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藻から燃料 :新環境経営 (その26)


CSR
 新環境経営への取組みについての話題を提供するに当たり、経済成長に邁進してきた中で発生した公害の歴史、CSRの取組の変遷、環境マネジメントシステム、有害物質管理の現状、エネルギーマネジメント、エコを経営に活かす、について紹介してきました。その後省エネについて紹介し、現在は創エネについて紹介しています。創エネについて、太陽光発電、風力発電、地熱発電、小水力発電、バイオマス発電ついて紹介してきました。創エネの最終回は「藻から燃料」の取り組みについて解説します。
 

1. 藻から燃料

 原油価格の高騰や地球温暖化が進む中、石油に代わる再生可能エネルギーとして小さな藻類(そうるい)が脚光を浴びています。微小藻類には、石油とほぼ同じ成分の油を作り貯蔵するものがあります。藻が作る高品質の油を、航空機のジェット燃料などに活用しようと研究開発が進んでいます。藻の大量培養で安価に生産できれば、石油資源に乏しい日本が「産油国」に仲間入りできます。バイオ燃料の原料となるトウモロコシなどと違い、藻類は食糧需要と競合しない上、面積当たりの生産量が陸上植物に比べ桁違いに多いようです。国土の狭い日本にとって利点が多く、実用化を視野に入れた動きが加速しています。
 

2. オーランチオキトリウムとは

 筑波大の渡辺教授らの研究チームが、仙台市の下水処理施設に実験拠点を開設し、生活排水に含まれる栄養分で藻を育て、油を抽出・精製する研究を始めています。施設は、東日本大震災の被災地にあり、地域の復興につなげる狙いもあります。研究には光合成を行う緑藻のボトリオコッカスと、渡辺教授らが沖縄県で発見したコンブの仲間のオーランチオキトリウムという2種類の藻が使われています。ボトリオコッカスは下水に含まれる窒素などの無機物を肥料にして育てます。細胞外に油を分泌する珍しいタイプの藻で、抽出が容易です。一方、オーランチオキトリウムは油の生産効率が世界トップクラスとのことで、光合成ではなく、汚泥などに含まれる有機物を与えて培養します。平成28年度まで実験し、大量生産や効率化の手法を探ります。藻から作る燃料の生産コストは現在、1リットル当たり500~1500円程度とガソリンよりもはるかに高いですが、渡辺教授は「まず1リットル当たり200~400円程度まで下げたい」「大規模なプラントで大量培養すれば、自動車の燃料用に1リットル50円以下で供給できるようになるだろう」と話されています。
出典:生産能力10倍、石油つくる藻類、日本で有望株発見[10/12/15] 
 

3. ミドリムシから油を作る

 光合成を行うミドリムシから油を作る研究も進んでいます。東大発ベンチャーのユーグレナ(東京)は油の生産性が高いミドリムシを発見、JX日鉱日石エネルギーなどと共同でジェット燃料の開発に取り組んでいます。名古屋大学の神田英輝助教らは、藻がため込んだバイオ燃料を従来の半分以下のエネルギーで抽出する技術を開発しました。藻の乾燥や粉砕の手間を省いて、実用化の課題を1つ乗り越えました。藻類から油を作る研究は米国が先行していますが、日本は培養や抽出・精製で高い技術力を持つのが強みです。
 
 次回からは畜エネの取り組みについて解説します。
 

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(いしはら かずのり) / 専門家B / 新環境経営研究所

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【経営理念】地球環境に優しい社会を実現すべく、多様な関係者との交流を通じて、地域社会の変革に貢献する。 続きを読む



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