
セミナー趣旨
本セミナーでは、膜透過ペプチドを利用したタンパク質の細胞内デリバリーに関する基礎的な知識をご紹介します。特に、従来型の膜透過ペプチドとエンドサイトーシスとの関係について解説します。さらに細胞応答の一例として、エンドサイトーシス経路やリン酸化シグナルの解析結果を紹介し、改変型膜透過ペプチド(Pas2r12)を用いたタンパク質デリバリーについても詳しくご説明します。
本セミナーを通じて、今後のドラッグデリバリーシステム(DDS)を考えるうえで、膜透過ペプチドが果たす役割やその可能性について理解を深めていただければ幸いです。
受講対象・レベル
・製薬・ヘルスケア業界の研究開発者で膜透過ペプチドを用いたDDSに関心がある方
・DDS・ナノキャリア研究に携わるアカデミア・研究機関の研究者
・バイオベンチャー関係者
習得できる知識
・膜透過ペプチドについての理解
・エンドサイトーシスについての理解
・膜透過ペプチドを用いたDDSの課題と展望
セミナープログラム
1.DDSについての基礎知識
1-1.DDSとは
1-2.DDSの種類と分類
1-3.DDSの代表的な例
2.膜透過ペプチドについての基礎知識
2-1.膜透過ペプチドとは
2-2.膜透過ペプチドの種類と分類
2-3.膜透過ペプチドの応用例と課題
3.エンドサイトーシスについての基礎知識
3-1.エンドサイトーシスの種類
3-2.エンドサイトーシス経路の評価方法
3-3.膜透過ペプチドの細胞内導入におけるエンドサイトーシスの役割
4.改変型膜透過ペプチド「Pas2r12」についてのご紹介
4-1.開発の背景と目的
4-2.タンパク質・抗体の細胞内導入機構
4-3.Pas2r12とエンドサイトーシスとの関係性に対する評価方法
5.Pas2r12導入機構の解析と実験デザイン
5-1.EGFPや抗体を用いた導入効率の評価(フローサイトメトリー解析)
5-2.サイトゾル導入効率の評価(共焦点レーザー顕微鏡解析)
5-3.細胞内シグナル伝達経路解析(リン酸化プロテオーム解析、ウェスタンブロッティング解析)
6.今後の展望
6-1.抗体などの高分子医薬品への応用
6-2.ターゲット指向型DDSへの発展
<終了後、質疑応答>
*プログラム内容は一部変更する可能性がございます。
*途中、小休憩を挟みます。
■講演中のキーワード
ドラッグデリバリーシステム(DDS)、膜透過ペプチド(CPP)、エンドサイトーシス、タンパク質導入、抗体導入
セミナー講師
新潟大学 医学部保健学科/大学院保健学研究科 准教授 博士(理学) 奥田 明子 氏
■ご経歴
2000年3月 東邦大学大学院 理学研究科 修了(理学修士)
2004年1月 博士(理学) 取得(東邦大学)
2003年11月〜2007年3月 科学技術振興機構(JST) 博士研究員(さきがけ・SORST)
2007年4月〜2014年10月 大阪大谷大学 薬学部 助教
2014年11月〜2020年3月 新潟大学 医歯学系 助教
2020年4月〜2022年1月 新潟大学 医歯学系 講師
2022年2月〜現在 新潟大学 医歯学系 准教授
■ご専門および得意な分野・ご研究
ドラッグデリバリー、生化学、分子生物学、臨床化学
■本テーマ関連学協会でのご活動
日本薬学会、生物試料分析科学会(評議員)、日本臨床化学会、日本細胞生物学会
セミナー受講料
【オンライン受講(見逃し視聴なし)】:1名 40,700円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき29,700円
【オンライン受講(見逃し視聴あり)】:1名 46,200円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき35,200円
*学校法人割引:学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
(開催1週前~前日までには送付致します)
※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。) - 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
- Zoomを使用したオンラインセミナーです
→環境の確認についてこちらからご確認ください - 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
→こちらをご確認ください
受講料
40,700円(税込)/人
関連セミナー
もっと見る関連教材
もっと見る関連記事
もっと見る-
DEHPとは?危険性や健康への影響、身近な製品例と安全な代替品まで解説
【目次】 DEHP(フタル酸ジエチルヘキシル)、この耳慣れない化学物質が、私たちの日常生活に深く根ざしていることをご... -
PFAS(ピーファス)を分かりやすく解説!有機フッ素化合物の基礎知識
【目次】 PFAS(ピーファス)という言葉を耳にしたことはありますか?PFASは「パーフルオロアルキル物質」の略で、主に有機フッ素化... -
プラスチック分解微生物とは?求められる背景や仕組みについて解説
プラスチックは私たちの生活に欠かせない素材ですが、その便利さの裏には深刻な環境問題が潜んでいます。毎年膨大な量のプラスチックが廃棄され、海洋や土壌に蓄... -