5Sを仕事そのものに当てはめてみるには

1.はじめに

 「5S」とは、どのような職場で行われる活動でしょうか。製造や物流の現場では比較的活発に行われていることはよく知られておりますし、事務所の中、机の引き出しの中などの事例なども目にしたことがあるかもしれません。実際、この「5S」という活動は場所を選びません。むしろ、どのような職場でも積極的に進めてほしい活動です。

 

2.「5S」の活用範囲とは

 まずは、「5S」の活用範囲というものを考えてみましょう。製造や物流の現場を中心に展開されている活動ですので、当然「モノ」が中心と考えがちですが、意外と汎用性の広い活動です。むしろ、「モノ」から離れて考えることが、「5S」の持つ真の力を発揮するためには必要不可欠と言えるのではないでしょうか。

2.1 5Sを仕事そのものに当てはめてみる

 「その仕事の最終的な成果物が価値を生んでいるかどうか?」という視点で整理、整頓に取り組むことで、仕事の負荷は間違いなく下がります。仕事とは、本来はバトンタッチの連続であり、最終的にはお客様にまで渡り、更にそれがお客様からの評価(反応)として自社にバトンが戻ってきます。すなわち、仕事の結果としての成果物が次に活用されていないのであれば、それは不要な仕事と見做すことができます。特に事務作業などでは、この視点が大きな効果を生むでしょう。作ること自体が目的になってしまっている資料なども、意外と多いものです。これらを、本当に価値を生んでいる仕事と価値を生んでいない仕事に改めて仕分けてしまうのです。                      

2.2 「モノ」を「情報やデータ」に置き換えて考えてみる

 「5S」は「モノ」が対象と思いがちですが、それを「データや情報」に置き換えて考えてみれば、古いデータが放置されてPCの動きが遅くなった、あるいは必要な情報がどこにあるのかわからないから検索に時間がかかったなどという事象にも、「5S」の視点は役立ちます。「整理」の視点で、「データや情報」を必要なものと不要なものに仕分けて、不要な「データや情報」は消去してしまうわけです。「整頓」の視点で、必要な「データや情報」を使いやすいように、置き場を明確にすることで、業務の効率が向上します。探すムダ、迷うムダは日常業務の中には沢山潜んでいるのです。

 私の経験では、コールセンターなどでの引き継ぎ情報などには、特に「整頓」は欠かせないと思います。業務時間の関係で担当者が交代、一からお客様に説明させるハメになった結果、お客様の心象を悪くしてしまうといった事象は、枚挙に暇がありません。

2.3 名刺を考えてみる

 営業活動の重要なツールである名刺などは、「5S」が必要な最たるものかもしれません。営業担当者...

が個別に持っている状態は、会社としては顧客情報が整頓されていない状態と言えます。本来、顧客情報は重要な会社の財産のはずあり、この状態は好ましくありません。また、異動などによる情報の更新も難しく、引き継ぎなどにも意外と手間取ってしまうことも多いでしょう。また、得意先のキーマンが担当者以外にわからないような状態では、緊急時に後手に回ってしまいかねない危険性をも秘めているのです。

 

3. まとめ

 このように、取組み、活用する切り口によって、多様な職種で効果を生む可能性があるのが「5S」という活動です。また、活動自体にはあまりコストはかかりません。有効に活用して頂きたい所以です。

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