様々な特徴量を用いてのMT法解析

 MT法は多変量解析法の一種で、結果の信頼性が高く使いやすい手法です。最近は専用のソフトウェアがいくつか用意されていますので、データが揃えばすぐに使うことができます。しかし、パターン認識で採取したデータから特徴量を抽出するところがポイントになります。そこで今回は、MTシステムで提案されている「特徴量」について解説します。
 
 波形解析には、有名なフーリエ解析があります。周波数の解析です。FFT(Fast Fourier Transform)であれば簡単にできるので、周波数に特徴があれば不具合の解析に非常に有効です。しかし、周波数特性の解析ですから、横軸(時間)に対する縦軸(電圧とかの対象特性)の特徴がわかりません。生産現場では稼働初期やランニング時に、異常の前兆が波形から予測できれば効率的な管理が可能です。このため、波形解析に正常と異常の違いが判断できればいいことになります。波形の特徴としては、様々なものがあります。ひとつは最大値です。これが大きく違う場合、警報あるいは動作停止が可能です。最低値についても同様です。
 
 MT法では、特徴量として微分特性とか積分特性がよく使われます。早い話が波形の変化を簡単に評価できる特徴量といえます。
 
         
 
図1.微分特性
     
 図1にて微分特性の例を説明します。横軸は、時間軸、縦軸は電圧です。電圧30のときなら、波形が30のラインを横切るポイント数(赤丸数)が微分特性値です。図1では電圧30の時に4ということになります。同様に、電圧20では9です。up/downの変化を代表するひとつです。
 
                                       
図2.積分特性
 
 積分特性とは、図2のような微分特性で使用した等高線が対象波形を下回っている横軸長の合計と定義します。電圧30では2.1、電圧20では7.2となります。
 
 MT法では、これ以外にも様々な特徴量を用いて解析します。...
又、横軸のレベルをどう取るかによっても変わってきます。詳細は個別の技術テーマで変わってきます。

◆関連解説『品質工学(タグチメソッド)とは』

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