コスト削減の抵抗勢力

 
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コスト削減活動に力を入れたくても社内の抵抗勢力に阻まれる時があります。本来コスト削減は企業利益確保の為の活動ですが、それが一部部署、一部従業員の不利益に繋がる場合は協力を得られないばかりか反発を招くこともあるからです。例えばコスト削減と言う言葉から人件費のカットを思い浮かべ、リストラや給与カットが行われるのでは無いかと言うマイナスのイメージを強く抱きます。
 
 シックスシグマ活動で工程スループット改善の為に必要人数や作業時間の調査協力を求めたら人員カットの検討だと勘違いされ「水増しして」報告されたケースもあります。どうもコスト削減と言うと従業員に皺寄せのある活動と受け取られるようです。
 
 確かに人員削減による固定費圧縮でも利益は増やせますが、同時に企業体力の低下も起こり得ます。特に直接部門の人員削減は他の人員への負荷増加を招き逆に品質問題や安全上の問題を引き起こしコスト増に繋がる恐れもあります。
 
 一方で削減だけを考えず効率化を軸に据えてコスト改善を推進していけば、自然とムダやムラが無くなり生産性が上がっていきます。副次的にミスや不具合も減少します。作業効率化でマンパワーに余裕が出来れば余力を別業務に注入すれば良いのです。例えば工場の自動化やIT化が進むと人による直接作業が軽減され、必要人員は減ることになりますが、その分をより付加価値の高い業務へ振り分けることが出来ます。
 
 ある会社では製造要員として採用されていた人員に設備や機械の保守点検方法を学ばせ保全要員としての役割も与えたところ、機械要因のトラブルの未然防止や発生時対策が迅速となり、チョコ停や設備起因の品質不適合が減少する効果がありました。さらにメーカーへのメンテ依頼費用も削減できて効率的コスト削減となりました。
 
 コスト削減は業務やプロセスの効率化で達成する方がムリが少なく、最初から削減メインで行うとかえって改善代を小さくしてしまいます。コスト削減を行うよりもコスト改善を行うというイメージです。大企業のように普段から敢えて余剰人員を抱えている所は別として一般企業が大きな人員削減を行おうと思ったら事業形態の変更に相当する改革が必要となるでしょう。
 
 例えば直接生産に寄与しない間接部門業務を子会社や専門企業へ外部委託したり、生産プロセスの一部を外注したりする事が考えられます。また採用業務、労務管理、経理も外部委託したり、IT技術を活用しシステム化を進めれば間接部門の人件費削減が可能となるでしょう。
 
 実際に従業員200名規模の会社で人事総務部長と部下併せて2人の所もありました。一般管理費の削減案の一つとしてこの様な間接部門業務の外部委託もありますが、これは大きな業務変革となるので該当部門の根強い抵抗があっても不思議ではありません。
 
 コスト削減に悪いイメージを抱いているだけであれば効率化を軸に行う方向性を明確に表明し推し進めていけば大きな軋轢は生じないと思います。一方で大規模業務改革のケースは残念ながら避け難いかもしれません。営業や生産に強く関わる直接部門に人材集中を図るのは定石です。今後、間接部門が高付加価値部門として生き残るには、間接部門の多能工化が重要です。
 

この記事の著者

眞名子 和義

ムダ・ムラ・ムリの「3ムの撤廃が企業収益向上に繋がる」を信条とし、お客様の"視座"に立ったご提案を致します

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