5G・ミリ波対応に向けた電波吸収体の開発と設計における考え方

マイクロ波ミリ波における現在の背景、電波吸収体の概要、性能評価方法等の基礎的な知識について解説!

ノイズ対策品の一つである電波吸収体の概要と設計方法について開発したアルミナ製電波吸収体の事例を元に解説!

樹脂中でのフィラーの分散状態を制御するという手法によって、開発した広帯域の電磁波吸収材の設計コンセプトや開発品の性能について紹介!

セミナープログラム

第1部 ミリ波向け電波吸収体の概要/原理と設計及び性能評価

【10:30-11:45】

防衛大学校 通信工学科 准教授 博士(工学) 亀井 利久 氏

【講演主旨】
ミリ波向け電波吸収体の概要/原理と設計法の概念を把握するために、マイクロ波ミリ波とは、現在の背景(何が求められているのか)、電波吸収体の概要、性能評価方法等の基礎的な知識について理解する。また性能評価については自由空間法(レンズ法)を採用し、その測定についての考え方と具体的な評価測定結果を示し、評価測定を実施する際の重要点について解説する。

【キーワード】
マイクロ波・ミリ波、電波吸収体の測定評価、ベクトルネットワークアナライザ、自由空間法(レンズ法)、キャリブレーション

【講演ポイント】
講演者は、マイクロ波ミリ波分野に30年従事し、その間電磁界解析、汎用電磁界シミュレータを用いた解析、ベクトルネットワークアナライザを用いた実験等、電波に関わる広範囲な分野にわたり課題に取り組んできた。具体的にはフィルタ、等化器、液晶装荷移相器、接続回路(伝送路変換器)、電力分配器、線状アンテナ、平面アンテナなどのデバイス開発からマルチメディアディジタル衛星通信システムの応用研究、MBC通信システムの応用研究等である。現在は、ミリ波帯電波吸収体の材料定数(誘電率)の評価測定法の研究、ドローンキャプチャ技術の研究に従事している。

【習得できる知識】
・マイクロ波ミリ波とは 高周波の性質
・ミリ波帯電波吸収体評価測定のポイント

【プログラム】

  1. マイクロ波・ミリ波とは
    周波数による分類と高周波の特徴
  2. 背景:次世代無線システム
    現在の取り組まれている次世代無線システム
  3. 電波吸収体の概要:原理と設計
    基礎知識の紹介
  4. 性能評価:実際の測定技術の紹介
    自由空間法について
  5. 実際例
    フィトポーラス
    石英ガラス

【質疑応答】


第2部 アルミナセラミックスを用いた1層型誘電性電波吸収体の設計

【13:00-14:15】

(株)ウイセラ 生産技術本部 次長 前田 益利 氏

【講演主旨】
大容量通信が可能な5Gやミリ波を活用した通信の開発が進んでおり、高周波向けのノイズ対策製品の需要も高まってきております。ノイズ対策品の一つである電波吸収体の概要と設計方法について弊社でミリ波向けに開発したアルミナ製電波吸収体の事例を元に説明いたします。
電波吸収体を使用する人や、自社材料を用いた電波吸収体の開発を考えられている方に聞いていただければと思います。

【キーワード】
1.ミリ波
2.電波吸収体
3.アルミナ

【講演ポイント】
電波吸収体に関する基礎的な話から、設計するための考え方について解説をいたします。

【習得できる知識】
電波吸収体の基礎知識
電波吸収体の設計方法

【プログラム】

  1. 電波吸収体について
    1. 電波吸収体の概要
    2. 電波吸収体の種類
    3. それぞれの特徴
  2. 電波吸収体の設計
    1. 電波吸収体の設計理論
    2. 無反射曲線
    3. 材料定数、吸収量の測定方法
  3. アルミナについて
    1. アルミナの製造方法
    2. 一般的な特性、用途
  4. アルミナ製誘電性電波吸収体の設計
    1. アルミナへの誘電損失付与
    2. 比誘電率の測定
    3. 無反射曲線との比較
    4. 電波吸収体の設計
    5. 設計値と実測値の比較
  5. 電波吸収体の考え方、選び方
    1. 誘電性電波吸収体とミリ波帯
    2. 用途に合わせた物理特性
    3. 電波吸収体の設計値と実用について
    4. 電波吸収量の計算と各パラメーターの影響
    5. 斜入射や多層型吸収体について
  6. まとめ

