国土交通省のガイドライン 着荷主の責任を認識する(その2)

 

◆ トラック運送事業の下請・荷主適正取引ガイドライン

 国土交通省の「トラック運送事業における下請・荷主適正取引ガイドライン」によると、着荷主におけるトラック待ち時間に関し、以下のように記述されています。

手待ち時間の改善における着荷主の役割

 サプライチェーン全体の最適化を進める上で 、輸送効率は重要な課題であり、着荷主においても、トラックの待ち時間の改善を進めることは大きな意義があります。

※特に配送センターでは、長時間の手待ち(妥当と思われない要請) が発生する傾向にあるため留意する必要がある。

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 以上のように、トラックの待ち時間を改善することは、サプライチェーン全体の最適化につながることを指摘しています。これは当たり前のことですが、この待ち時間短縮はサプライチェーン全体のリードタイム短縮につながるのです。ということは発荷主にとっても着荷主にとっても、お互いのメリットであるといえるでしょう。だからこそ、この活動は意義あるものだと考えられるのです。

 上記の文章のトーンは「望ましい」...

という、ややソフトな表現になっています。しかし同時に、このガイドラインでは独占禁止法における物流特殊指定、下請法、貨物自動車運送事業法などの法令に抵触する恐れがあることを示しています。これは荷主だけではなく、物流会社の親事業者も対象とされています。

 これについてはトラックを待たせ対価を支払わない、あるいは輸送の安全を阻害するといった行為が、コンプライアンス問題であることを示していると思われます。

 次回に続きます。

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