思考の頻度 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その150)

 

現在、イノベーション実現に向けての「思考の頻度を高める方法」を解説していますが、そのための1つ目の要素「行動を増やすことで思考を促進する機会を拡大する」を過去の解説記事で述べました。今回からは、2つ目の要素「同じ一つの行動をするにしても思考の頻度を増やす」を解説します。

【この連載の前回:普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その149)へのリンク】

 

1.「同じ一つの行動をするにしても思考の頻度を増やす」ための2つの活動

「同じ一つの行動をするにしても思考の頻度を増やす」には、以下の2つの活動があります。

 

今回からはこの一つ目の「多面的な視点を持って受ける情報や刺激を観察・感じたりし、またそこから思考する」を解説していきます。

 

2.「多面的な視点を持って受ける情報や刺激を観察・感じたりし、またそこから思考する」ための3つの視点

ここで多面的な視点とはどのようなものなのでしょうか?よく世の中で言われることを含め、以下の3つの視点があると思います。

 

【分析的に見る】

一つ目の【分析的に見る(虫の目)】は、具体的にはどのような活動をしたらよいのでしょうか?

私は以下の4つではないかと考えています。

 

(1)五感をもって観察する

自分が行動によりある場に身を置く中で、その場で注意深く対象や周囲を観察し、情報をできるだけ数多く収集することが最初の活動です。この際、普通の活動では得られる情報の8割が視覚からと言われていますが、それ以外の聴覚、嗅覚、触覚、味覚をも総動員して情報を収集します。特に触覚や味覚は、手を伸ばす、口に含むという追加的な活動が必要とされるためか、それぞれ全体の1%と言われており、このような機会を意図的に増やすことで、これまで得られなかった情報が得られる可能性が高まります。

 

この五感で観察することで情報を増やすことにより、単に個別の感覚による活動で得られる情報の増加だけではなく、それらを頭の中で総合化することで、その場の空間の俯瞰的把握や、さらには漠としたその場の雰囲気といったものを、明確に感じ、認識することができるようになります。例えば人間が空間を把握し、感じる場合は、その空間の構造といった視覚情報だけでなく、音の伝わり方(聴覚)や、空気の移動を肌で感じ(触覚)、空気の移動から生まれるにおいの変化(嗅覚)などを総動員...

していると思います。

 

人間は動物に比べ、視覚以外の感覚による感受性が低いように思えます(たぶん、そのような研究もあると思います)。しかし、動物的勘という言葉もあるように、視覚以外の感覚を強化することで、情報収集量がおおいに増え、イノベーションの機会が高まるのではないかと思います。

 

次回から、五感を順に一つ一つ解説をしていきたいと思います。

 

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