ISO 10993-1&JIST0993-1改訂を踏まえた生物学的安全性評価の基本的考え方と運用

ISO 10993-1&JIST0993-1改訂に携わる講師が、
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セミナー趣旨

 医療機器の認証・承認に関する薬事申請では、生物学的安全性試験は、普遍的なホリゾンタル規格となっており、基本要件基準にも不可分の必須要件となっている。医療機器の生物学的安全性評価に関する国際規格ISO10993シリーズは、医療機器の国内規制とも密接に関連している。今般ISO10993-1医療機器の生物学的安全性試験に関する一般要求事項が、
2018年に改定され、本国際規格の改訂により、JIS規格(JIST0993-1:2020)が2020年に発刊された。本JIS規格の改訂に伴い、令和2年1月6日付け薬生機審発0106第1号厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長通知「医療機器の製造販売承認申請等に必要な生物学的安全性評価の基本的な考え方の改正について」及び令和2年1月6日付け薬生機審発0106第4号厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長「医療機器の製造販売承認申請等に必要な生物学的安全性評価の基本的考え方に関する質疑応答集(Q&A)について(その2)」が発出された。
 従前の「医療機器の製造販売承認申請等に必要な生物学的安全性評価の基本的な考え方について」(平成24年3月1日付け薬食機審発0301第20号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知。以下20号通知(通知上は旧生安性通知))に比べて大幅な改定となっている。
 医療機器の使用により生じる潜在リスクからヒトを保護するため、ISO10993-1及び国内ガイダンス基本的考え方において、生物学的安全性評価の基本的な考え方が示されている。
 生物学的安全性試験は、動物愛護の観点から、①物理学的、化学的試験、②in vitro試験等の代替試験、③in vivo試験の順に検討することが基本的な考え方で推奨されている。まず、物理学的、化学的情報を収集した上で、必要な代替試験およびin vivo試験の実施要否を判断することが求められており、化学的情報の収集手段である“ケミカルキャラクタリゼーション”がISO10993-1におけるアプローチフローの最初のステップとして重要視されている。
 医療機器に由来する化学物質情報を収集するためのケミカルキャラクタリゼーションはISO10993-18に示されている。これだけでは、医療機器の生体適合性を評価できないため、収集された化学物質の毒性学的リスクをISO10993-17を参照して評価することで、生体適合性評価として機能する。具体的には、生物学的安全性試験が、抽出物に対して生体が反応するかどうかで評価するのに対し、ケミカルキャラクタリゼーションと毒性学的リスク評価は、抽出液に含まれる成分の種・量を化学分析で求める。その上で文献情報などを用いて推定検出成分毎に設定した閾値(曝露許容量)との比較により、医療機器の安全性を評価する。なお、ケミカルキャラクタリージョンに基づいた安全性評価は確立された方法論が存在する訳ではなく、このため個々の医療機器毎に評価手法と適切な分析手法が求められる。不明な点については、医薬品医療機器総合機構の事前相談を有効活用することとなる。
 生物学的安全性試験では、できる限り動物試験を削減し、適切な代替評価を行うことが必要となる。文献データや既承認品との同等性等に関する情報を最大限活用し、試験の実施を省略する妥当性について十分考慮した上で、動物試験を実施せざるを得ない場合についても、In vitro試験による代替法積極的に選択することが推奨されている。例えば、発熱性試験では、欧州ではすでに導入されているin vitro 発熱性試験であるHuman-Cell based Pyrogen Test(HCPT)については、国内においても性能試験が終了し、生物学的試験の基本的考え方の第7部に「発熱性物質試験」に参考事例として記載されている。なお ウサギを用いた発熱性物質試験、HCPT、エンドトキシン試験は、それぞれ測定原理及び検出できる発熱性物質の範囲が異なっている。試験目的に応じた適切な試験法を選択することを規定しているため、少なくとも国内におけるウサギを用いた発熱性物試験のHCPTへの移行は今後の課題となっている。
 医療機器の皮膚刺激性試験は、医療機器の単回、反復あるいは連続使用による局所的な非得意的炎症反応を引き起こす試験法である。従来、医療機器の刺激性は動物を用いた皮膚一次刺激性試験、皮内反応試験および眼刺激性試験等のin vitro 試験により評価されている。2016年に、RhEモデルを用いたRRS(ラウンドロビンテスト)の実施し、in vitro 試験法を含む医療機器の刺激性試験法が2021年に公表される予定である。
 従来、認証案件の生物安全だが、一例として、これまで3点セット(皮内、細毒、感作性)だった体内体外連結機器の組織接触・一時的接触は+発熱、急毒の2点が追加になり5点セットになった。他にも粘膜接触・短中期接触品は3点セット(皮内、細毒、感作性)+発熱、急毒、亜急性、埋植が追加になっている。
 認証モノで海外製品の場合、相変わらず3点セットの試験レポートしか送られて来ないケースもあると聞いており、+αの試験(または評価)をどうするのか、経過措置期限(2022.12末)までにと検討が必要かと思われる。海外でもISO10993-1(2018)が浸透し、全レポートが来れば問題ないかもしれない。
 追記:
生物学的安全性試験に関する通知及びQ&A発出されたことを踏まえ、日本医療機器産業連合会では、2021年5月より生物学的安全性原材料変更WGを立ち上げ、本試験法の物理学的・化学的キャラクタリゼーションに関すること及び本試験を容易に簡潔に実施・申請するための本WGを立ち上げ、厚生労働省医療機器審査課・PMDA担当課と医機連で通知及びQ&Aを検討していく予定である。

