問題解決の基本手順

1.問題解決で個人と集団プロセスの相違

 下表1に問題解決の手順を6種類のせました。この順番は、時代順でもありますが、単にステップが複雑になっているだけの問題ではなさそうです。

 ポイントを絞ると、(1)と(2)は完全な個人発想のプロセス論、(5)、(6)は集団発想のプロセス論で、(3)、(4)はその中間にあたるものといえそうです。

 ヘルムホルツ、ワラスは科学者です。この時代の科学者は基本的に1人でジックリ研究していましたので、自分の思考プロセスを分析した結果がこれらのプロセス論といえます。一方オズボーンは広告会社の社長、ビュールは機械工学者で指導者でもありましたから、集団の創造をいかにするかという体験からのプロセス論です。

 個人と集団発想のプロセスの差は、集団発想では問題把握の部分と問題解決の部分の2つが分離されているのに対して、個人発想の方では問題解決の部分が特に強調されているということです。

  表1 6種類の問題解決手順

 

2.個人発想ステップの基本

 一番簡単なヘルムホルムの手順で説明します。「準備」はpreparationの訳ですが、私は「熟考」と言いかえています。つまり、「問題についてジックリ考える」ということです。問題を強烈に意識して考えれば、それは問題意識となり脳の中に強く残ります。

 次の「あたため」はincubation(孵化)の訳で、「問題から離れて他のことをする」ことを意味します。言いかえれば、脳に残った問題意識が無意識思考をして、古い記憶や外部の情報で使えそうなものはないかと探索する段階ということです。

 そして「ひらめき」(...

illumination)の時を迎えます。つまり、ある時突然にパッとひらめく、というわけです。むろん、ひらめきの場所は千差万別です。

 これは無意識思考の大切さを語っているわけですが、同時に徹底的に熟考することの大切さをも指摘しています。悩みに悩んだら、その事から離れてみよ、というわけです。

◆関連解説『アイデア発想法とは』

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