
分散型臨床試験(DCT)の導入・実施時のポイント・注意点
eConsent等の最新ガイドライン解説、ハイブリッド・フルDCTデザインと利活用可能なDXソリューション、プライバシー確保等の留意点、ウェアラブルデバイスや遠隔モニタリングの活用方法、国内導入事例、現状の課題と解決策などを取り上げ、分散型臨床試験(DCT)を実践するために必要な内容を学びます。
セミナー趣旨
本講座では、最新の薬事規制に基づく分散型臨床試験(DCT)について概説します。現在進められている治験エコシステム事業の大きな枠組みの一つに、DCTを推進することが含まれております。本講座では、DCTに関連したeConsent等の最新ガイドラインを分かりやすく解説するとともに、ハイブリッド・フルDCTデザインと利活用可能なDXソリューション、プライバシー確保等の留意点、ウェアラブルデバイスや遠隔モニタリングの活用方法、国内導入事例、現状の課題と解決策を取り上げ、DCTを実践するために必要な内容を学ぶことができます。
受講対象・レベル
・医薬品メーカーやスタートアップの臨床開発担当者・プロジェクトマネジャー
・医療機関での治験責任医師、研究支援を実施しておられるAROの方、治験コーディネーター
・CRA、薬事・品質保証部門の方
・IRB/倫理審査委員会の事務局の方
必要な予備知識
■本テーマ関連法規・ガイドラインなど
・医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP省令)
・「治験及び製造販売後臨床試験における電磁的方法を用いた説明及び同意に関する留意点」
(厚労省通知 2023年3月30日)
・厚生労働省『治験・臨床試験の推進に関する今後の方向性について(2025年版)』
習得できる知識
・DCTに関連するガイドライン解説
・DCT実施時の治験デザイン
・DCT実施時の課題と留意点
・データの管理/取り扱い
・DCT導入の実例
セミナープログラム
1.DCTの最新動向と全体像
1-1.DCT(分散型臨床試験)とは
1-2.国内外のDCT普及状況
1-3.DCTの利点と課題
1-4.フルDCTとハイブリッドDCTの比較
1-5.DCT適用の可否判断のポイント
2.国内外の関連ガイドラインと法制度
2-1.ICH GCPの動向
2-2.厚生労働省「治験・臨床試験の推進方針2025」
2-3.eConsentに関する厚労省通知(2023年)
2-4.業界団体の動向(日本製薬工業協会(JPMA)、CTX研究会等)
3.eConsentの実務と運用手順
3-1.eConsentの定義と及び要件
3-2.DXを使用した本人確認とプライバシーの確保
3-3.プロセスの信頼性保証
3-4.電子同意書の保存について
4.DCTにおける治験デザイン
4-1.DCTのデザイン(在宅/サテライト施設/その他の遠隔デザイン)
4-2.データ入力と評価(リモート評価)
4-3.DCTにおけるリスクプロポーショネートアプローチ
4-4.DCTにおけるモニタリング
4-5.対象や疾患領域による留意点
5.治験薬の交付と管理体制
5-1.治験薬の直接交付とその制限
5-2.パートナー医療機関・薬局での交付
5-3.治験薬配送と保管(温度管理、セキュリティ)
5-4.治験薬管理責任者の役割
5-5.帳票・記録管理(監査対応)
6.データ収集・管理の実務と信頼性
6-1.ePRO / eCOAの活用と課題
6-2.ウェアラブルデバイスのデータ取り扱い
6-3.EDCと電子カルテの連携
6-4.原資料(source data)の特定と保存
6-5.システムバリデーション(CSV)の要点
6-6.個人情報保護とデータ匿名化
7.DCT導入のステップと注意点
7-1.計画段階での実現性評価
7-2.関係者(IRB/SMO/CRC等)との調整
7-3.患者リクルートメントと同意取得手順の再設計
7-4.運用フェーズでのトラブル対応体制
7-5.DCT導入後の評価とレッスンラーンドの整理
8.実例紹介:国内外でのDCT導入ケース
8-1.国内企業によるハイブリッドDCT事例
8-2.海外における在宅治験の実施例
8-3.DCTによる小児疾患治験の展開
8-4.高齢者対象試験でのDCT活用
8-5.企業アンケート結果から見る成功要因
9.現場から見た課題と提言
9-1.テクノロジー格差と被験者支援の必要性
9-2.遠隔診療医と主治医の連携課題
9-3.契約・費用配分の新たな交渉課題
9-4.医療機関・CRCの負担と人材育成の必要性
9-5.DCT普及に向けた横断的支援体制の整備
10.今後の展望とセミナーまとめ
10-1.DCTにおけるレギュラトリーサイエンスの進化
10-2.患者中心の臨床研究の未来像
10-3.AI・IoT技術との融合可能性
10-4.国際共同試験への展開可能性
<終了後、質疑応答>
セミナー講師
国立成育医療研究センター 臨床研究センター長 薬学士 松山 琴音 氏
■ご経歴
2000年 京都大学薬学部卒業、京都大学大学院薬学研究科を経て、
2003年7月より(公財)先端医療振興財団臨床研究情報センター(現・医療イノベーション推進センター、TRI)。
2006年1月より同薬剤管理室管理薬剤師。
2015年4月より京都府立医科大学研究開発・質管理向上統合センターにて、医師主導研究における開発薬事業務に従事した。
2017年10月より日本医科大学医学部医療管理学特任教授、2017年11月より学校法人日本医科大学研究統括センター副センター長。
2025年6月より国立成育医療研究センター臨床研究センター長。
日本医科大学医学部医療管理学特任教授、学校法人日本医科大学研究統括センター副臨床研究部門長。
■ご専門および得意なご分野・ご研究
臨床薬理学、臨床試験管理学
臨床試験のQuality by Designによる開発
患者市民参画による臨床開発プロセス
■本テーマ関連学協会でのご活動
国際製薬医学会IFAPP 次期理事長(President Elect)
日本製薬医学会理事
DIA Japan Contents Committee Lead、同Bioethics Community Lead.
セミナー受講料
【オンライン受講(見逃し視聴なし)】:1名 40,700円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき29,700円
【オンライン受講(見逃し視聴あり)】:1名 46,200円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき35,200円
*学校法人割引:学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
(開催1週前~前日までには送付致します)
※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。) - 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
- Zoomを使用したオンラインセミナーです
→環境の確認についてこちらからご確認ください - 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
→こちらをご確認ください
受講料
40,700円(税込)/人