DCモーターとは?ACモーターとの違いは?特徴やメリット・デメリットを紹介

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DCモーターとは?ACモーターとの違いは?特徴やメリット・デメリットを紹介


日本の電力消費量の約半分はモーターによるといわれ、電車や電気自動車、エレベータやエスカレータ、産業機械など大きなものからOA機器や家電機器、玩具など小さなものまで、さまざまな場所でモーターが使用されています。
これらのモーターのうち、電池などの直流電流で動き、身近な場所でも多く使われているDCモーター(direct current motor:直流モーター)について解説します。

DCモーターとは何か?

DCモーターとは、電気を利用し、磁界と電流の相互作用で発生する力で回転運動して電気エネルギーを機械エネルギーに変換するモーター(電動機)の中で、直流電流で動作するもののことです。DCモーター以外のモーターとしては、交流電源で動作するACモーター(alternating Curren motor:交流モーター)と、パルス信号により1ステップずつ回転するステッピングモーターがあります。
DCモーターは電池などでも動作させることが可能なため、私たちの身のまわりのさまざまな機器に組み込まれて使用されています。

【関連記事】
『サーボモーターの仕組みとは?基礎知識を分かりやすく解説!特徴や用途も紹介』

ACモーターとの違いは?

DCモーターが直流電流で動くのに対して、ACモーターは交流電流で動きます。従ってDCモーターの電流はプラスとマイナスの極性が一定なのに対して、ACモーターは一定周期でプラスとマイナスが入れ替わります。
ACモーターはDCモーターに比べ、回転速度が周波数に応じて決まってしまうため、速度を制御するためには電圧だけでなく周波数を調整する必要があります。
電車など鉄道車両を走行させるモーターは1980年代まではDCモーターがほとんどでしたが、インバータ技術の発達で電圧と周波数の制御が容易になったため、現在ではほとんどがACモーターになっています、今後急速な普及が見込まれる電気自動車でも同様の技術が使用されています。

モーターの種類は?

DCモーター

ブラシ付きDCモーター

ステーター(固定子)が永久磁石、ローター(回転子)がコイルの組み合わせによるDCモーターで、コイル両端の整流子にブラシを通じて電流を供給することで動作します。

ブラシレスDCモーター

ステーターがコイル、ローターが永久磁石の組み合わせによるDCモーターで、整流子とブラシがなく、回転子の磁極位置に合わせて電流を流すコイルを切り替えることで動作します。

ACモーター

誘導モーター

ステーターのコイルに電源からの交流電流を流し、発生した回転磁界によって鉄製のローターに誘導電流が生まれて、その相互作用によって動作します。非同期モーターと呼ばれます。構造がシンプルで負荷の変動に強いのが特徴です。

同期モーター

ステーターのコイルに交流電流を流して電流の入力に合わせて回転する磁界を形成し、永久磁石や電磁石のローターをステーターの磁界と同じ速度で回転させます。インバータによる制御回路と組み合わせれば高い制御性を得ることができます。

ステッピングモーター

ステーターがコイル、ローターが永久磁石の組み合わせで、パルス信号を入力することで一定の角度だけ回転します。回転数に加えて角度を制御できます。

各モーターの特徴

【表1】各モーターの特徴比較

DCモーターのタイプ

ブラシ付きDCモーター

ブラシ付きDCモーターには、大きく分けて永久磁石界磁型と電磁石界磁型の2種類があります。

永久磁石界磁型

界磁束を永久磁石で発生させるもので、電機子の形式によってスロット型、スロットレス型、コアレス型の3種類に分けられます。最も多く使われるタイプのモーターです。

電磁石界磁型

界磁束を電磁石で発生させるもので、界磁巻線と電機子巻線との結線方式により、分巻モーター、直巻モーター、他励モーターの3種類に分けられます。中大型のモーターに採用される方式です。

ブラシレスDCモーター

ブラシレスDCモーターには、ローターの永久磁石装着法の違いで表面磁石型と埋込磁石型の2種類があります。

表面磁石型(SPM:Surface Permanent Magnet)

ローター外周に永久磁石が取り付けられています。

埋込磁石型(IPM:Interior Permanent Magnet)

ローター内側に永久磁石が埋め込まれています。

DCモーターのメリット

直流電源は制御が容易なので、ACモーターを使用する場合と比べて装置全体の構造を単純にすることができます。また回転特性が安定している、高回転が可能、起動トルクが大きい、エネルギー...


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日本の電力消費量の約半分はモーターによるといわれ、電車や電気自動車、エレベータやエスカレータ、産業機械など大きなものからOA機器や家電機器、玩具など小さなものまで、さまざまな場所でモーターが使用されています。
これらのモーターのうち、電池などの直流電流で動き、身近な場所でも多く使われているDCモーター(direct current motor:直流モーター)について解説します。

DCモーターとは何か?

DCモーターとは、電気を利用し、磁界と電流の相互作用で発生する力で回転運動して電気エネルギーを機械エネルギーに変換するモーター(電動機)の中で、直流電流で動作するもののことです。DCモーター以外のモーターとしては、交流電源で動作するACモーター(alternating Curren motor:交流モーター)と、パルス信号により1ステップずつ回転するステッピングモーターがあります。
DCモーターは電池などでも動作させることが可能なため、私たちの身のまわりのさまざまな機器に組み込まれて使用されています。

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ACモーターとの違いは?

