
SiCパワー半導体におけるウェハの切断加工・ダイシング技術の最新動向
■本講座の注目ポイント
パワーデバイス用半導体材料として注目されているSiCの切断・ダイシング加工法として多様な技術をはじめ「高圧力SF6プラズマを用いたSiCウエハの無歪プラズマダイシング加工」や「結晶へき開型切断加工」などについて紹介!
セミナー趣旨
■本セミナーの主題および状況(講師より)
★パワー半導体におけるエネルギーロスの低減やデバイス小型化の実現のため化合物半導体を使用した次世代パワー半導体(SiC)が注目されています。
★しかしながらSiCウェハは高硬度のため、従来加工技術では多大な時間がかかることが課題であり、その改善要求が高まっています。
■注目ポイント
★SiCウェーハに対する多様なダイシング技術について紹介!
★SiCの高能率加工が可能な「高圧力SF6プラズマによるプラズマエッチング」のSiCウエハのプラズマダイシングへの適用案について紹介!
★半導体基板のチップ化加工について高速切断が可能、カーフロスが発生しない、完全ドライプロセスであるスクライブ&ブレイクを応用した革新的な手法を紹介!
セミナープログラム
【第1講】 SiC ウェーハのダイシング技術
【時間】 13:00-14:00
【講師】株式会社ディスコ 技術開発本部 T-Pro 小笠原 舞 氏
【講演主旨】
省エネ性能や発電効率に優れたSiCウェーハを用いたパワーデバイスは、カーボンニュートラルの観点からも期待され、急速に伸びてきている。市場拡大により、今後さらなる生産性が求められることが予想される。本講演では、SiCウェーハに対する多様なダイシング技術について紹介する。
【プログラム】
・SiCウェーハダイシングの難しさ
・SiCウェーハのダイシング手法
・ブレードダイシング
・ステルスダイシング
・新ソリューション
【質疑応答】
【キーワード】
#パワーデバイス、#SiC、#ダイシング、#カーボンニュートラル
【第2講】 高圧力SF6プラズマを用いたSiCウエハの無歪プラズマダイシング加工に関する基礎検討
【時間】 14:10-15:25
【講師】大阪大学 大学院工学研究科 / 教授 佐野 泰久 氏
【講演主旨】
低損失パワーデバイス用半導体材料として注目されているSiCはシリコンに比べて硬くて脆い材料のため、様々な新しい加工法の適用が検討されている。我々はSiCの高能率加工が可能な高圧力SF6プラズマによるプラズマエッチングをSiCウエハのプラズマダイシングへ適用することを提案している。マスクを用いたウエハ全面一括加工であるため加工時間はチップサイズやウエハ径に依存しないこと、加工原理は化学エッチングであるためダイシングした端面には信頼性低下につながるマイクロクラック等が存在しないこと、等の特徴を原理的に有している本加工法について、基本的な加工特性について解説する。
【プログラム】
1.高圧力プラズマを用いた高能率エッチング技術
1.1 低圧プラズマエッチングとの相違点
1.2 種々の応用例
2.SiCウエハの加工例
2.1 ベベル加工装置および加工例
2.2 裏面薄化加工装置および加工例
3.SiCウエハダイシング加工への応用
3.1 ワイヤー電極を用いた例
3.2 プラズマ発生領域制限マスクを用いた例
4.金属マスクと裏面薄化装置を用いたSiCウエハ高速ダイシング
4.1 加工特性のマスク幅依存性
4.2 加工特性の加工深さ依存性
4.3 加工特性に関する考察
5.今後の展望
【質疑応答】
【キーワード】
炭化ケイ素(SiC)、高圧力プラズマ、プラズマエッチング、無歪加工、ダイシング加工
【講演のポイント】
プラズマダイシングはシリコンにおいて実用化されている無歪ダイシング技術であるが、SiCにおいても反応種密度の大きい高圧力SF6プラズマを用いることで、実用的な加工速度が得られることを実証した。
【習得できる知識】
・高圧力プラズマを用いたエッチング技術の概要
・高圧力SF6プラズマを用いたSiCウエハの加工特性
【第3講】 化合物半導体(SiC)の結晶へき開型切断加工
【時間】 15:35-16:35
【講師】三星ダイヤモンド工業株式会社 研究開発部 技術研究課 / 課長 北市 充 氏
【講演主旨】
パワー半導体におけるエネルギーロスの低減やデバイス小型化の実現のため化合物半導体を使用した次世代パワー半導体(SiC)が注目されている。しかしながらSiCウェハは高硬度のため、従来加工技術では多大な時間がかかることが課題であり、その改善要求が高まっている。本セミナーでは高速切断が可能、カーフロスが発生しない、完全ドライプロセスであるスクライブ&ブレイクを応用したSiCウェハのチップ化について加工原理から説明し、加工品質に関する分析結果までを述べる。
【プログラム】
1.SiCパワー半導体への期待と求められる技術
1-1 半導体基板の一般的な加工法と課題
1-2 スクライブ&ブレイクとは
1-3 化合物半導体(SiC)への応用
1-4 SiCのスクライブメカニズム
1-5 SiCのブレイクメカニズム
1-6 スクライブ&ブレイクによるSiCウェハの切断
2.SiCの加工品質
2-1 外観観察結果
2-2 切断面の結晶性
2-3 切断面の残留応力
2-4 抗折強度
3.実基板への応用
3-1 BSS工法
3-2 実基板の切断事例
4.専用工具の開発
5.まとめ
【質疑応答】
【キーワード】
・スクライブ&ブレイク
・SiCウェハ
・へき開
・化合物半導体
・分断加工
【講演のポイント】
半導体基板のチップ化加工について、高速切断が可能、カーフロスが発生しない、完全ドライプロセスであるスクライブ&ブレイクを応用した革新的な手法を原理から学ぶことができる。
【習得できる知識】
・脆性材料、半導体基板の分断技術の種類と特徴
・スクライブ&ブレイク法を用いた分断について
・ツールスクライブによる基板分断メカニズム
セミナー講師
第1部 株式会社ディスコ 技術開発本部 T-Pro 小笠原 舞 氏
第2部 大阪大学 大学院工学研究科 / 教授 佐野 泰久 氏
第3部 三星ダイヤモンド工業株式会社 研究開発部 技術研究課 / 課長 北市 充 氏
セミナー受講料
【1名の場合】49,500円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、16,500円が加算されます。
受講料
49,500円(税込)/人