CDGMは、これまでのQCサークルとは違い、ジョイ・オブ・ワークを達成

1.QCサークル活動の課題

 戦後の日本製造業を牽引した大きな要因の一つがQC活動だったことを疑う人は少ないでしょう。ここでQCサークルが30年以上の間発展した理由は、参加者が会社の為に滅私奉公したではなく、自分たちの能力を発揮するチャンスを得て、自己実現を味わう感動や喜びを見出したことであると考えるべきです。

 しかしその間には潰れていったQCサークルがあったことも見逃せません。そのようなサークルでは、指導した管理者が1円でも節約する方法、少しでも物を早く作る方法を考えるのがQCサークルの使命であるという大きな間違いを犯してはいなかったでしょうか。ご存知のようにQCサークル活動は、1990年の大会参加者14万人をピークとして少しずつ衰退しています。

 

2.CDGM(Creative Dynamic Group Method)の基本概念

 そこで筆者はアメリカでデミング博士と多数の企業を指導してきた経験に基づき、組織ピラミッドの階層を通した公式なコミュニケーションと全く異なるCDGMという小集団活動を提案しており、これは次に挙げる4つの主要な要因で形成されています。

1.日本のQCサークル
2.アメリカで行われているチーム活動
3.デミング経営哲学
4.ラウンドテーブル

 ここでは従業員が本音でかなり自由に言いたいことを語り、仲間意識を醸成することで精神が安定し協調が促進されて、結果的に勤労意欲が向上し、企業業績の向上に著しく貢献する事が実証されています。

 CDGMの基本概念は、組織内における生産性及び質の向上の根源は各々の職場で働く 人々であるということです。重要なのは従業員の手足だけではなく、彼らの頭脳であり感情です。したがって、生産性及び質の向上の基本は従業員の教育訓練です。CDGMはもともと競争的だった人々を協調的にすることによって、グループ全体の生産性及び組織全体の競争力を高めます。CDGMは、ばらばらの活動ではなく、ひとつの大目的によってつながっています。つまり、全組織体を個々の総和ではなく、それ以上のものに発展させようという全体観的経営哲学を実現します。現在の経営は、顧客満足を第一に考えますが、CDGMでは勤労者の「仕事の喜び」とか「働きがい」が第一にくるのであって、これがモチベーションを引き起こし、満足した勤労者のみが顧客を満足させることができるという理解が根幹にあります。CDGMの概念では、従来のQCサークル的な現場の小集団だけでなく、技術者、研究者、管理者、トップマネジメントなどのホワイトカラーの人々も含めて、文字通り全組織構成員にこの基本的な考え方が応用されます。

 CDGMでは、できるだけ型にはめない事が求められています。例えば、問題の取り上げ方、活動時間や問題解決の手法などのインプットのばらつきは最大限認められます。こうしなければいけないという縛りは、ほとんどありません。その結果、実践記録からも参加者の満足度は高く、チーム実績からもかなり効果的であることが明らかになっています。

 この方法は企業規模を問わず効果を発揮するという特徴があり、大はNTTグループやキヤノン・マーケテイング・ジャパンから小は従業員二三十人の中小企業に至るまで大きな成果を挙げています。

 

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3.ジョイ・オブ・ワーク

 CDGMは、これまでのQCサークルとは基本的に違い、ジョイ・オブ・ワークを達成するための小集団活動をいいます。ジョイ・オブ・ワークとは、従業員が喜々として働く状態をいい、その時従業員の生産性は最高になると考えます。そこでは基本概念は協調であり、各人の創造力が最大に発揮されて、初めて組織体は競争力を持つことが期待されるのです。


この記事の著者

吉田 耕作

故デミング博士と共に全米の組織に経営の品質向上を説き、今さらに進化させたシステムで日本の企業を指導します

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