようにしています。これによって、各々の技法の理解も深まるとの反響を得ています。以下、このサイトの読者のみなさんにも紹介いたします。

 

2. QCとVEの違い

 図1に各技法の要点を表しました。簡単に言えば、QCが現状をベースに問題発見し、原因や要因を追求し解決しようとするのに対し、VEは顧客ニーズから「あるべき姿」を設定し、それを実現するにはどうすべきかと考えます。筆者らは、前者を「犯人探し」、後者を「恋人探し」と名付けました。

図1 QC、VEとTRIZの違い

3. VEの意味とTRIZとの違い

 VEの基本的な考え方は、モノやサービスの機能とコストのバランスを改善することによって価値の向上を図ることとされています。V(価値)を表わす公式とその向上手段は次のようになります。

 V(価値)=F(機能)/C(費用)

 ①機能はそのままでコストを下げ価値を上げる。

 ②コストはそのままで機能を上げ価値を上げる。

 ③コストを下げ機能を上げて価値を上げる。

 ④コストも機能も上げて価値を上げる。 

 上記の定義からベストな選択は、FとCの両者を満足させる方法を短リードタイムで実現することになります。では、“非”価格競争を目指したり、FとCの両者を満足させたりする...

にはどうしたらよいのでしょうか。それにはブレークスルーが必要です。創造性開発技法は多数存在しますが、中でも、発想の切り口が多彩で、これでもかこれでもかと解決策のアプローチを示してくれるのがTRIZです。VEで問題提起し、機能定義を行った課題を、TRIZでアイデア出しすると、きっと差別化できる解決策が見つかります。

◆関連解説『TRIZとは』

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