QFDの進め方

 
  
 
 今回は、QFDの進め方を、次のような形式で解説します。
 

【想定質問 1】

 『要求品質』と『品質要素』の関係が密接なため、要求品質と品質要素の表の◯が斜めに一直線になってしまいます(例:要求品質(材料との高い密着性)と品質要素(密着度)のような、わかりきった関係)。項目を挙げる勘所は何でしょうか。
 

【解説 1】

 要求品質の表現の中に品質要素的な表現が入り込んでしまうと対角線化が起こってしまいます。『要求品質』と『品質要素』の関係が密接といわれますが、それは要求品質の抽出がまずいためです。質問で述べられている通り要求品質の表現(材料と高い密着性)の中に“密着性”が入っています。密着性も密着度も品質要素の文言です。技術者が要求品質の抽出を行なうと、よく陥ることです。
 
 要求品質を抽出する場合、次の2点を考えることです。
 
  
 例えば、切削工具で密着性がよいと(設計通りの切削ができる)とか、飲料缶に対する塗料の密着性がよいなら、(表面印字が読みやすい)とか、“なぜ” “なぜ”を繰り返してください。
 

【想定質問 2】

 『品質要素』(お客様の要求と品質を測る尺度になる要素)の中に、数値の範囲を入れる必要はないのでしょうか。逆に入れてはいけないなどのルールがあるでしょうか。又、質問させていただいた数値が指すのは『狙いの品質』です。どれぐらいといった程度は、QFDでは必要ないのでしょうか。どれくらい、の品質を作りこむためには、また違う手法があるのでしょうか。
 

【解説 2】

 数値の範囲とは、環境条件としての範囲でしょうか?それとも、ねらいの品質(設計品質)の範囲でしょうか?環境条件でしたらメモに、ねらいの品質でしたら入れません。品質要素は質問に書かれているように、「お客さまの要求を品質のレベルで測る尺度」であって数値は一般的には入りません。品質要素展開表にはあくまで評価指標となる尺度のみの記載となります。『狙いの品質』の数値目標は設計品質そのものです。品質表作成の目的の一つは、この設計品質の設定です。商品の“どの部分を際立たせるか”をチームで議論します。その後、機能や機構あるいは工程に展開します。
 

【想定質問 3】

 製品を作る工程の中から、隠れた故障モードを見つける役割をするのは、FMEAでしょうか。DVDのQFD応用編の中で、品質要素と業務機能で表を作成し、保証項目を設定する業務展開表を参考にしようと考えております。この業務展開表でFMEAのような使用が可能なのでしょうか。
 

【解説 3】

 FMEA...
などの信頼性に関する記述は、当サイトにおいて詳しく述べられています。FMEAのキーワードで検索して、ぜひ参考にされてください。
 
 QFDでの業務展開あるいは信頼性展開は、ひとつのプロジェクト、例えば商品開発において、その製造工程の中で改訂しなくてはならないQC工程表の項目、あるいは保証業務の抽出など工程FMEAのプロセスと似ている点があります。ただしQFDをすべての場面で適用しようとすると莫大なリソースを消費します。目的に応じての適用が最前と考えております。ですから、御社でFMEAを実施されているのでしたら、そのアウトプットを業務展開や信頼性展開に適応することをお勧めいたします。
 

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