明暗が分かれる開発ステップ 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その37)

更新日

投稿日

 
  技術マネジメント
 
 新商品事業化までのステップは、主に次の3ステップに区分されて考えられます。
 
  • 研究
  • 開発
  • 事業化
 
 一昔前はR&Dといって、研究と開発が同じ扱いとされてきましたが、近年は「研究」と「開発」が分けて考えられるようになりました。私もこの考え方に賛同します。
 
 「研究」は、あくまでオンリーワン・ナンバーワン技術の創出が目的です。「事業化」は、その名の通りビジネスとして収益をあげる商品の創出が目的です。では、「開発」とは何でしょうか。
 
 これは私なりの見解ですが、
 
  •  「開発」とは、技術を価値ある商材へと変換する「商材」の創出が目的です。
        「商材」:商品。売り物。多く、販売者の側からいう語。(参照元:三省堂 大辞林)
 
 この連載では、商品になる前の「商品として見込みがあるもの・サービス」と定義させていただきます。ちなみに「商材の創出」という硬い言葉を使用しましたが、要は「研究した技術」を「事業」につなげるステップと捉えてください。
 
 さてタイトルにも掲げた開発ステップが明暗を分けるの意味について、説明します。
 
 イノベーションを起こす事業の創出で、よく目にするこちらです。
 

1. 「魔の川」

 
 一般に「研究」〜「開発」間にある障壁と言われ、研究結果が凍結されてしまうことです。
 
 研究で得た技術や技術シーズを市場ニーズへと結び付け、具体的なターゲットや開発テーマを構想し、「商材」を生み出すことが求められます。
 

2. 「死の谷」

 
 「開発」〜「事業化」の間にある障壁と言われ、事業化できないこと。
 
 量産に耐えうる品質は元より、利益が見込める商品としてのスペックを持ち、かつ資金や人材などの経営資源を調達し、タイムリーにリリースできる「商材」を生み出すことが求められます。
 
・ ・ ・
 
 このように「研究」と「事業化...
 
  技術マネジメント
 
 新商品事業化までのステップは、主に次の3ステップに区分されて考えられます。
 
  • 研究
  • 開発
  • 事業化
 
 一昔前はR&Dといって、研究と開発が同じ扱いとされてきましたが、近年は「研究」と「開発」が分けて考えられるようになりました。私もこの考え方に賛同します。
 
 「研究」は、あくまでオンリーワン・ナンバーワン技術の創出が目的です。「事業化」は、その名の通りビジネスとして収益をあげる商品の創出が目的です。では、「開発」とは何でしょうか。
 
 これは私なりの見解ですが、
 
  •  「開発」とは、技術を価値ある商材へと変換する「商材」の創出が目的です。
        「商材」:商品。売り物。多く、販売者の側からいう語。(参照元:三省堂 大辞林)
 
 この連載では、商品になる前の「商品として見込みがあるもの・サービス」と定義させていただきます。ちなみに「商材の創出」という硬い言葉を使用しましたが、要は「研究した技術」を「事業」につなげるステップと捉えてください。
 
 さてタイトルにも掲げた開発ステップが明暗を分けるの意味について、説明します。
 
 イノベーションを起こす事業の創出で、よく目にするこちらです。
 

1. 「魔の川」

 
 一般に「研究」〜「開発」間にある障壁と言われ、研究結果が凍結されてしまうことです。
 
 研究で得た技術や技術シーズを市場ニーズへと結び付け、具体的なターゲットや開発テーマを構想し、「商材」を生み出すことが求められます。
 

2. 「死の谷」

 
 「開発」〜「事業化」の間にある障壁と言われ、事業化できないこと。
 
 量産に耐えうる品質は元より、利益が見込める商品としてのスペックを持ち、かつ資金や人材などの経営資源を調達し、タイムリーにリリースできる「商材」を生み出すことが求められます。
 
・ ・ ・
 
 このように「研究」と「事業化」とつなぐ開発ステップは、イメージしたものを実際に見える化する、事業成立性を判断する大切なステップとなります。ぜひ、「開発ステップ」の施策を打って、成功確率をあげてください。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

川崎 響子

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
『価値づくり』の研究開発マネジメント (その19)

      研究開発担当者のオープンイノベーションへの抵抗の要因として、前回のその18で解説した「組織のホメオスタシス」の他に...

      研究開発担当者のオープンイノベーションへの抵抗の要因として、前回のその18で解説した「組織のホメオスタシス」の他に...


設計標準の必要性と作り方(その2)

1.設計標準はベストコストのガイドライン  前回のその1に続いて解説します。一部の大手製造業では、コスト意識を高めてベストコストでの製品設計を実現す...

1.設計標準はベストコストのガイドライン  前回のその1に続いて解説します。一部の大手製造業では、コスト意識を高めてベストコストでの製品設計を実現す...


メカトロ設計の3要素 【連載記事紹介】

  ◆メカトロ設計 高度化するとは、メカトロ化することに等しいのです。メカトロニクスは物質(メカ)、エネルギー(エレキ)、情報(ソフト)...

  ◆メカトロ設計 高度化するとは、メカトロ化することに等しいのです。メカトロニクスは物質(メカ)、エネルギー(エレキ)、情報(ソフト)...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
スーパーマンではなくプロフェッショナルな技術者に(その3)

【プロフェッショナルな技術者 連載目次】 1. 製品開発現場が抱えている問題 2. プロフェッショナルによる製品開発 3. 設計組織がねらい通り...

【プロフェッショナルな技術者 連載目次】 1. 製品開発現場が抱えている問題 2. プロフェッショナルによる製品開発 3. 設計組織がねらい通り...


ソフト開発計画の作成方法 プロジェクト管理の仕組み (その5)

 前回のその4:プロジェクトの進捗管理に続いて解説します。前回は CMMI を使い、要件管理、計画作成、進捗管理のポイントを紹介しました。多くの開発組織で...

 前回のその4:プロジェクトの進捗管理に続いて解説します。前回は CMMI を使い、要件管理、計画作成、進捗管理のポイントを紹介しました。多くの開発組織で...


‐技能と技術の融合化によるITを応用した技術開発‐  製品・技術開発力強化策の事例(その4)

 前回の事例その3に続いて解説します。ITの普及と共に技術者や技能者の質的内容が大きく変化しつつあります。今まで何回もの練習と経験を積む必要性が高かった業...

 前回の事例その3に続いて解説します。ITの普及と共に技術者や技能者の質的内容が大きく変化しつつあります。今まで何回もの練習と経験を積む必要性が高かった業...