
1.はじめに~再生可能エネルギーの「影」を直視する~
再生可能エネルギーの推進は、日本のエネルギー政策において重要な柱である。しかし近年、各地で進められてきたメガソーラー(大規模太陽光発電)の設置が、大規模な森林破壊や地域環境への深刻な影響を引き起こしていることも事実である。私自身、近年の開発の進み方に強い危機感を抱いている。森は静かに消えているのではない。まるで原野を切り裂くかのように、無慈悲な造成が進んでいる。
先日、釧路湿原近郊で進む開発の様子を映した映像を目にした。湿原の緑の苔に覆われた大地をブルドーザーが掘り起こし、そのすぐ近くを羽を広げたタンチョウが歩いていた。その光景に、胸が締めつけられる思いがした。
私たちは、森林を壊してまで電気をつくるべきなのか。機械部門の技術士として、私はエネルギー技術を「発電量」だけで評価することに強い違和感を覚える。技術は、安全性、環境影響、社会との調和を含めて評価されるべきであり、本稿ではその視点からメガソーラーの問題点を整理する。
2.各地で発生しているメガソーラー被害の実態
2.1 山林伐採と土砂災害リスクの増大
メガソーラーの多くは、山林を大規模に伐採し、斜面を造成して設置される。この過程で、森林が本来持っていた保水機能...



