アイディアの深掘りとは 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その41)

更新日

投稿日

 
  技術マネジメント
 
 新規事業・新商品の開発アイディアを出すために発想ノウハウを質問する方が多いのですが、アイディア発想法より大切なことをお伝えしています。
 
 まず初めに「アイディア出し会議はどんなメンバーで構成されていますか?」この質問に対する回答が、「自分の組織のメンバーです。」であれば要注意です。
 
 これでは既存事業や既存商品ありきのアイディアとなり、革新的なネタは生まれません。ご自身の組織以外のメンバーを必ず含め、できれば老若男女、様々な環境のメンバーでアイディア出しをすることです。これは特に初期のアイディア出し会議に有効です。
 
 技術的な難易度、コスト的な難易度などを一旦取り外してアイディアを出しまくるブレインストーミングで効果を示す方式です。ご自身やご自身の組織の常識を一旦、取り外して考えることこそ、今までにないアイディアを出す秘訣です。
 
 ここでよくご質問がくるのですが、ご自身の組織外のメンバーを呼べないという問題です。単に「アイディア出しをするので参加してください。」では、相手も忙しくまず無理でしょう。そういった場合には、相手や相手の組織(上司)にとってもメリットがあるアウトプットを用意して、依頼することがベストです。と、ここまではご存知の方も多いと思います。
 
 今回のテーマの本題はここからです。
 
 老若男女、様々な環境のメンバーを集めたら、特に意識していただきたいことがあります。それは、「新人や若手メンバーや業務に直接関係のないメンバーのアイディアこそ、深堀りする」です。
 
 人はそれまでの実績(商品開発や技術など)や権威に弱く、どうしても古参メンバーの意見を重視し、若手や他業種のいわゆる当該分野を知らないメンバーの話に聴く耳を持たない傾向があります。
 
「聴いています」と思っている方ほど、本当に聴いているのか、出てきたアイディアを深掘りしようとまでしているのか、ご自身に問いかけてください。
 
 私自身、新人の時や新しい分野のメンバーとして参加した際、自信を持って発言したアイディアをほぼ100%聴いてもらえなかったという苦い記憶を持っています。こういった経験が積み重なるとどうでしょう?
 
 メンバーからの発...
 
  技術マネジメント
 
 新規事業・新商品の開発アイディアを出すために発想ノウハウを質問する方が多いのですが、アイディア発想法より大切なことをお伝えしています。
 
 まず初めに「アイディア出し会議はどんなメンバーで構成されていますか?」この質問に対する回答が、「自分の組織のメンバーです。」であれば要注意です。
 
 これでは既存事業や既存商品ありきのアイディアとなり、革新的なネタは生まれません。ご自身の組織以外のメンバーを必ず含め、できれば老若男女、様々な環境のメンバーでアイディア出しをすることです。これは特に初期のアイディア出し会議に有効です。
 
 技術的な難易度、コスト的な難易度などを一旦取り外してアイディアを出しまくるブレインストーミングで効果を示す方式です。ご自身やご自身の組織の常識を一旦、取り外して考えることこそ、今までにないアイディアを出す秘訣です。
 
 ここでよくご質問がくるのですが、ご自身の組織外のメンバーを呼べないという問題です。単に「アイディア出しをするので参加してください。」では、相手も忙しくまず無理でしょう。そういった場合には、相手や相手の組織(上司)にとってもメリットがあるアウトプットを用意して、依頼することがベストです。と、ここまではご存知の方も多いと思います。
 
 今回のテーマの本題はここからです。
 
 老若男女、様々な環境のメンバーを集めたら、特に意識していただきたいことがあります。それは、「新人や若手メンバーや業務に直接関係のないメンバーのアイディアこそ、深堀りする」です。
 
 人はそれまでの実績(商品開発や技術など)や権威に弱く、どうしても古参メンバーの意見を重視し、若手や他業種のいわゆる当該分野を知らないメンバーの話に聴く耳を持たない傾向があります。
 
「聴いています」と思っている方ほど、本当に聴いているのか、出てきたアイディアを深掘りしようとまでしているのか、ご自身に問いかけてください。
 
 私自身、新人の時や新しい分野のメンバーとして参加した際、自信を持って発言したアイディアをほぼ100%聴いてもらえなかったという苦い記憶を持っています。こういった経験が積み重なるとどうでしょう?
 
 メンバーからの発言はどんどんなくなり、参加さえしなくなることもあります。これでは、せっかく苦労して招集したメンバーが参加している意味がありません。あえて不公平になるくらい、新人や他業種メンバーの話を聴き、そのアイディアを深掘りしてください。きっと今までのアイディアに負けない、超えるような原石が見つかるはずです。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

川崎 響子

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
企画が通らない時に、確認することとは 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その59)

1. 企画の承認が得られない悩み  商品・R&D開発テーマの企画提案について、なかなか承認が得られないという相談を受けました。この悩みは大企...

1. 企画の承認が得られない悩み  商品・R&D開発テーマの企画提案について、なかなか承認が得られないという相談を受けました。この悩みは大企...


普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その171) 動物を深く知る

  【目次】   【この連載の前回:普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その170)へのリンク】 これまでアナロ...

  【目次】   【この連載の前回:普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その170)へのリンク】 これまでアナロ...


視覚 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その156)

  今回も前回に引き続き、視覚を活用して創造性を高め、イノベーションを起こす能力を強化する方法について考えてみたいと思います。 &nbs...

  今回も前回に引き続き、視覚を活用して創造性を高め、イノベーションを起こす能力を強化する方法について考えてみたいと思います。 &nbs...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
設計改善研究会の成果 伸びる金型メーカーの秘訣 (その39)

        今回、紹介する機械装置メーカーは、株式会社 K製作所です。同社は、自動車メーカーや工作機械メ...

        今回、紹介する機械装置メーカーは、株式会社 K製作所です。同社は、自動車メーカーや工作機械メ...


プロジェクトの進捗管理 プロジェクト管理の仕組み (その4)

 前回のその3プロジェクトの計画策定に続いて解説します。最後は、プロジェクトの監視と制御、そして、測定と分析です。まとめて進捗管理といっても問題ないと思い...

 前回のその3プロジェクトの計画策定に続いて解説します。最後は、プロジェクトの監視と制御、そして、測定と分析です。まとめて進捗管理といっても問題ないと思い...


‐産学交流からの開発テ-マと市場の観察‐  製品・技術開発力強化策の事例(その7)

 前回の事例その6に続いて解説します。産学交流による開発テ-マの探索や共同開発に関心が寄せられています。 大学には基礎研究の面で優れた開発テ-マの候補にな...

 前回の事例その6に続いて解説します。産学交流による開発テ-マの探索や共同開発に関心が寄せられています。 大学には基礎研究の面で優れた開発テ-マの候補にな...