
パワーデバイスSiC結晶欠陥の基礎知識とその観察・評価技術
★本講座では、SiC結晶やその欠陥の種類、デバイス特性への影響から結晶欠陥の評価手法まで解説!
※オンライン会議アプリZoomを使ったWEBセミナーです。ご自宅や職場のノートPCで受講できます。
セミナー趣旨
SiCパワーデバイスは次世代の電力エレクトロニクスを支える重要材料ですが、その性能を十分に引き出すにはSiC基板に含まれる結晶欠陥の理解と制御が欠かせません。本セミナーでは、最新のSiC基板市場の動向や課題を踏まえつつ、SiC結晶構造と欠陥に関する基礎知識を体系的に解説します。また、透過電子顕微鏡やX線トポグラフィ、偏光顕微鏡などを用いた多様な観察・評価技術を詳しく紹介し、マルチモーダル解析や画像処理を用いた欠陥自動検出の具体例についても解説します。さらに、溶液成長法やイオン注入技術による欠陥の抑制・制御の最前線を取り上げ、高品質SiC基板実現に向けた技術的展望について議論します。
受講対象・レベル
・SiCウェハの結晶欠陥とその評価手法について理解を深めたい技術者・研究者の方
必要な予備知識
・半導体に関する基礎知識を有する方
習得できる知識
・SiC結晶欠陥に関する基礎知識および評価技術の具体的手法を習得し、実務における結晶品質評価や欠陥制御に活かすことができる。
セミナープログラム
1.SiC基板の市場動向と最新トピックス
1-1.SiC基板市場の現状と成長予測
(1)2024年市場実績とその背景
(2)2030年に向けた市場規模・成長見通し(EV、再エネ市場等)
1-2.最新トピックス(2025年)
(1)200 mm(8インチ)SiCウェハ量産元年
(2)最大手Wolfspeedの破産リスク
(3)中国勢の台頭と価格崩落の影響
2.SiCパワーデバイスと結晶欠陥の基礎
2-1.SiCパワーデバイスの特性と実用化
(1)SiCとSiパワーデバイスの性能比較(耐圧・熱伝導・バンドギャップ等)
(2)実用化の代表例(新幹線N700SのブロアレスCIユニット)
2-2.SiC結晶欠陥の重要性
(1)欠陥がパワーデバイスに与える影響(性能・信頼性・歩留まり)
(2)Si基板と異なるSiC基板の欠陥管理の重要性
3.SiCの結晶構造と多形(ポリタイプ)
3-1.SiCの結晶多形の基礎知識
(1)Ramsdell、Zhdanov記号による分類法
(2)主な多形(4H, 6H, 3C)の特徴と応用
3-2.SiC基板表面の構造
(1)Si面・C面の特徴と安定性
(2)オフ角(off-angle)の役割とエピタキシャル成長への影響
4.結晶欠陥の種類とその物理的性質
4-1.欠陥の基本分類
(1)点欠陥(空孔、不純物)
(2)線欠陥(転位:刃状、らせん、混合転位)
(3)面欠陥(積層欠陥、異相界面)
(4)体積欠陥(ボイド、割れ、析出物)
5.SiC結晶欠陥がパワーデバイスに与える影響
5-1.主要欠陥によるデバイス特性劣化
(1)マイクロパイプによる耐圧劣化
(2)貫通転位(TSD/TMD/TED)のリーク電流増加
(3)基底面転位(BPD)の積層欠陥拡張(バイポーラデバイス劣化)
5-2.結晶品質とデバイス歩留まり・信頼性
(1)酸化膜信頼性との関係
(2)MOSFET歩留まりと欠陥密度の相関関係
6.SiC結晶欠陥の観察・評価技術
6-1.顕微鏡を用いた欠陥評価
(1)透過電子顕微鏡(TEM/STEM)による評価
(2)KOHエッチング法の実例と特徴
6-2.光学的評価技術
(1)フォトルミネッセンス(PL)による欠陥評価
(2)偏光顕微鏡(光弾性・複屈折)を用いた評価手法
6-3.X線トポグラフィによる非破壊欠陥評価
(1)放射光X線トポグラフィの原理と応用
(2)実験室X線トポグラフィの活用事例
7.マルチモーダル解析と欠陥自動検出技術
7-1.マルチモーダル解析手法の活用
(1)複数の評価技術の組み合わせによる欠陥特定
(2)同一箇所に対する多角的評価の有効性
7-2.画像処理アルゴリズムを用いた欠陥の自動検出
(1)画像処理による偏光観察像の自動検出
(2)テンプレートマッチングによるPL画像からの欠陥検出
8.結晶成長技術による欠陥制御・低減(溶液成長法)
8-1.溶液法(TSSG法)の基本と高品質化の原理
(1)昇華法との違い(原理・特徴)
(2)溶液成長における転位低減メカニズム(TSD/TEDの基底面欠陥変換)
8-2.溶液成長法による高品質SiC結晶の実現
(1)Si面/C面二段階成長法による転位密度低減
(2)溶液成長法の現状と課題(バルク化への取り組み)
9.積層欠陥の拡張抑制技術(イオン注入によるアプローチ)
9-1.積層欠陥拡張メカニズム
(1)Quantum-wellモデルによる積層欠陥の駆動力説明
9-2.プロトン注入を用いた欠陥拡張抑制
(1)転位ピンニング効果の原理と実証結果
(2)ドーズ量とキャリアライフタイムに関する最適化
キーワード:
SiC、パワーデバイス、結晶成長、結晶欠陥、結晶構造、マルチモーダル解析、セミナー、講演
セミナー講師
国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
未来材料・システム研究所 未来エレクトロニクス集積研究センター
准教授 博士 原田 俊太 氏
【ご専門】結晶欠陥工学
【ご活動】
・SSR株式会社 取締役CTO
・応用物理学会 先進パワー半導体分科会 幹事
・応用物理学会 インフォマティクス応用研究会 幹事
・一般社団法人 製造業AI普及協会 理事
セミナー受講料
49,500円(税込、資料付)
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受講料
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