放熱樹脂の高熱伝導化と熱伝導解析技術

フィラー配向、高充填技術等、窒化ホウ素複合のポイントは?
分散系、複合材料の熱伝導特性は?
配向状態、界面状態の熱伝導への影響を徹底解説!

セミナー講師

1. 長岡技術科学大学 技術科学イノベーション専攻 教授 博士(工学) 中山 忠親 氏
2. 香川大学 創造工学部 教授 工学博士 楠瀬 尚史 氏
3. 三菱電機(株) 先端技術総合研究所 パワーモジュール技術部 パッケージング技術グループ グループマネージャ 工学博士 平松 星紀 氏
4. (国研)産業技術総合研究所 中部センター 構造材料研究部門 マルチスケール部材評価グループ 主任研究員 工学博士 丸山 豊 氏

セミナー受講料

1名につき60,000円(消費税抜き・昼食・資料付き) 
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき55,000円(税抜)〕

セミナープログラム

<10:00〜11:30>
1.ナノ秒パルス電場を用いた無機フィラーの配向技術
長岡技術科学大学 中山 忠親 氏  
【講座概要】
有機物と無機物の長所を組み合わせることで、相反する機能を同時に達成する超ハイブリッド材料に関する研究が盛んに取り組まれている。無機フィラーの制御の観点から、当該研究の動向について概説する。

1.有機無機ハイブリッド材料とは?
2.無機フィラー配向における世界の研究動向
3.放熱材料における無機フィラー配向の重要性
4.異方性形状を持つ無機フィラーの合成方法
 4-1 ナノ粒子合成法
 4-2 ナノ粒子分散法

5.有機無機ハイブリッドの複合プロセス
 5-1 高エネルギー場によるフィラー配向制御
 5-2 ナノ秒工学とナノ工学のクロスオーバー
 5-3 強磁場によるフィラー配向制御
 5-4 電場配向と磁場配向の特徴と相違

6.ナノ電極を用いたナノレベル配向制御手法
7.まとめ

【質疑応答・個別質問・名刺交換】


<12:10〜13:40>
2.異方性改善と高熱伝導性を両立した窒化ホウ素フィラーの開発
香川大学 楠瀬 尚史 氏  

1.セラミックス
2.高熱伝導非酸化物セラミックス
 2-1 高熱伝導フィラーの選択
 2-2 代表的な材料の熱伝導度
 2-3 窒化アルミニウム(AlN)
  2-3-1 AIN焼結体の熱伝導度
  2-3-2 AlNセラミックスの熱伝導における粒径の影響
 2-4 窒化ケイ素(Si3N4)
  2-4-1 Si3N4焼結体の熱伝導度
  2-4-2 Si3N4セラミックスの平均粒径と熱伝導度の関係
 2-5 窒化ケイ素(Si3N4)化ホウ素(BN)
  2-5-1 SiCセラミックスの熱伝導度
  2-5-2 非酸化物セラミックスの熱伝導度と電気伝導

3.高熱伝導ハイブリッド材料
 3-1 Si3N4ナノワイヤー添加エポキシハイブリッド材料
 3-2 BN凝集体添加エポキシハイブリッド材料
 3-3 化学合成BN添加エポキシハイブリッド材料


【質疑応答・個別質問・名刺交換】


<13:50〜15:20>
3.エポキシ/窒化ホウ素の高熱伝導コンポジットの開発とそのパワーデバイスへの応用
三菱電機(株) 平松 星紀 氏 
【講座の趣旨】
近年、電子機器の小型化、高出力化に伴い半導体素子の発熱が増大する傾向にあります。半導体素子は、高温になると効率が低下するだけでなく誤動作や故障の原因となるため、発生した熱量を効率的に機器の外部に逃がす放熱性の高い絶縁材料が求められている。本講演では、樹脂と無機フィラーとの複合材料における高熱伝導化技術を紹介するとともに、電子機器の中で特に高い放熱性が要求されるパワーモジュールへの応用例について紹介する。高熱伝導化技術については、エポキシ樹脂と窒化ホウ素(h-BN)フィラー複合材料におけるフィラーの配向制御について紹介する。
1.電子機器の構造と高熱伝導樹脂材料のニーズ~パワーモジュール適用例を中心に

2.高熱伝導複合材料の基礎と応用
 2-1 樹脂/無機フィラー複合材料の熱伝導率
 2-2 モールド型パワーモジュールへの応用

3.複合材料の熱伝導率向上技術
 3-1 高熱伝導フィラー(BN)の高充填化
 3-2 高熱伝導フィラー(BN)の配向制御
 3-3 マトリクス樹脂の高熱伝導化

4.高熱伝導絶縁シート適用パワーモジュールの放熱性の向上
5.高耐熱・高熱伝導絶縁シートの開発
6.絶縁信頼性

【質疑応答・個別質問・名刺交換】


<15:30〜17:00>
4.分散系など、複合材料におけるミクロ-マクロ熱伝導特性解析
(国研)産業技術総合研究所 丸山 豊 氏  
【講座概要】
分散系中における熱伝導の問題は、界面分子特性から製造過程における樹脂流れまで、典型的なマルチスケール問題であり、きれい事(理想系)が通じない解析屋泣かせの問題です。現実の試料特性とのギャップを埋めるべく、1.異方的な伝導特性の測定値と配向状態の分かる高解像度画像とから、着目スケールの配向性乱れが無い場合を想定した理論的上限値を算出するとともに、2.実試料のミクロな分散構造情報を前提に、その有効熱伝導率をランダムウォークにより厳密計算出来ることを示します。いずれも実験結果や構造情報を足掛かりとした解析手法であり、実験結果と照らし合わせることで界面の影響なども議論出来るようになるかもしれません。
1.はじめに:拡散問題としての関わり
2.問題とその周辺:マクロからミクロとミクロからマクロへ
 2-1 配向制御された系の異方的な熱伝導特性とその解析
 2-2 配向制御の様子と熱伝導(拡散)特性:なにが問題か?

3.解析手法1:マクロからミクロを解析するマルチスケール逆解析法
 3-1 画像をもとにした配向状態の解析:平均からスケール依存した局所配向方位へ
 3-2 画像をもとにした配向状態の解析:二次元から三次元へ
 3-3 逆問題: 三次元再構成された方位と熱伝導率パターンの重ね合わせによる表現
 3-4 解析結果とそのスケール依存性が示すもの
 3-5 小さなスケールで行き着くところと解析の限界

4.解析手法2:ミクロからマクロを解析するステップ釣り合いランダムウォーク解析法
 4-1 ランダムウォーク(酔歩)とは?
 4-2 適用可能とする対象系と御利益
 4-3 理論:非平面的に接する異方性相界面でステップが満たすべき条件とは?
 4-4 モデル計算結果の紹介1:秩序的に球体分散した系(解析解なし)
 4-5 モデル計算結果の紹介2:異方的二相層状構造系(解析解あり)

5.まとめ
 5-1 残された問題:解析における界面特性の扱い
 5-2 将来展望:実験と解析の直接対応へ

【質疑応答・個別質問・名刺交換】