PEST分析(マクロトレンド分析)の正しい使い方

PEST分析とは
1.PEST分析とは

 PEST分析は要するに、政治的、経済的、社会的、技術的要因、場合によっては法律的、環境変化要因の変化を分析しようとするものです。大切なのは、各要素を網羅的に分析することではなく、必要な要素はPEST以外も取り入れて分析するという点です。
  

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2.目的に沿ったPESTの要素を選ぶ

 PEST分析の目的は主に2つあり、第1に仮説の発見です。私たちが日常目にするのは既に起こった変化であって、これから起こる変化ではありません。これから起こる変化は、あくまでも予想するしかないのです。

 例えば、少子高齢化は近年大きな課題となっていますが、実は1970年代から予想されていたものです。参考までに、最新の人口予想によると、2060年には、日本の人口は8,674 万人、65 歳以上人口割合は 39.9%になります(国立社会保障・人口問題研究所)。少子高齢化はさらに進んでいきます。

 PEST分析をすれば、上記のような変化予想は容易に得られ、このような社会の変化を受けて、製品やサービスが求められる要件は何かを予想することになり、これが仮説です。

 しかしPESTのどの要素を分析すれば、どんな仮説が立つのかは分かりません。かといって、PEST全てを分析するのは膨大な手間がかかります。そのために、仮説の前身である「仮説のタネ」を予め準備しておくことが効率的です。仮説のタネの精度は低くても構わないでしょう。タネの背景になりそうなPESTの要素を調べるごとに、新しい仮説が次々に生まれるからです。

 第2の目標は仮説の検証です。生まれた仮説を検証するためにPEST分析を実施します。仮説を検証するためですから、情報収集は最小限です。PESTの4要素のうち、相応しいものを選ぶことが重要です。大切なのは、PEST分析そのものというより考え続けるという点でしょう。

 研究開発戦略を作ると言っても、「さあ、研究開発戦略を構築しよう」といって、エイヤでできるものではありません。何も考えずにPEST分析をやろうとすれば、分析範囲が膨大になってしまいます。むしろ日ごろから問題意識を持ち続けて、「仮説のタネ」をいかに豊富に集めておくかが大切なのです。繰り返しになりますが、そうすれば、PESTの分析要素も最小限で済みます。

 PESTは道具・テクニックに過ぎないし、それだけでは役に立たないものなのです。


この記事の著者

中村 大介

若手研究者の「教育」、研究開発テーマ創出の「実践」、「開発マネジメント法の導入」の3本立てを同時に実践する社内研修で、ものづくり企業を支援しています。

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