管理のスタート 物流会社が取り組むべき管理技術(その2)

◆ 物流現場のSQDC管理

 すべての管理には目標があり、それに対する実績があることが前提です。そして管理の範囲として最低でも次の4つは押さえておきましょう。

 この4つのカテゴリーの中でさらにいくつかの項目に分かれます。例えば「S:安全」ですが、乗務前の点呼や安全教育の実施状況、ヒヤリハットの提出件数など項目ごとに分け管理していく必要があります。乗務前点呼は目標100%実施に対して実績を把握します。できていなければその要因を明らかにします。要因が分かった時点でそれを解消するためのアクションを取ることになるのです。

 他のカテゴリーについても同様にいくつかの項目を挙げ、その目標と実績を日々チェックしていきます。未達成の場合にはそれを解消する方策を打つのです。そして重要なことはこの管理は「現場に設置した管理ボードで行う」ということです。その目的は物流現場の管理状況について誰が見ても一目で分かるようにするためです。

 現場の管理ボードは全従業員の意識向上のためにとても大切な「仕掛け」です。もし設置していないようでしたらすぐに実施しましょう。ここから管理がスタートするのです。

 製造会社の物流部門は比較的管理技術を使って現場管理を実施している傾向にあります。これは製造部門でこういった管理が必須であるため、その影響を受けているものと思われます。物流会社でもメーカー子会社の場合には同様の傾向があり、管理技術を使って現場の管理を行っている会社を見掛けます。

 問題なのは物流専業者です。厳しい荷主が顧客にいる場合には否応なしに現場管理水準の向上が求められますが、そうでない場合には管理技術の存在すら知らないということがあり得るの...

です。この状態でもビジネスができないわけではありませんが、ワンランク上の荷主と取り引きを開始しようとした時点で困ることになると思われます。

 なぜならレベルの高い荷主は、しっかりと現場を管理できていない物流会社とは取り引きを行わないからです。当たり前と言ってしまえばそれまでですが、その理由に気づかず恥ずかしい思いをしないよう、今から準備をしておきたいものです。

 次回に続きます。

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