
国内監査とは異なる海外監査の課題と実務対応【オンライン/会場】
~海外リスクを考えるアフターコロナの海外監査の進め方~
セミナー趣旨
海外の子会社等を対象にする海外監査は、言語や法制度、業務慣行の違いから国内とは勝手が違う難しさがありますが、特に組織風土やカルチャーの違いから、日本では普通指摘されないリスクが海外で重要であったり、同じ内部統制の機能も国内と海外では違いがあったりします。同じビジネスでも業務慣行とか法律が国ごと異なることは気づいていても、それを意識しないことで監査の客観性が脅かされる「認知バイアス」などもIIAのプラクティスガイドで指摘されています。
また内部統制は、元々は欧米からの輸入概念でもあり不正リスク対応の内部統制などは日本と海外とのリスク感覚の違いに留意することで海外監査の効果を上げることにも繋がります。
またコロナ禍の影響で中止されていた海外往査が最近では復活しつつあり、海外往査の進め方については、リスク環境が変化した中での監査の進め方の合理性の確認を行なうなど再検討が求められます。一方で往査の代わりに始まったリモート監査も一般化しており、往査と比較したリモート監査の限界や不足部分にも注意が必要です。
ただし、こうした監査手法の決定には、内部統制上は社内の方針や手続きとして制度化しやすいハードコントロールだけでなく国や組織の文化などのソフトコントロ-ルの影響も重要となります。 また、国際化の進展により、グローバルな視点からのリスク管理やガバナンス対応の重要性が増す中で、日本企業の海外監査の在り方にも業務監査や準拠性の監査だけでなく経営監査を取り入れた内部監査の高度化が期待されています。
本セミナーでは、こうした状況を踏まえて、海外往査を中心とした企業内監査の検討事項や手続きの進め方について解説いたします。
受講対象・レベル
内部監査および内部統制部門、監査役、経営管理や経営企画部門の方など企業不正の予防と対応に取り組まれている方々
セミナープログラム
1.海外監査の計画段階において検討すべき監査の戦略と事前準備のポイント
・海外監査のグランドデザイン
―監査モデルの検討
―チーム編成・外部人材の活用や外注の扱い
―現地との事前アレンジ
―作業ステップと日程管理
―監査アプローチ、データ分析の活用など
・コロナウイルス時代の企業リスクへの対応とリモート監査などの監査手法の問題
2.海外監査で留意すべきリスク対応と日本企業による海外不祥事の例
・海外事業に多く見られるリスクと海外監査の必須重点課題
・ソフトコントロールを含む統制環境に起因する日本企業の海外不祥事
・海外固有の問題で特に注意しておきたい内部監査の指摘事項・改善提案の事例解説
―海外固有の職務分離、利益相反、人事労務関連など―
3.海外監査の高度化の方向 -海外における経営監査の検討
・日本企業に典型的な海外子会社のガバナンスの課題と内部監査による対応
・海外監査における経営監査の切り口と対応方法の例
4.海外監査で失敗しない監査報告会の進め方と監査報告書の作成
・海外監査における監査報告会の実務課題と対応策
・監査報告書の様式と報告作業の段取り
・監査報告のトラブルを避けるための留意点
5.海外監査の成熟度に応じた監査体制構築のポイント
・中長期的な視点から将来を見据えた海外監査の体制づくり
・初期の出張型監査からグルーバル監査までの発展段階に応じた監査体制の類型モデル
※申込状況により、開催中止となる場合がございます。
※講師・主催者とご同業の方のご参加はお断りする場合がございます。
※録音、録画・撮影はご遠慮ください。
セミナー講師
公認内部監査人・公認会計士・米国公認会計士(現在inactive) 公認会計士藤井監査事務所 代表
藤井範彰 氏
30余年の監査法人勤務の内、最初の約20年は会計監査に従事しつつ、E&Yから移ったアンダーセンでは米国本社の指示で米国流会計監査の日本での導入のために監査法人内のパートナーからスタッフまでの全ての監査人を対象に監査の研修や品質管理の活動をしたり、公認会計士協会本部の委員会活動(国際委員会副委員長、会計制度委員会副委員長、監査基準委員会委員他)にも専念。
続く10余年は、内部監査、内部統制、リスクマネジメント、不正調査に特化し、アンダーセン消滅時に朝日監査法人代表社員を辞してPwC(中央青山監査法人)に移り代表社員も務めた後、J-SOXの制度化を前に招聘に応じて復帰した新日本監査法人(E&Y)で内部統制支援本部統括部長、ビジネスリスクサービス部長、FIDS(不正対策・係争サポート)部長等を歴任。
2012年、シニアパートナーを早期退任し、ボルボ・グループで日本の内部監査統括を務め、同グループ会社UDトラックス㈱の監査役を7年間務めた後、現在は内部監査や不正対応・ガバナンス関連の講演や研修・執筆・アドバイザリー業務に従事。
最近の著書『内部監査のプロが書く監査報告書の指摘事項と改善提案』(同文舘出版2016年11月)で2017年度日本内部監査協会青木賞受賞。2019年9月同書第2版出版。他にも著書「経営者と会社を動かす内部監査の課題解決法20」税務経理協会2012年、論文「不正リスクを意識した内部監査の高度化~内部統制の企業不正への関わり方~」日本内部監査協会月刊監査研究2024年10月号、「リスクベースによる内部監査の指摘と改善提案~リスクを意識した内部監査の高度化~」同誌2023年7月号等多数。
セミナー受講料
1名につき
会員 38,500円(本体 35,000円) 一般 41,800円(本体 38,000円)
※会員価格適用については、企業研究会会員が対象となります。
(所属先の会員登録有無がわからない場合、お申込みの際に備考欄へ「会員登録確認希望」とご記入ください。)
※最少催行人数に満たない場合には、開催を中止させて頂く場合がございます。
※お申込後のキャンセルは原則としてお受けしかねます。お申込者がご出席いただけない際は、代理の方のご出席をお願い申し上げます。
受講について
【オンライン受講の方】
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お申込完了後、自動返信メールにて受講票をお送りいたします。
受講料
41,800円(税込)/人