プロジェクト管理:プロジェクトを可視化する重要性(その1)

 製品開発プロジェクトにおける問題は、品質の劣化や生産性の低下、納期の遅れなどとして表面化し、これまでは開発プロセスや組織の問題ととらえ解決を図ってきました。しかし、プロジェクトの問題は多岐にわたっているため解決が難しく、最近はプロジェクト管理の問題としてとらえることが多くなっています。ただし、多くの組織でプロジェクト管理の問題をプロジェクト・リーダーの資質や能力の問題として片付けてしまっているのも現実です。これではプロジェクト管理の仕組みを改善するには至りません。
 
 このような事態を避けるには、プロジェクトにおける問題のほとんどがプロジェクトが見えていないことに起因していることに気付く必要があります。実態が見えないため、問題を正しく把握することも、適切な対応を取ることもできないのです。本連載では、プロジェクト管理を効率的に実施する方法として、プロジェクトの本当の姿を把握でき、問題を解決に導くことができるメトリクスを利用した仕組みを解説します。
◆関連解説『プロジェクトマネジメントとは』
 

1.管理のために加工した指標

 
 メトリクスとは、プロジェクト活動(開発活動)を定量化し、そのデータを適切にプロジェクト管理ができるように加工した指標のことです。データを収集しただけではメトリクスではありません。メトリクスというためには、プロジェクトをどのようにマネジメントするのか、そのためにどのようにデータを収集・加工するのか、加工したデータをどのように利用するのかが明確になってないといけません。
 
     
    図1.メトリクス・プロジェクト管理サイクル
 
 図1は、メトリクスを利用したプロジェクト管理のサイクルを示したものです。①見積もり式(基準とするメトリクス)で見積もりを作成、②開発過程で実績データを収集・加工(実績のメトリクス作成)、③見積もりと実績で予実差を管理(進ちょくメトリクス)、④開発が終わった段階で見積もり式を改善、といった流れとなります。
 
 これらの各ステップの詳細については連載の中でも述べますが、見積もり作成と予実差管理のステップを例にとり、メトリクスがどういうものかを解説します。まずは、メトリクスを作る際の基本の考え方です。次回のその2で、プロジェクトの可視化について解説します。
 
 

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