「C型PDPC」とは(2) 【快年童子の豆鉄砲】(その84)

 

1.PDPC法の基本的な使い方とは

【快年童子の豆鉄砲】(その80)キャラバン方式生産計画とは(1)の3項.化学プラントでの事例、キャラバン方式生産計画の説明のために取り上げた事例「化学プラントのトラブル」の問題は2つあり、一つは「12人でする数十項目の準備作業が予定時間内に終わらない」と言うもので、アロー・ダイヤグラム法で整理した作業をキャラバン方式で作業することで解決したことをすでにご説明済みです。

 

もう一つの問題は、これからご説明する「停止が必要なトラブル」で、こちらの方は、全く別のアプローチが必要で「C型PDPC」を使うことにより、日に1,2回あったラインスタート後のトラブルが、460日以上ゼロと言う成果を生んだ事例です。今回は、これを解説します。

 

この事例解決説明を通じて「PDPC法」の基本的な使い方をご理解願えることと思います。

 

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その83)へのリンク】

【連載記事】・新QC七つ道具 連関図法の使い方

【連載記事】・新QC七つ道具 親和図法の使い方

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2.「PDPC法」について

1)PDPC法、A型、B型、C型、D型の4つのタイプ

前回の【快年童子の豆鉄砲】(その83)「C型PDPC」とは(1)で「PDPC法」には、A型、B型、C型、D型の4つのタイプがあるとご説明しましたが、使い方もそれぞれ独特のものがあります。ただ、基本的な考え方は共通ですので、その点を最初にご説明した後で「C型PDPC」の事例について詳しくご説明しますので、C型以外についてもご理解願えると思います。

 

2)「PDPC法」の基本的な考え方

「PDPC法」は、想定される、もしくは、想定されていた「サクセスストーリー」がうまく行かないケースを洩れなく抽出し、それぞれに対して対処策を考えようと言うのが基本的な考え方で、一種のリスクマネジメント手法と言えるのですが、最大の特徴は、関係者の衆知を集めることが出来る点です。そして、そのサクセスストーリーが、現在進行中の場合がA型、将来の場合がB型、D型、起こってしまっている場合がC型、と言うことになります。

 

3.「C型PDPC」の使い方

1)はじめに

「C型PDPC」が対象とするケースは、あるサクセスストーリーをもとにした製品や設備がうまく行かないケースで、目的とするところは改善になりますので“改善型”と言えます。ここで説明に使う事例も、最新技術を結集して計画された化学プラントのトラブルを、計画した通りに行かない点を洩れなく抽出して改善し、計画した当初の機能を発揮させることが出来たと言うものです。

 

2)「C型PDPC」作成の9ステップ

「C型PDPC」を作成するには、次のような9つのステップを踏みます。

 

表66-1 C型PDPC作成の9ステップ

 

PDPC法が極めて優秀な結果を生むことが出来るのは、複雑なサクセスストーリーを目に見える形にしたものを前にして、関係者の衆知を集めることが出来るからだと言えます。特に、挑戦的なプロジェクトの場合、先入観からくるトップマネジメントの一方的な反対に対する説得がままならず...

、プロジェクトのスムーズな進行が妨げられるケースが多いのですが、PDPC法の場合、作成されたPDPCの中に、プロジェクトメンバーのプロジェクトに対する懸念点の詳細と解決策を見える形で示すことが出来ますので、理解を得易いだけでなく、大所高所から、具体的な指摘を受けることにより、危機管理のレベルアップを図ることが出来る点がいい所と言えます。

 

次回から、C型PDPCの事例をもとに、PDPCの作り方のご説明をしますので、その点を意識してお読み頂ければと思います。

 

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