装置起因ばらつきの改善事例(層別分析)

◆問題のアウトライン
 
 C社は4台の装置を用いて操業を行っていたが欠陥特性のスペックアウトが時折発生していた。 スペックアウト品は全て4号機で生産したものであり層別ヒストグラムを描くと4号機の分布は他の3台と比べると明らかに高めであった。 その為厳しい仕様を持つ顧客には必要数が見込めない為4号機は度々操業から外し生産計画上不自由を強いられていた。
 
  
im35
                   図1.層別ヒストグラム
 
◆現状把握
 
 不適合品は工場のメンテナンス開けから観られたがメンテ前から高い傾向はあった。4号機は導入時からやや高めの傾向はあったがこの様な大きな分布の乖離はなかった。4号機の微調整を行ったものの効果は観られなかった。出荷に影響は出てないがコスト面で100万程度のロスが発生している。
 
 ◆要因解析
 
 設備異常や製造条件の変更は無く製造記録にも特異な点は無かった。 ただし、1-3号機はユーティリティーが同一ラインだが4号機は新設ラインに設置してあると言う違いがあった為稼働状態が分かる装置ステータスの記録データの比較を行った。 その結果図に示す出口冷水温度が4号機は高めの傾向にある事が分かった(赤マーカーは平均値)。
 
    
im3
                     図2.装置毎の出口冷水温度
 
 次に出口冷水温度と特性値の相関を観た所、温度が高いほど特性値が高くなる正の相関が観られた。 それまで冷水による装置冷却は元冷水温度と入口流量のみが管理対象であり、4号機の問題が生じるまで冷却と特性の関係を詳細に調査する事は無かった。
 
     
inf231
                     図3.冷水温度と特性の相関図
 
 ◆対策立案・実施
 
 対策として四号機の冷水出口温度が他の号機と同等となるようバルブの調整を行ったところ特性値の改善が見られた。
 
 ◆効果検証
 
 数ロット流動し改善効果の再現性が観られた為冷水設定を変更する事とした。今回の異常原因は他の号機と異なるユーティリィティーラインに設置した4号機の初動管理不足が原因だった為、是正処置として次の対策を行いました。
 
 冷水流量と出口温度の管理値を新しく設定した。冷水流量計に適正流量のマーキングを行い日常点検項目に追加した。現行のアラームシステムに温度が一定時間設定を上回ったら警報を出す項目を加えた。
対策を文書化し作業標準やワークシートに反映させ改定を行った。
 

この記事の著者

眞名子 和義

ムダ・ムラ・ムリの「3ムの撤廃が企業収益向上に繋がる」を信条とし、お客様の"視座"に立ったご提案を致します

無料会員登録でさらにあなたに特化した情報を手に入れましょう。

①「層別」の関連記事が掲載されたらメールでお知らせ

②専門家「眞名子 和義」先生に記事内容について直接質問が可能

③他にも数々の特典があります。

すでに会員の方はこちらからログイン