受講対象・レベル

薬事・品質保証・滅菌保証・購買・市販後対応。

必要な予備知識

医療機器の薬事・品質保証・滅菌保証。

習得できる知識

医療機器薬事申請(認証・承認)、医療機器の薬事申請の際また申請後PMDA審査・照会に対応することが可能、またGLP必須要件のためコスト削減に寄与する。
医療機器輸入・輸出(MDD)の際必須要件のため本内容を理解することが必要。
生物学的安全性試験法は、ホリゾンタル規格のため医療機器の設計開発の企画・検証に有効に業務が進めることができる。

セミナープログラム

1.医療機器の薬事申請
 1.1 薬事申請
 (1)医薬品医療機器等法の改正
 (2)製造販売の要件
 (3)QMS省令
 (4)製造販売認証・承認申請

2.生物学的安全性試験の基本的考え方
 2.1 生物学的安全性試験基本的考え方とQ&A
 (1)20号通知改正後の生物学的安全性試験及び評価の流れ
 (2)国内ガイダンスの改定
 (3)リスクマネジメント
 (4)リスクマネジメント事例
 (5)20号通知改正からの改正点と対応
 (6)生物学的安全性試験 試験事例と対応及び考え方

3.最新の生物学的安全性試験に関する関連通知及びガイダンス
 3.1 第3者認証機関(ARCB)との検討会
 3.2 三者協議会(PMDA、第3者認証機関、医機連)とは
 3.3 チェックリストと認証関連質疑応答集

4.リスクマネジメントについて
 4.1 リスクマネジメント規格(ISO14971)について
 4.2 適用と考え方
 4.3 今後…生物学的安全性試験と原材料試験について


キーワード:生物学的安全性,リスクマネジメント,血液適合性,ISO10993,研修.講習会,セミナー

セミナー講師

(株)名優 研究開発部 部長 橋本 章 氏

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55,000円(税込、資料付)
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開催日時


10:30

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55,000円(税込)/人

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開催場所

全国

主催者

キーワード

医療機器・医療材料技術   医薬品・医療機器等規制   医薬品・医療機器・化粧品等品質管理基準(G*P(GMPなど)、QMS)

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