情報の停滞は機会損失を増幅 中小メーカ向け経営改革の考察(その27)

1.会議運営技術の向上策

 前回のその26に続いて解説します。会議運用の方法が適正で、決定までの手順が分かりやすく「見える化」されていること。決定事項に関する実施状況を追跡する責任者を決め、確実に実施するように努めていること。そのような企業では、会議について関心が高く、会議に付加価値が付き、生産性の向上が得られていることでしょう。
 
 強調したいのは、会議の内容を管理者が各職場の従業員に伝達することが不足し、決定事項の実施がうやむやになることが実に多く見られることです。会議で時間をかけて検討した事を、数分間の説明で理解するように要求するのは無理があります。周知する必要性のあることは、掲示と繰り返し説明をすることです。理解を深める必要のあることについては、バズセッションを導入し、理解不足になっている問題点ごとにテーマを決めて意見交換させることが、理解を促すのに適しています。
 

(1)バズセッションの方法

a.全体会議の場で、5~7名の同じ職場で構成される小グル-プに分ける。
 
b.理解を深めて欲しいテーマを決め、簡単な趣旨説明とテーマについて解説を行う。テーマに関する回
      答に相当する内容もそれとなく説明した方が良い。答えを説明しても討論要旨の発表でそれをきちん
  と理解していない事が出てくるから、理解させる方法を再び検討する。簡単に諦めない。諦めた方が
  負けである。
 
c.グル-プでの意見交換の司会者と発表者を決め、発表者が書記を兼ねる。
 
d.討論時間は15分以内とし、全員発言するように運営する。
 
e.討論の要旨を1分以内で全グル-プが発表する。
 
f.発表内容に関して、更に理解を深めて欲しい点、理解が誤っている点、具体的な対策などについて助
  言する。
 
 バズセッションを行うことで相互理解が促進され、改善に取り組む意欲を導き出すのに有用です。特に効果を発揮するのは、部門間で情報伝達の必要性が認識されていながら、それが不足しているような場合です。
 

(2)バズセッションで効果が確認された代表的な例。

例1.営業と設計の間に介在する問題解決
 
 営業から設計に連絡する受注仕様の一部が不明確なため、業務処理が進まず時間損失を発生させていました。そこでバズセッションをしてみると、打ち合せ仕様書の疑問点の指摘、仕様変更に伴って発生している問題と再発防止対策など、両職場間に横たわっている問題の対策を検討するのに非常に有用でした。
 
例2.eメ-ルでの情報伝達の欠陥対策
 
 企業内の情報伝達にeメ-ルを利用するわけですが、それが確実に受け手に伝達されず損失を発生させている場合があります。そこでバズセッションが行われました。情報の発信者は理解されているものと思っていたが、実際には目が通されていないこと、理解が不足していることなどが基で、損失が発生している事が確認で...
きました。対策として、重要項目は、eメ-ル送信に、場合により電話または面談で趣旨を伝えるなどの配慮が必要である、との認識を持って行動するようになり、問題の発生は激減しました。
 
例3.5S活動の目的意識の欠如対策
 
 この場合は全社共通の問題です。5S活動について取り組み方はもちろん、目的がコストダウンであることも、全員を集めて説明を行い周知徹底を図っていましたが、その目的を理解した取り組みが一向に進展しません。そこでバズセッションを行い、討論内容を発表させると、理解が不足していることが明らかになりました。再度、活動の目的について解説を行う事を2回ほど繰り返したところ、5S活動が活性化することになりました。
 

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