10年後へのアプローチ詳説(その2)

 今回は10年後へのアプローチ10項目のうち後半の5項目を解説します。
前半についてはこのリンクから記事をご覧ください。

6.情報ネットワークの構築と情報武装は業界において先進的で、かつ費用負担に耐えられるか

 経営資源(人・モノ・金・しくみ・情報)の内の「情報の質とスピード」が企業の優劣を決める時代となっています。外部情報キャッチのスピードはもちろんのこと、中小企業でも業務系(販売・仕入・給与・会計)とマーケットへの発信・受信の鮮度と感度は、生存・発展の戦略ポイントを見い出すために不可欠となっています。もしこの認識がないとすれば100%生き残ることはできないので、危険予知能力の代用特性として自己点検してみましょう。

 一方情報資源の確保に一社単独での負担は困難であり、クラウドの時代に入っていますので、その活用をお勧めします。

 

7.スクラップ&ビルドに必要な資金量を試算し、調達方法の試案があるか

 未来の経営環境に適応するためには、ビジネスモデルや新商材の開発が不可欠です。そのするためにはどれほどの資金が必要であり、どのように準備するか。直接金融によるのか、間接金融か、試案を作り実行することとなります。

 最も安全な資金は自己資本(利益の蓄積)ということになりますが、創業時やターニングポイントでは、必ずしもそうした訳にはいきません。危機感と使命感のバランスで遂行することになります。

 

8.地球環境改善や環境に調和したビジョンであり事業か

 地球環境の改善や良い環境を次世代に伝えて行くのは、この時代に生きて企業活動する者の責任と受け止めるのが理念経営です。地球環境を破壊しつづける企業は存在する必要がありません。それは拝金主義的資本主義であり、その時代は最早終わったのであり、様々な経済・政治現象に現れてきています。

 

9.10年後の会社案内をビジュアルに描けるか

 たとえプロセスが見えなくとも良いので、まずは未来を語れますか?ということです。自分の肉体が存在しようがしまいが、理念実現のための夢を描き続けることが重要です。

 「死計」をイメージできずに、過去の自慢話や思い出にひたる様であれば、人も企業を老いたということで”変身”はできないでしょう。理念が循環して、新たな可能性を開いて行く“しくみ”になっているからです。

 

10.ビジョンは社員や関連先が人生計画を重ね共有できるか

 企業活動に協力してくれている社員や関連先が一人一人「自分に出番がある」と共感できる企業風土であれば、どんな困難な局面でも越えられるのです。 

 理念経営の企業文化や社風は、この境地の実現を目指しています。10ヵ年ビジョン作りに取組んでみると、描ける...

企業と描けない企業が明確に分かれます。特徴ある新商品やサービスの種がないと描くことができず、目先の経営課題だけを追いかけるその日暮らしになっては、進化が望めません。私の自論は、少なくとも3ヵ年計画(中期計画)がない事業計画は経営計画とはいえず、企業のレベルに進化していないと評価しますし、10カ年ビジョンがなければ、やがて消えてしまう事になるでしょう。

 老舗と云われる企業程、環境の変化に適応しているのがデータに表れています。ビジョンや夢を語れるか否かは、未来への適応力を計る重要なバロメーターであるのです。是非、策定してみてください。効果は、かならずや出ることを確約いたします。

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