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QUESTION 質問No.270

OEM先への生産性アップの提案に関して

生産生産マネジメント |投稿日時:
製造業で開発をしています。少し漠然とした質問かもしれませんが、よろしくお願いします。
いわゆるその他の製造業で、開発担当をしています。ただ、製造業ではありますが、ほとんどの商品をOEM先に製造してもらっており、私が扱っている商品も同様です。また、開発がメインの業務ですが、生産担当はいなく、生産管理も含めての業務になります。
勤続して20年以上です。実際に工場での勤務はありませんが、いろいろな工場も見てきました。また、トヨタ式の生産方式やカイゼン活動、GC7つ道具なども学びました。
そのような中、改めて、OEM先の状況を見てみると、非常にムダが多く、効率が悪いことが目につきます。少しカイゼン活動をすれば、すぐに生産性が上がると思います。
ただし、会社の方針としては、品質改善ならともかく、生産効率を上げるのはOEMの問題で、私がすべきことではないというスタンスです。そのため、あまり、時間を使えません。
しかし、私としては、少しの指導や提案などで、生産性が上がると思うので、何らかの依頼、提案をしカイゼンしてもらいたいと思っています。
OEM先は、海外が多く、数百人から、数千人規模の工場です。カイゼンという言葉は上層部は知っていますが、現場担当は知らないです。
そこで、質問です。
そのような工場に、何をまず、提案すればよいでしょう。簡単で早く効果がわかるのが良いと思うのですが、それは何になるのでしょうか。
効果は、同じ人数、時間で生産数アップとします。
以上、お願いします。

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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

クリーン化が専門の清水と申します。
 内容がしっかりとは確認できないのですが、OEMとして生産を依頼しているところは、東南アジアがメインですね。
 その相手先には日本人はいないのでしょうか。

 まず、相手先の経営者の意識を変えないと、どの現場も変化しないと思います。
 内容を見ますと、効率生産だけでなく、おそらく品質の問題もあるように思います。
 生産面だけでなく、品質面でのロスも気になります。

 私も、今まで東南アジアの工場にもクリーン化診断、指導として関わってきました。
 クリーン化は製造現場のゴミを減らし、如何に品質を向上させるかという活動ですが、それをすることによっていくつかのメリットがあります。
 その中には、効率生産という部分があります。
 現地でクリーン化教育などをする時、この合理化、効率化について説明すると従業員は首を切られるという意識が強いので、反発されることがあります。東南アジアではこの話はできません。

 今回の内容は、人数や作業時間は変化せず、生産数を上げるということですから、その分利益が出ます。そして人は減らさないので、その点は大丈夫ですね。
 上記のような各種手法を少しずつでも導入し、生産性を上げることで、同じOEM生産を委託している他社よりも現場の体質が強くなり、競争力がつきます。
 すると売り上げが増えたり、利益率が向上します。

 逆に言えば、現場の体質が変わらなければ、競争に負ける。依頼される量が少なくなったり、仕事が来なくなるということに繋がります。
 こうなると会社の存続が危惧されるということになります。
 こういうことをまず経営者や管理職の方に理解してもらうことが先決に思います。

 東南アジアの工場も幾つか指導してきましたが、呼ばれるところはカイゼンや5Sなどの言葉を知っているだけでなく、自分達だけでも自主的に活用したり、成果を出したりしているところが目につくようになりました。小集団活動も活発になって来ています。 
 従業員のものづくりに対する意識は高いです。
 それだけでは満足せず、更に様々なノウハウを吸収しようとして呼ばれます。
 その作業者を管理する上層部はさらにレベルが高いです。
 こういうところと比較すると、進歩がないと差が開くだけですから、競争力は低下します。
 このような危機感をまず伝えることではないかと思います。
 その中でわかりやすい、効果が早く出そうな手法を取り込み、徐々にレベルを上げて行きたいです。効果が早く出ると説得力になります。次にやることにもついてきてくれると思います。

 各種手法はOFF-JTで指導する場合が多いと思いますが、手法の指導となると理論、理屈の世界に入ってしまい、身につくことが少ないかもしれません。人ごとになってしまいます。
 一方、現場で不具合を見つけ、改善案を一緒に考えたり、褒めることで従業員の士気も上がると思います。自分たちの問題として引き寄せる、考えることに繋がるからです。
 そのことも上層部に説明してみたらどうでしょうか。
 海外だと頻繁に行き来することが出来なかったり、意思の疎通が難しいですが、色々な方法で、まず上層部に根気よく理解してもらうことから始めたいです。

