宅配物流について考える (その2)

1. 宅配物流の拡大

 今は主として通販とふるさと納税関連で拡大している宅配物流ですが、今後はどうなっていくでしょうか。間違いなく今以上に、需要は拡大していくことでしょう。その背景にあるのは高齢社会の進展です。年を取るにつけ買い物に行くことが億劫になっていきます。一度宅配のおいしさを知ると、それはやめられなくなります。スーパーに行って買い物していたものが徐々に宅配に移行していくことは確実です。スーパーだけでなく、コンビニでも同様の現象が起きていくことでしょう。コンビニエンスストアとはその名の通り、利便性を売り物にした新たな形態の小売業です。家庭の身近な場所に存在し、必要なモノは大抵買えることから一気に拡大しました。
SCM
 
 そのコンビニでも宅配を始めたわけですから、いかに届けてもらうことに慣れてしまったかがわかります。そして高齢者によるニーズがその後押しをしていることも確かでしょう。この高齢化はさらなる宅配物流の拡大の種をはらんでいます。たとえば介護用品です。大人用紙おむつに代表される介護用品も個々の消費者宅までの配送が求められます。
 
 高齢化で動けなくなると介護が必要になり、介護用品を届けて欲しいというニーズが生まれます。こういった循環は出てきて当然です。高齢化は食事の配送ニーズも生み出します。理由は介護用品と同様です。宅配物流が拡大する要因として過疎化も挙げられます。「買物難民」という言葉も一般的となりましたが、車がなければ買い物に行けない地域ではそれが顕著となります。これは地方だけの問題ではなく、都市部でも発生しています。昔は当然のように存在した商店街が少なくなってきているからです。高齢者に限らず、車を保有しない人もいますので食事を届けてもらいたいというニーズは高まる一方でしょう。宅配物流に関する需要は高まる一方です。しかし今度は、それだけの業務をこなせる人材が問題になってきます。
 
 いくら需要があっても宅配の担い手であるドライバーがどんどん少なくなっているからです。これは結構深刻な問題です。今まで当たり前だと思っていた宅配、この利便性がいつまでも続かない危機を迎えつつあるのです。では物流業界としては、今後どうしていったらよいのでしょうか。次に述べる再配達のような宅配が抱える問題を、一つひとつ解決していかなければならないでしょう。
 

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2. 再配達という問題

 宅配物流の一番の課題ともいえるのが再配達です。届けに行った先が不在のため持ち帰り、再度配送に行くことを指します。この再配達の比率は約20%あると言われています。これが宅配物流の業務量を増やしているのです。無くしたいところですが課題は少なくありません。特に昼間の時間帯では仕事に出かけていることが多いでしょうから、なかなか配送に行った際の在宅確率は低いことが考えられます。一昔前までは専業主婦世帯が多数を占め、昼間の在宅率は高かったかもしれません。しかし時代は変わり、共働き世帯が多くを占めるようになりました。
 
 宅配の時間指定をしていなければ昼間の配送も行われます。いつも届けている先であれば配送業者も在宅時間帯はいつごろかがわかります。しかしそうでない場合は不在かどうかわからずに届けに行くことでしょう。マンションでは宅配ボックスを設置しているところがあります。その場合は食品等特に消費期限のないものであればボックスに入れて配達完了とすることができます。再配達の場合、日にちと午前、午後のどちらかを指定されることが多いと思います。その際に「午前」「午後」というくくりの大きさから、つい出かけてしまうことがあります。その際には再度不在ということになりかねません。ここは難しいところです。午後としていしたらその間、ずっと在宅していなければならないからです。
 
 できれば在宅していて欲しいところですが、一概に受け取り側を責めることもできないかもしれません。結果的にすれ違いで再々配達ということになります。自分で購入したものであれば在宅してでも受け取ろうという気にはなるかもしれませんが、どこからの届きものであれば必ずしもそう考えるとは限りません。今は配送時間を告げるとか、持っていく前に確認の電話を入れることも増えてきました。新たな再配達防止のためのしくみも研究されています。自宅あてではなく、駅の宅配ロッカーやコンビニ、宅配事業者の事業所での引き取りも始まっています。宅配とその他で価格差を設けるなどの工夫はあってしかるべきではないでしょうか。
 

この記事の著者

仙石 恵一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参きました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

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