ISO 13485:2016が求める医療機器の設計開発における統計手法とそのサンプルサイズ決定方法

必要な統計学の基礎からサンプルサイズの根拠の考え方、その減少方法についても解説! 

~設計から工程バリデーション、それぞれの局面での統計手法とサンプルサイズ計算法~

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    セミナー趣旨

     セミナーでは、最初にISO 13485:2016の、設計開発検証・設計開発バリデーションおよびプロセスバリデーションに要求される「サンプルサイズの根拠を伴う統計的手法」に関しての要求事項 (“shall”)とその具体的な対応方法についてISO /TC210がとりまとめた「ISO 13485:2016実践ガイド」なども参考にして明らかにする。

     このISO 13485:2016実践ガイドでは、目的とする解析に最も適した統計的手法を選択し、サンプルサイズは解析項目のリスクを考慮して必要な統計学的信頼度で立証するという原則が示されている。従って「サンプルサイズの根拠を伴う統計的手法」を考えるにあたっては、まずその解析の目的を明確にし、そのために適した手法を選択しなければならない。サンプルサイズの根拠については、選択した統計手法とその解析により立証しようとする統計学的水準によって決定するのであるが、その統計学的立証水準は、その項目ごとのリスクに応じて設定するべきであると実践ガイドは指摘している。

     セミナーでは、以上のISO 13485:2016の要求事項について説明・確認した後、統計的手法の基礎となる統計学についての説明を行った上で、区間推定・有意差検定・実験計画法・不良率推定の4つの基本的な統計的手法についての説明を行う。その際にはこれらの4つの基本的な統計手法が何を実証するための手法なのか、またその統計学的考え方・原理をビジュアルに説明したあと、それぞれの統計的手法とサンプルサイズ計算をExcel関数による計算例で示す。

     統計的手法としては、解析の目的を考えた場合、日本のサンプルサイズ計算のセミナーや日本の書籍などでもっぱら取り上げられている「平均値の差や標準偏差の比の検証・検定」より、むしろ区間推定やロット不良率推定の手法が目的にかなった手法であることがわかるであろう。

     なお、不良率の推定方法は、ISO 16269-6に示された方法(ロット内不良率(1-Reliability)を統計学的に推定する方法)を紹介する。これはJIS抜き取り試験と同じ統計学的計算に基づいている方法であるが、判断基準が全く異なる。この方法は近年、FDAがSelf-Life試験などの信頼性試験で要求している統計学的手法である。合否二値判定の場合には、必要なReliabilityに応じたサンプルサイズをExcel関数で簡単に求めることができる。連続変数については、高度な計算が必要となるが、ISO 16269-6に統計的許容区間係数の表があり、その表のReliabilityの範囲については簡単に「統計的許容区間」による不良率の推定・証明を行うことができる。

     さて、「サンプルサイズの根拠を伴う統計的手法」が要求されるのは、設計・開発検証、設計開発バリデーションおよびプロセスバリデーションの「適切な場合」すなわち要求事項を満たすことの証明の場合である。設計・開発検証と設計開発バリデーションについてはそれぞれ、立証すべき項目(要求事項)が明確であるが、プロセスバリデーションで最終的に立証すべきことは、製品規格に適合した製品を一貫して安定製造できるプロセスであることの立証であり要求事項はやや込み入ってくる。具体的にどのよう立証するべきかについてはISO 13485:2016 の実践ガイドのアドバイス内容でもあり、実践ガイドで唯一引用されているプロセスバリデーションのGHTFガイダンスに沿って行うのがベストである。プロセスバリデーションの3段階、IQ, OQ, PQの適格性確認(検証)における統計手法は上記の基本4手法の応用的な手法であり、使用すべき手法も非常に多岐にわたるが、GHTFガイダンスの付属書に紹介された21の手法から選択して適用すればよい。本セミナーでは、それぞれの適格性確認の目的に沿って、どのような統計手法が適しているかについて説明するとともにサンプルサイズの根拠が必要かどうかについても触れる。

     最後に、ISO 13485:2016が求めるサンプルサイズの根拠の考え方を実践ガイドに基づき整理・確認する。サンプルサイズを減少させる方法とその是非についても触れる。

