
骨再生材料製品の薬事申請と耐感染性の付与技術
審査経験者が語る、PMDAへの承認申請の考え方とは?
耐感染性と高骨再生能力の両立は可能か?
※第4部が追加になり、終了時間に変更がございます。
セミナープログラム
【10:30~12:00】
【第1部】 骨再生材料製品の薬事の考え方
大阪歯科大学 医療イノベーション研究推進機構 事業化研究推進センター 開発支援部門 教授 谷城 博幸 氏(元PMDA)
【講座主旨】
整形・歯科分野で用いられる骨再生材料製品(薬機法上の医療機器・材料の一般的名称「人工骨インプラント」や「吸収性骨再生用材料」等)は欠損した骨を置換するために体内に挿入又は移植する骨基質の合成材料である。昨今では、医薬品を含有したり、生物由来原材料を使用したりすることにより、骨誘導・再生等を促進する生物学的効果を意図した製品開発が進められている。本講座では、厚生労働省等が発出した評価指標、ガイドラインに基づき、これらの骨再生材料製品を上市する際の(独)医薬品医療機器総合機構への承認申請に向けた考え方等について講演する予定である。
【習得できる知識】
・医療機器・材料の薬事規制
・骨再生材料製品に関連する評価指標・ガイドライン
・PMDAの承認審査プロセス
・承認申請に必要な評価の考え方
【講演内容】
1.骨再生材料製品の薬事規制
・骨再生材料製品の薬事上の位置づけ
・整形分野、歯科分野における相違
2.骨再生材料製品に関連する評価指標・ガイドライン等
・体内埋め込み型材料分野 (ハイブリッド型人工骨・骨補填材)開発ガイドライン
・歯科・整形外科分野で用いられる医療機器たるコンビネーション製品
(植え込み型の機械器具と、抗菌系薬物又は組織形成系薬物)の評価指標
3.骨再生材料製品の審査プロセス
・PMDA対面助言の利用
・PMDAへの承認申請に向けた準備
4.上市に向けた申請に必要な評価の考え方
・医療機器・材料に共通に求められる評価方針
・骨再生材料製品に求められる評価方針
【質疑応答】
【12:45~14:15】
【第2部】 耐感染性を備えた人工骨補填材の材料特性およびその生体内反応
明治大学 理工学部 教授 相澤 守 氏
【講座主旨】
我が国は他の先進諸国に先駆けて超高齢社会を迎え、ロコモティブシンドロームが大きな課題となっています。健康寿命の延伸に貢献するアプローチの一つとして、機能的なバイオマテリアル(例えば、人工骨補填材)の開発があげられます。本講では、人工骨などのバイオマテリアルに耐感染性を付与させる技術を概説するとともに、我々が進めている簡便な表面修飾によりバイオマテリアルに抗菌性を付与させる技術とその生体内反応を紹介します。
【習得できる知識】
・バイオマテリアルに関する概要
・バイオマテリアルに耐感染性を付与する方法
・耐感染性バイオマテリアルの評価方法:抗菌性・細胞毒性ほか
・耐感染性バイオマテリアルの生体内反応
【講演内容】
1.背景
2.目的
3.バイオマテリアルの種類
4.バイオマテリアルへの耐感染性の付与
5.耐感染性バイオマテリアルの評価方法
5-1 In vitro系
5-2 In vivo系
6.各種バイオマテリアルへの耐感染性付与の実際
6-1 セラミックスへの抗菌性付与
6-2 金属への抗菌性付与
6-3 ポリマーへの抗菌性付与
7.医者も患者も安心して使用できる抗菌性インプラントの開発
7-1 チタンへの抗菌性付与
7-2 ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)への抗菌性付与
7-3 綿形状人工骨への抗菌性付与
8.まとめ
【質疑応答】
【14:30~16:00】
【第3部】 セラミック系骨補填材への薬剤担持:感染防止、骨再生能向上
国立研究開発法人産業技術総合研究所 健康医工学研究部門 主任研究員 杉浦 悠紀 氏
【講座主旨】
現行の骨補填材は、病気や怪我で生じた骨欠損部を再建・再生出来る唯一の材料であるが、感染リスク、低い骨再生能が課題である。本講座では、イオン挿入法と名付けた結晶工学的な手法による、これらの課題の改善、次世代医療の基盤技術について解説する。
【習得できる知識】
・骨補填材とは
・セラミック系骨補填材の長所・短所
・現行のセラミック系骨補填材の課題
・結晶工学によるリン酸カルシウム結晶の高機能化
・機能性骨補填材の解決すべき課題
【講演内容】