【質疑応答】


第3部 GHz帯用広帯域電磁波吸収材の開発

【14:30-15:45】

(株)KRI スマートマテリアル研究センター エコマテリアル研究室・室長 博士(工学) 中嶋 孝宏 氏

【講演主旨】
GHz帯の高周波の電磁波を吸収するためには、低周波とは異なる材料の設計が必要となる。この帯域の吸収材として、樹脂にカーボン系フィラーを添加したものなどが知られているが、吸収する帯域が狭かったり、厚みや形状が限定されたりするという課題がある。KRIでは、樹脂中でのフィラーの分散状態を制御するという手法によって、これまでに無かった広帯域の電磁波吸収材を開発した。講演では、その設計コンセプトや開発品の性能について紹介する。

【キーワード】
広帯域電磁波吸収材、GHz帯、ミリ波

【プログラム】

  1. 開発の背景
    1. 従来の高周波用電磁波吸収材と課題
    2. 広帯域の吸収材開発の狙い
  2. 広帯域電磁波吸収材の開発
    1. 設計コンセプト
    2. 電磁波吸収フィラーの分散状態制御
    3. 開発品の性能
  3. 今後の展望

【質疑応答】


第4部 磁性ナノワイヤー材料の開発と電磁波遮蔽材料への応用

【16:00-17:15】

ユニチカ(株) 技術開発本部 中央研究所 竹田 裕孝 氏

【講演主旨】

5Gやミリ波レーダーでミリ波の商用利用が始まり、さらに6G(Beyond5G)ではテラヘルツの利用が始まる。高周波(ミリ波~テラヘルツ)の送受信を行うアンテナは、伝送損失を抑制するためAiP(Antenna in Package)で設計され、AiP内部には高周波のノイズ干渉を防ぐために電波吸収材や電磁波シールドなどの対策が施される。今後、これらのノイズ対策は、通信容量の増加に伴い、広帯域の高周波ノイズに適応する必要がある。
本講義では、我々が開発中の磁性ナノワイヤーを使用した広帯域の高周波ノイズを遮蔽(吸収)する電波吸収材の解説を行う。

【キーワード】
ナノワイヤー、ノイズ対策、ミリ波、テラヘルツ、5G、6G、Beyond5G、ミリ波レーダー

【講演ポイント】
磁性ナノワイヤーの特性を紹介し、高周波(ミリ波~テラヘルツ)の電波吸収材としての応用について解説する。特に、今後重要になる広帯域の高周波ノイズを吸収する電波吸収材への磁性ナノワイヤーの適正を説明する。

【習得できる知識】
・磁性ナノワイヤーに関する情報
・ミリ波、テラヘルツ向け電波吸収材に関する情報

【プログラム】

  1. 磁性ナノワイヤーの紹介
  2. ミリ波~テラヘルツ向け電波吸収材について
  3. ミリ波向け電波吸収材
  4. テラヘルツ波向け電波吸収材
  5. まとめ、今後の展開について

【質疑応答】

セミナー講師

第1部 防衛大学校 通信工学科 准教授 博士(工学) 亀井 利久 氏

【著作(一部執筆)】
1)高周波対応部材の開発動向と5G、ミリ波レーダーへの応用 技術情報協会(2019年)
2)フィトポーラスを用いた電波吸収材の評価実験 工業材料4月号(2017年)
3)エレクトロニクスシリーズ電波吸収材およびシールド材の開発とその応用 シーエムシー出版(2016年)

【経歴】
昭和63年3月 玉川大学工学部電子工学科卒業
平成2年3月 玉川大学大学院工学研究科電子工学専攻修士課程修了
平成5年3月 玉川大学大学院工学研究科生産開発工学専攻博士課程修了
平成5年4月 防衛大学校電気工学教室通信工学科助手
平成10年7月~平成11年8月 米国カリフォルニア工科大学客員研究員
平成12年4月  防衛大学校電気情報学群通信工学科助手
平成19年10月 同 講師
平成22年10月 同 准教授
現在に至る
電子情報通信学会、IEEE会員。

第2部 (株)ウイセラ 生産技術本部 次長 前田 益利 氏

第3部 (株)KRI スマートマテリアル研究センター エコマテリアル研究室・室長 博士(工学) 中嶋 孝宏 氏

第4部 ユニチカ(株) 技術開発本部 中央研究所 竹田 裕孝 氏

セミナー受講料

【1名の場合】55,000円(税込、テキスト費用を含む)
2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

55,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

電子デバイス・部品   通信工学   無機材料

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