    セミナープログラム

    1.ISO 13485:2016の求める統計的手法とそのサンプルサイズ
       ~ISO/TC210の「ISO 13485:2016実践ガイド」を踏まえて~
     1.1 サンプルサイズの根拠を伴う統計学手法が要求される3局面
     1.2 プロセスバリデーションに対するISO 13485:2016の要求事項(shall)
     1.3 リスクマネジメントとサンプルサイズの関係

    2.サンプルサイズ計算理解に必要な統計学の基礎知識
     2.1 確率密度関数と推計統計学
     2.2 統計量の分布~連続変数の5つの確率密度関数~
     2.3 離散変数の確率密度関数

    3.Excelを使った基本的な統計的手法の実施と 
          そのサンプルサイズ計算方法・計算例
     3.0 統計的手法とサンプルサイズ計算とExcel関数
     3.1 正規分布母集団の平均値と標準偏差の区間推定~その意味とサンプルサイズ
      (1)平均値の区間推定
      (2)標準偏差の区間推定・上限推定
     3.2 有意差検定の方法とそのサンプルサイズ
      (1)有意差検定の方法
      (2)有意差検定のサンプルサイズ計算原理
         ~βとΔ帰無仮説と対立仮説~
      (3)計算方法  非心分布は平均値の有意差検定のみに必要
      (4)不良率の比較検定 二項分布の応用
     3.3 実験計画法  手法・そのサンプルサイズ計算とその意味
      (1)一元配置分散分析
      (2)二元配置分散分析
      (3)多元配置分散分析と直交表
     3.4 母集団の不良率の推定・保証とそのサンプルサイズ
      (1)どのようなときに必要となる手法か
      (2)ISO 16269-6 と JIS抜き取り試験との違い
      (3)連続変数の場合の不良率の推定・保証
      (4)離散変数(合否判定)の場合の推定・保証

    4.三局面それぞれの統計的手法とそのサンプルサイズ
     4.1 設計開発検証・工程設計での統計的手法
      (1)リスクコントロール手段の有効性の立証
      (2)キー要因の絞り込みとロバスト設計
     4.2 設計開発バリデーションの統計的手法の例
      (1)臨床試験の戦略 ; 有効性と安全性
      (2)計測用途の医療器における既承認品との比較手法
     4.3プロセスバリデーションの統計的手法・ツール
      (1)プロセスバリデーションGHTFガイダンスに
               紹介されている統計的手法/ツール
      (2)最も重要なOQを理解する5つのキーワード
      (3)PQの統計的手法
      (4)日常工程管理のための手法・ツール

    5.サンプルサイズの根拠の考え方とサンプルサイズの減少方法の是非
     5.1 サンプルサイズの根拠をどう考えるか
     5.2 サンプルサイズを減少させるには? その是非

    【質疑応答】


    キーワード
     医療,機器,QMS,サンプルサイズ,統計,Web,ネット,研修,講習.セミナー

    セミナー講師

    元ミックインターナショナル(株)
    髙田 覚 氏

    《ご専門》医療工学、統計学

     1970年3月 京都大学理学部卒
     1970年4月 (株)カネカ 入社
     1983年 ~ 中央研究所にてコレステロール吸着システムの開発に参画
            国内臨床評試験担当後、FDA PMA取得に参加、統計解析を担当
            ・その後3つの医療器の国内臨床試験や欧州申請を担当
            ・この間、日科技連の臨床統計セミナー(年2回コース)に参加
     2001年~ (株) カネカ 薬事・品質保証グリープリーダー(総括管理責任者)
     2008年~ (株) カネカファーマベトナム (品質保証担当)
            工場の ISO 13485 認証取得主導
     2011年~2021年 ミックインターナショナル(株) 
            シニア・コンサルタント、医療統計専門家 として、
            国内申請、FDA申請、品質管理システム指導を行う

    《ご活動等》
     主として品質管理の統計学に関するセミナー、執筆活動中、

     著書:
     「ISO 13485:2016が求める
       医療機器の設計開発における統計的手法とそのサンプルサイズ設定」
       (株)R&D支援センター(2022.8.31)
       書籍HP:https://www.rdsc.co.jp/book/bk0060

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