Q&Aサービスは終了いたしました。過去のQ&Aの閲覧のみ可能となっております。
新規に質問をする場合は上記「コミュニティ」より投稿してみましょう。


QUESTION 質問No.464

分散分析

設計・開発統計・SQC |投稿日時:
4因子3水準で実験する場合、L9直交表だと誤差列がないのですが、
分散分析は可能ですか?
この場合の対処法教えて下さい。
そもそもL9ではダメでしょうか?

spacer
ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

L9直交表は4列から成り、各列に4因子を割付ければ各因子の主効果に相当する分散を求めることができます。すなわち4つの因子A,B,C,Dの相対的な効果の大きさを見積もることができます。これを分散分析と呼ぶかどうか?

一般的に分散分析は要因の分散と誤差の分散との比(分散比)を求め、この値をF検定して有意判定を行い、その結果をもとに変数(要因)の選択を行うことを目的としています。その意味では分散分析とは呼べないかもしれません。しかし、4因子の効果の最も小さいものを誤差とみなせば分散比を求めることも可能です。これが対処法の1つでしょう。一般的には誤差のプーリングと呼ばれます。

ここからが「そもそも論」になりますが、L9の実験回数は9回で自由度は9-1=8です。ご存じのように全平均を計算するために自由度1を使用します。そして4因子を評価することから誤差の自由度は8-4=4とすることができるはずです。しかしL9で4因子を評価すると誤差列がなく誤差が評価できない!何故でしょうか?

それは3水準で実験することで各因子の自由度が2となるためです。すなわち主効果(1次の効果)と非線形効果(2次の効果)を評価することを目的として3水準とするのです。3水準の実験を計画することは2次の効果を評価することが前提となります。

ということで「そもそも」2次の効果を評価する目的があるか否か、がL9(3水準)選択の分かれ道になりそうです。もちろん3水準でも1次の効果だけ評価することは可能ですが、実験計画の基本からは外れているかもしれません。




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

品質工学のコンサルティングをしております対馬と申します。

ご質問にお答えします。
L9直交表での分散分析は可能です。 以下に手順を示します。

手順1 修正項 CF を求めます。
CF=9個のSN比の合計の2乗/全データの個数(9)=(実験No.1のSN比+実験No.2のSN比+‥‥+実験No.9のSN比)の2乗/9 (自由度f=1)

手順2 全変動 ST を求めます。
ST=実験No.1のSN比の2乗+実験No.2のSN比の2乗+‥‥+実験No.9のSN比の2乗-CF (自由度f=9-1=8)
なお、L9直交表では誤差変動Seはありませんので、全変動 ST は求めなくても可です。

手順3 制御因子の変動Sを求めます。
SA=[(Aが水準1のときのSN比の合計の2乗+Aが水準2のときのSN比の合計の2乗+Aが水準3の時のSN比の合計の2乗)/Aの各水準のデータの個数(3)]-CF (自由度f=2)
SB以下、同様に計算します。

手順4 制御因子の分散Vを求めます。
VA =SA/自由度f(2)
VB以下、同様です。

分散分析の手順は以上ですが、4因子3水準の実験では当然誤差列はありませんので、分散Vの値が小さい因子は誤差として扱い、最適条件の推定には分散Vの値が十分に大きな因子のみを用います。

なお、L9直交表では、列番1と列番2の交互作用が、列番3および列番4に現れますので、実験を組み立てる際には、列番1と列番2の因子間に交互作用がないようにする必要があります。

以 上