 自分たちの仕事が少なくなるかも知れない。他社に取られてしまうかも知れないことに気がつけば、真剣になってくれると思います。
 ただし、威圧的なやり方は、成果が出ないばかりか、反発を招きます。
 同等の立場、或いはお願いする立場を意識しながら、上手く伝えたいです。

 このようなアドバイスしかできませんが、少しでもお役に立てれば嬉しいです。




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

考えるポイントは3つでしょうか。
一つ目は「①OEM先の改善意識」、二つ目は「②きんさんの具体的な指導内容・指導方法」、三つめは「③きんさんの会社の方針」。

モノづくり工場経営研究所の西水と申します。
“鶏とタマゴ”の話はよく事例として取り上げられると思いますが、私なら、三つ目の「③きんさんの会社の方針」作りから始めます。鶏を育てることを優先します。OEM先との協業関係作りです。
良いタマゴを直ぐに食べたい(結果が直ぐに欲しい)気持ちは判りますが、良いタマゴを“安定的・継続的”に得ようとすれば、良い鶏を育てる必然が生まれます。

自社(きんさんの会社)のカイゼン活動、生産性向上活動を、手本・見本として見せられないでしょうか?
『俺もやるから、おまえもやれ!』という姿勢が必要です。
(「俺たちはやらないけど、あんたたちOEM先なんだからやってよ!」では心に響かないと思います)

自社にカイゼン事例がなければ、OEM先と一緒に『共同改善』を実施することをお勧めします。
『共同コスト改善』、『共同VE活動』、『共同生産性向上』などの施策テーマが候補です。
勿論、当面は自社(きんさんの会社)が主導権を獲り、リーダーシップを発揮して頂きます。
次いで、徐々にOEM先の独り立ちを支援していく要領です。
恐らく、一つ目の「①OEM先の改善意識」にも良い影響を与えます。

そして、二つ目の「②きんさんの具体的な指導内容・指導方法」についてですが、「トヨタ式の生産方式」、「カイゼン活動」、「QC7つ道具」、「ムダ(ムリ・ムラ)の定義」、「作業効率(能率)」などの基本技術を習得されているようですので、体系的に整理し直して、観点・視点毎に“愚直に”推進されれば成果は得られます。
<製造現場のカイゼン活動の観点・視点の例>
 設備改善の観点・視点、作業者改善の観点・視点、工程改善の観点・視点、稼働率向上の観点・視点、作業能率向上の観点・視点、管理損失削減の観点・視点、省人化の観点・視点、歩留り向上の観点・視点など。

カイゼンの基盤のある工場(会社)であれば手段方法優先でも成果は出せます。
基盤が脆弱な(未熟な)工場では、まずは基盤創り→手段方法の展開→基盤の創り直し→更なる手段方法の展開→・・。
粘り強い指導を期待します。






ANSWER
回答No3 | 投稿日時:

工場ですぐ使える品質改善技法の開発と普及活動を行っている高崎ものづくり技術研究所の濱田と申します。

基本的に、海外のOEM先のカイゼンは非常に困難が伴います。
簡単な方法は、苦労してカイゼンを行うより、割り切って、より管理の行き届いたOEM先に変更するのが手っ取り早い方法です。但し、優秀な管理人材を雇用しているOEM先は価格も高いことを覚悟しなければなりません。

現在のOEM先にどうしてもカイゼンを提案しなければならないとした場合、トヨタ生産方式のムダ取りの提案が効果があると考えられます。トヨタ生産方式ではムダを「付加価値を生まない作業で、原価を増加させる原因」と定義し
 •作り過ぎのムダ
 •手待ちのムダ
 •運搬のムダ
 •加工そのもののムダ
 •在庫のムダ
 •動作のムダ
 •不良のムダ
という代表的な7つのムダを撲滅すべしとしています。

特に海外工場では、作り過ぎのムダ、特に工程間の中間在庫の削減、材料や、完成品の持ち過ぎのムダ、不良在庫のムダを減らすことを優先的に実施すべきです。
トヨタ式と言えば海外でも受け入れられ易く、また分かり易い目に見える在庫のムダを削減することが、取り組みやすく、効果が高いと思われます。