グローバルサプライチェーンへの貢献(その4)

 前回のその3に続いて解説します。
 
 グローバルサプライチェーンで見落とされがちなのが上流工程です。前回の車メーカーのサプライチェーンの事例でいけば、部品メーカーの下請、孫請けなどが上流工程にあたります。
 
 震災時にご記憶の方もいらっしゃると思いますが、こういった上流工程の状況を把握していなかったために、復旧に時間がかかったという事実があります。そこで、こういったサプライチェーンの上流工程にも目を配るように心がける必要があるのです。では、誰がそこまで気を配ることが妥当でしょうか。
 
 望ましい形は最終工程である車メーカーが把握をすることです。しかし、場合によってはこのTier2以降の情報についてTier1メーカーが開示しない可能性があります。 そこでTier1メーカーが自分のところに納入するTier2やTier3の情報を確実に把握し、何か問題が出た時に速やかに情報を車メーカーに開示する体制をとることも考えられます。
 
 このつながったチェーンの一部だけ海外ということもありますから、できるだけサプライチェーンの最終工程の会社は全体像を把握し、有事の対応に支障をきたさないように準備を整えておくべきだからです。
 
 物流会社としてもグローバルサプライチェーンの管理を業として行っていくつもりであれば、サプライチェーンの全体像を把握するために努力して情報を集めなければなりません。
 
 そして、すべての構成メンバーに対して定期的に情報発信していくとよいのではないでしょうか。たとえば、現時点での全体のリードタイムや在庫の状況、物流コストの状況など、...
サプライチェーンの効率化に影響を与えそうな情報を集めて発信していくのです。
 
 さて、グローバルサプライチェーンのマネジメントがいかに難しいことであるかはご理解いただけたのではないでしょうか。しかし誰もが満足いく水準でマネジメントできていない状況下で、それをしっかりできる会社は間違いなく重宝がられ、あちこちから声がかかることとなるでしょう。
 

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