1.臨床分野での硬組織再生・治療
1.1 整形外科・口腔外科領域での課題
1.2 骨欠損とは
2.現行の骨補填材
2.1 現行の骨補填材の分類
2.2 セラミック系骨補填材の分類と課題
3.結晶工学によるバイオセラミックスの高機能化
3.1 リン酸八カルシウム(OCP)
3.2 イオン挿入法
4.機能性を賦与した骨補填材
4.1 術後感染防止機構の賦与
4.2 骨再生能を向上させた骨補填材
5.まとめ
【質疑応答】
【16:10~17:00】
【第4部】 骨再生材料の開発と製品化
東洋紡(株) 医療機器事業部 松林 秀繁 氏
【講座主旨】
弊社は、紡績業を祖業とする企業であるが、近年は、医療分野へも事業展開を行っており、本年6月に、コラーゲン使用人工骨「ボナーク®︎」(医療機器承認番号30100BZX00025000)の発売を開始した。 本講座では、ボナークの開発経緯と特長について、動物実験、治験の結果にも触れながら、紹介させて頂きたい。
【講演内容】
1.弊社の医療機器事業について
2.コラーゲン使用人工骨 ボナーク?について
・開発・製品化の経緯
・組成・構造・その他特徴
・動物実験結果
・治験結果
【質疑応答】
セミナー講師
【第1部】大阪歯科大学 医療イノベーション研究推進機構 事業化研究推進センター 開発支援部門 教授 谷城 博幸 氏 (元PMDA)
【第2部】明治大学 理工学部 教授 相澤 守 氏
【第3部】国立研究開発法人産業技術総合研究所 健康医工学研究部門 主任研究員 杉浦 悠紀 氏
【第4部】東洋紡(株) 医療機器事業部 松林 秀繁 氏
<講師紹介>
●谷城 博幸 先生
■略歴
2000.3 東京電機大学大学院理工学研究科博士後期課程応用システム工学専攻単位取得満期退学、
博士(工学)(東京電機大学、2005.10)
2000.4~2005.3 東京電機大学理工学部電子情報工学科助手
2005.4~2012.12 (独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)にて医療機器の市販後安全部門(課長代理等)、
審査部門(審査役代理)の職を歴任
2013.1~2015.9 厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室医療機器審査調整官として、
薬事法改正(2013)の運用規則整備(高度管理医療機器の認証移行等)に従事
2015.10~2021.10 PMDA医療機器審査部門(眼科・耳鼻咽喉科、歯科・整形分野)審査役補佐・審査役の職を歴任、
再製造(R-SUD)医療機器の規制構築WG、医療機器評価ガイドラインWG等に参画
2021.10~2021.12 PMDA 国際業務調整役(医療機器担当)
2022.1~ 現職
■専門分野
規制科学(レギュラトリーサイエンス)、生体医工学、システム工学、電子情報工学
●相澤 守 先生
■略歴
1992-1993 花王株式会社 素材研究所
1993-2003 上智大学理工学部 助手
2003-2008 明治大学理工学部応用化学科 准教授
2008- 明治大学理工学部応用化学科 教授(現職)
2019.8- 明治大学生命機能マテリアル国際インスティテュート 所長
■専門分野
バイオマテリアル、バイオセラミックス、組織工学
●杉浦 悠紀 氏
■略歴
2010年3月 東北大学理学部地球惑星物質科学科卒業
2012年3月 東北大学大学院理学研究科地学専攻博士前期課程修了
2015年3月 早稲田大学大学院創造理工学研究科博士後期課程修了
2015年4月 九州大学大学院歯学研究院・助教
2018年3月 産業技術総合研究所健康工学研究部門・研究員
2020年4月 産業技術総合研究所健康医工学研究部門・研究員(改組による)
2022年10月 産業技術総合研究所健康医工学研究部門・主任研究員
■専門分野
バイオセラミックス、骨補填材、再生医療、結晶工学
セミナー受講料
1名につき 55,000円(消費税込、資料付)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき49,500円〕
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受講料
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