全固体電池の充放電特性や電極−電解質界面の分析・評価・解析

車載用途に向けた全個体電池の要求特性とその性能評価のために
使用する分析・解析機器の種類、モードの選び方、
より良い画像やシミュレーションを得るためのコツ
硫化水素の発生防止、試料の採取や状態の維持、実験環境の湿度や
安全性・再現性のポイント

セミナー講師

【第1部】(国研)物質・材料研究機構 エネルギー・環境材料研究拠点 拠点長 博士(工学)高田 和典 氏
【第2部】大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 教授 博士(工学)  森 茂生 氏
【第3部】東京工業大学 物質理工学院 特任助教 博士(科学)  西尾 和記 氏
【第4部】(一財)ファインセラミックスセンター ナノ構造研究所 電子線ホログラフィーグループ 主任研究員 博士(工学)  山本 和生 氏
【第5部】レーザーテック(株) 共焦点システムソリューション部  秋元 侑也 氏

セミナー受講料

1名につき60,000円(消費税抜,昼食・資料付)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき55,000円〕

セミナープログラム

【10:00~11:15】
第1部 全固体電池の概要 ―構造、特性、動向など―
 (国研)物質・材料研究機構 高田 和典 氏
【講座の趣旨】
リチウムイオン電池の全固体化は、有機溶媒電解質に起因する問題を解決するものとして期待されている。講演では、リチウムイオン電池の全固体化に向けて開発された固体電解質、それらを使用した際に界面で生じる課題ならび解決に向けた取り組みについて紹介する。
【セミナープログラム】
1.リチウムイオン電池の全固体化
  1.1 リチウムイオン電池の課題
  1.2 全固体化への期待
  1.3 リチウムイオン伝導性固体電解質

2.硫化物固体電解質系全固体電池
  2.1 硫化物固体電解質系における課題
  2.2 正極界面におけるナノイオニクス
  2.3 ナノイオニクスに基づく界面設計
  2.4 高出力界面の構築
  2.5 計算科学からのアプローチ

3.酸化物固体電解質系全固体電池
  3.1 酸化物固体電解質系における課題
  3.2 全固体電池材料の薄膜化
  3.3 粒界抵抗低減への取り組み

【質疑応答】


【11:25~12:40】
第2部 ガラスセラミックス系蓄電固体材料の 結晶化プロセスと高温TEMその場観察
大阪府立大学 大学院 森 茂生 氏
【講座の趣旨】
無機固体電解質の1つである硫化物系電解質は、酸化物系よりも高いイオン伝導度を有し、広い電位域において電気化学的に安定であることから、全固体電池への応用が期待されている。本講演では、硫化物系ガラス固体電解質に着目し、全固体電池における熱的安定性評価の一環として、透過型電子顕微鏡を用いた非晶質(ガラス)状態の直接観察や非晶質状態の結晶化挙動を加熱その場観察できる実験技術について解説する。
【セミナープログラム】
1.硫黄系ガラスセラミックス
  1.1 全固体電池について
  1.2 Li2S-P2S5系固体電解質材料について

2.透過型電子顕微鏡を用いた 電池材料研究について
  2.1 電子回折法による構造解析
  2.2 ホローコーン暗視野法による微細構造観察
  2.3 局所構造解析
  2.4 高温TEMその場観察

3.最近の研究から

【質疑応答】


【13:20~14:35】
第3部 全固体電池の高出力化および界面抵抗メカニズムとその低減技術および 固体電解質/電極界面抵抗の定量評価
東京工業大学  西尾 和記 氏
【講座の趣旨】
 全固体リチウム電池が実用化されるためには高出力化という課題があり、電池部材間の界面抵抗を低減することがその課題解決の鍵を握っている。我々は全固体リチウム電池の界面抵抗低減に向けて、理想的なモデル薄膜電極を作製し、界面抵抗起源探索の研究を行っている。この基礎的な研究アプローチから、理想的な固体電解質/電極界面において、実用化されている液系電解質を用いたリチウムイオン2次電池を凌ぐ超低抵抗界面が形成できることを見出してきた。本講座では薄膜を利用した固体電解質/電極間の界面抵抗低減技術、界面抵抗の評価技術について紹介する。
【セミナープログラム】
1.全固体リチウム電池の概要
  1.1 全固体リチウム電池の近年の需要
  1.2 全固体リチウム電池の構成と材料
  1.3 固体電解質の特徴:液系電解質との比較
  1.4 全固体電池の課題:高出力化に向けた取り組み

2.全固体リチウム電池高出力化に対する研究のアプローチ
  2.1 全固体リチウム電池の薄膜化
  2.2 薄膜作製技術
  2.3 真空プロセス
  2.4 清浄な界面を形成したモデル電極作製
  2.5 固体電解質/電極界面抵抗の定量評価
  2.6 超低抵抗界面を形成した高速充放電特性を示す全固体薄膜リチウム電池の作製

【質疑応答】


【14:50~16:05】
第4部 透過型電子顕微鏡を用いた全固体電池の 充放電中in situ / operando計測
(一財)ファインセラミックスセンター ナノ構造研究所  山本 和生 氏
【講座の趣旨】
高性能な電池を開発するためには、電極/固体電解質のナノ界面で起こる電気化学反応を正しく理解することが重要であり、充放電中におけるその場観察(オペランド観察)が、様々な計測分野で拡がりつつある。本セミナーでは、透過型電子顕微鏡(S/TEM)を用いた電池のオペランド観察技術および最近の応用例を紹介する。電子エネルギー損失分光法(EELS)によるLi分布の直接観察や遷移元素の電子状態への影響、電子線ホログラフィーを用いた局所的な電位分布の変化など、各手法の原理から詳しく講義する。
【セミナープログラム】
1.はじめに
  1.1 透過型電子顕微鏡による電池解析の意義
  1.2 透過型電子顕微鏡の種類と観察例

2.電池の充放電その場観察 (オペランド観察)技術
  2.1 試料作製法 2.2 その場観察用装置など

3.電子線ホログラフィーによる電池内部の電位分布オペランド観察
  3.1 電子線ホログラフィーの原理
  3.2 電子線ホログラフィーによる局所領域の電位分布観察

4.位置分解電子エネルギー損失分光法(EELS)によるLi分布のその場観察(オペランド観察)
  4.1 Li観察のためのEELSの原理  
  4.2 位置分解TEM.EELSによるLi分布のオペランド観察
  4.3 STEM.EELSによる2次元Li分布のオペランド観察
  4.4 金属/固体電解質界面における空間電荷層の直接観察
5.まとめ

【質疑応答】


【16:15~17:30】
第5部 コンフォーカル光学系を用いた リチウムイオン二次電池のオペランド観察
レーザーテック(株)  秋元 侑也 氏
【講座の趣旨】
リチウムイオン電池の新しい分析・評価技術として、カラー・コンフォーカル光学系を 用いたオペランド観察システム(ECCS B320)を紹介します。評価事例として、金属Liの析出観察、Si負極の膨張収縮解析、全固体電池への適用例などについて解説します。
【セミナープログラム】
1.コンフォーカル光学系について
  1.1 コンフォーカル光学系の特長
  1.2 白色コンフォーカルの利点

2.リチウムイオン電池のオペランド観察手法
  2.1 合材層膜厚方向の反応分布
  2.2 Si負極の膨張収縮解析
  2.3 金属Liの析出観察

3.全固体電池への適用

【質疑応答】