DCモーターが直流電流で動くのに対して、ACモーターは交流電流で動きます。従ってDCモーターの電流はプラスとマイナスの極性が一定なのに対して、ACモーターは一定周期でプラスとマイナスが入れ替わります。
ACモーターはDCモーターに比べ、回転速度が周波数に応じて決まってしまうため、速度を制御するためには電圧だけでなく周波数を調整する必要があります。
電車など鉄道車両を走行させるモーターは1980年代まではDCモーターがほとんどでしたが、インバータ技術の発達で電圧と周波数の制御が容易になったため、現在ではほとんどがACモーターになっています、今後急速な普及が見込まれる電気自動車でも同様の技術が使用されています。

モーターの種類は?

DCモーター

ブラシ付きDCモーター

ステーター(固定子)が永久磁石、ローター(回転子)がコイルの組み合わせによるDCモーターで、コイル両端の整流子にブラシを通じて電流を供給することで動作します。

ブラシレスDCモーター

ステーターがコイル、ローターが永久磁石の組み合わせによるDCモーターで、整流子とブラシがなく、回転子の磁極位置に合わせて電流を流すコイルを切り替えることで動作します。

ACモーター

誘導モーター

ステーターのコイルに電源からの交流電流を流し、発生した回転磁界によって鉄製のローターに誘導電流が生まれて、その相互作用によって動作します。非同期モーターと呼ばれます。構造がシンプルで負荷の変動に強いのが特徴です。

同期モーター

ステーターのコイルに交流電流を流して電流の入力に合わせて回転する磁界を形成し、永久磁石や電磁石のローターをステーターの磁界と同じ速度で回転させます。インバータによる制御回路と組み合わせれば高い制御性を得ることができます。

ステッピングモーター

ステーターがコイル、ローターが永久磁石の組み合わせで、パルス信号を入力することで一定の角度だけ回転します。回転数に加えて角度を制御できます。

各モーターの特徴

【表1】各モーターの特徴比較

DCモーターのタイプ

ブラシ付きDCモーター

ブラシ付きDCモーターには、大きく分けて永久磁石界磁型と電磁石界磁型の2種類があります。

永久磁石界磁型

界磁束を永久磁石で発生させるもので、電機子の形式によってスロット型、スロットレス型、コアレス型の3種類に分けられます。最も多く使われるタイプのモーターです。

電磁石界磁型

界磁束を電磁石で発生させるもので、界磁巻線と電機子巻線との結線方式により、分巻モーター、直巻モーター、他励モーターの3種類に分けられます。中大型のモーターに採用される方式です。

ブラシレスDCモーター

ブラシレスDCモーターには、ローターの永久磁石装着法の違いで表面磁石型と埋込磁石型の2種類があります。

表面磁石型(SPM:Surface Permanent Magnet)

ローター外周に永久磁石が取り付けられています。

埋込磁石型(IPM:Interior Permanent Magnet)

ローター内側に永久磁石が埋め込まれています。

DCモーターのメリット

直流電源は制御が容易なので、ACモーターを使用する場合と比べて装置全体の構造を単純にすることができます。また回転特性が安定している、高回転が可能、起動トルクが大きい、エネルギー効率が高いなど多くの特徴があります。さらに電池など持ち運びができる電源で動作させられるのも優れた点です。身の回りの製品に多数組み込まれているのは、これらのメリットによるものです。

ブラシ付きDCモーターのメリット・デメリット

メリット

速度制御の必要がない場合には駆動回路(ドライバー)が不要です。また速度やトルクの制御が必要な場合には電圧の調整によって行うことができ、応答性に優れています。

デメリット

ブラシと整流子の摺動による摩耗のため寿命が短く、メンテナンスまたは交換が必要となります。またブラシからの騒音や電気ノイズ、粉塵の発生にも注意が必要です。

ブラシレスDCモーターのメリット・デメリット

メリット

ブラシ付きDCモーターとは異なり、ブラシがないため長寿命・メンテナンスフリーで、ブラシからの騒音、電気ノイズ、粉塵の問題もありません。

デメリット

ローターの磁極位置を検出して電流を流すコイルを切り替えるための駆動回路が必要となり、ブラシ付きDCモーター使用に比べて装置が複雑になります。

DCモーターの幅広い用途

家電製品・日用品

エアコン、扇風機、冷蔵庫、シェーバー、電動歯ブラシ、玩具・模型、自動車(補機類)など

情報関連機器

パソコン、ハードディスク、スマートフォン、プロジェクターなど

産業用機器

計測器、医療機器、ATM端末、ドローンなど

まとめ

DCモーターとは直流電流で動作するモーターのことで、ブラシの有無により、ブラシ付きDCモーターとブラシレスDCモーターの2種類に分けられます。
装置全体の構造を単純にすることができる、回転特性が安定している、高回転が可能、起動トルクが大きい、エネルギー効率が高いなどのメリットがあり、電池などでも動作させることが可能なため、私たちの身のまわりのさまざまな機器に組み込まれて使用されています。
またブラシレスDCモーターは長寿命・メンテナンスフリーを実現しています。

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この記事の著者

嶋村 良太

商品企画・デザインとエンジニアリングの両方の視点を統合し、顧客満足度の高い商品開発を実現していきます。

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