半導体の種類をわかりやすく解説

半導体

 

半導体は導体と絶縁体の中間に位置するものです。半導体デバイスの主な物質はゲルマニウムやシリコンで、抵抗率は導体と絶縁体の間の値となっています。

 

半導体集積回路を半導体と略していますが、半導体素子は物質の電気伝導性を示すもので、半導体集積回路の本質は、略されている集積回路、電子回路のほうにあります。

 

集積回路でなぜ半導体が重要なのでしょうか。回路を設計する必要があるということは、設計条件を満たして、設計した通りに動かす必要があるということです。すなわち、導通させたり、導通さなかったりする素子つまりは0/1の制御が必要になり、これを実現できるのが半導体です。

 

半導体には真性半導体と不純物半導体の2種類があります。この2種類の組み合わせによってスイッチ特性をもつ素子を作ることができますので、回路設計では半導体の理解が非常に重要です。

 

今回は、このような背景を踏まえて、半導体の種類をわかりやすく解説します。

 

1.半導体の分類と種類

 

【n型半導体とp型半導体の違い、不純物半導体】

 

真性半導体に不純物を添加することで不純物半導体は構成されます。添加不純物はアクセプタとドナーの2種類があります。

 

アクセプタを添加した場合は、ホールを供給しp型半導体となり、ドナーを添加した場合は自由電子を供給しn型半導体になります。

 

リンやアンチモンを真性半導体にドナーとして添加すると、n型半導体(電子が供給)となります。電子供給で、少数キャリアはホール、多数キャリアは電子となります。

 

p型半導体は、ホールが供給されることで、多数キャリアはホール、少数キャリアは電子となります。これは、真性半導体にアクセプタであるインジウムやガリウムの物質を添加すると、結合のための電子が不足してホール供給されるからです。

 

2.PCと半導体

(1)マイクロプロセッサ、DRAM、NAND

 

PCを分解すると、様々な部品から構成されていることがわかります。その内、ハードディスクドライブには、OSが格納されています。最近はHDDに替わって、SSDが使われるPCが主流となってきました。SSDには、NANDフラッシュ(以下NAND)という半導体メモリが搭載されています。HDDに比べてSSDは振動に強く、消費電力が低く、動作速度が速いのです。

 

HDDもSSDも、人間の脳にたとえると、長期記憶に相当する役割を担っています。電源を切っても、HDDやSSDの記憶は消えません。一度読み込んだデータは長期間、記憶されるのです。

 

最近主流となったSSDに使われているNANDにおいては、世界シェア1位がサムスン電子で、2位は東芝メモリです。SSDに記憶されていたOSは、DRAMという半導体メモリに移行され、DRAMは、NANDと違って電源を切ると記憶が消えてしまうメモリで、SSDほど大容量の記憶はできません。しかし、高速に読み出し書き込み動作ができるという特徴があります。人間の脳でいえば、「短期記憶」に相当する役割を担っています。

 

DRAMのすぐ近くには、CPUという半導体があります。マイクロプロセッサは、人間の脳で言えば思考する役割を担っています。キーボードに入力したデータをDRAMが記憶し、そのDRAMとマイクロプロセッサがデータをやり取りしながら、仕事を行うのです。

 

このように、PCには、半導体の種類としてプロセッサ、DRAM、NANDの半導体が搭載されています。

 

(2)SOC

 

SOC:System-on-a-chipと呼ばれる半導体があります。SOCとは、プロセッサやメモリをひとつにまとめ、その1チップだけで、あるひとつのシステムが動作するようにした半導体です。SOCにおいては、設計を専門に行うファブレスという半導体企業が多数存在し、ファブレスが設計したSOCを専門に製造するファンドリーという半導体企業が存在するのです。そのなかで特に、アップルのiPhone用のSOCを独占的に製造しているTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.:台湾)がファンドリーのチャンピオンです。

 

3.パワー半導体

 

CPUやメモリは、人間の体に例えるなら頭脳です。そしてパワー半導体は筋肉です。CPUやメモリと役割の異なるパワー半導体ですが、他にもいろいろな違いがあります。

 

CPUやメモリといった集積回路は、小電力で動作します。一方、パワー半導体は小電力から大電力を扱います。モーター用の大電力を供給する場合もあれば、CPUやメモリ用の小電力を供給する場合もあるのです。そのため、パワー半導体の大きなものは、弁当箱を超えるようなサイズまであります。

 

パワー半導体は、力強さが求められる産業機器分野に主眼が置かれていますが、コンピュータや民生機器にも使用されます。

 

【パワー半導体の種類】

 

半導体でスイッチングを行うデバイスとしては、パワートランジスタとサイリスタがありますが、これらはスイッチングデバイスと呼ばれます。ダイオードはスイッチングを行わないデバイスです。

 

パワートランジスタは、数あるパワー半導体の中でも応用範囲が広く、デバイスとしては技術開発が盛んな部類です。パワートランジスタには、主に、パワーMOSF...

半導体

 

半導体は導体と絶縁体の中間に位置するものです。半導体デバイスの主な物質はゲルマニウムやシリコンで、抵抗率は導体と絶縁体の間の値となっています。

 

半導体集積回路を半導体と略していますが、半導体素子は物質の電気伝導性を示すもので、半導体集積回路の本質は、略されている集積回路、電子回路のほうにあります。

 

集積回路でなぜ半導体が重要なのでしょうか。回路を設計する必要があるということは、設計条件を満たして、設計した通りに動かす必要があるということです。すなわち、導通させたり、導通さなかったりする素子つまりは0/1の制御が必要になり、これを実現できるのが半導体です。

 

半導体には真性半導体と不純物半導体の2種類があります。この2種類の組み合わせによってスイッチ特性をもつ素子を作ることができますので、回路設計では半導体の理解が非常に重要です。

 

今回は、このような背景を踏まえて、半導体の種類をわかりやすく解説します。

 

1.半導体の分類と種類

 

【n型半導体とp型半導体の違い、不純物半導体】

 

真性半導体に不純物を添加することで不純物半導体は構成されます。添加不純物はアクセプタとドナーの2種類があります。

 

アクセプタを添加した場合は、ホールを供給しp型半導体となり、ドナーを添加した場合は自由電子を供給しn型半導体になります。

 

リンやアンチモンを真性半導体にドナーとして添加すると、n型半導体(電子が供給)となります。電子供給で、少数キャリアはホール、多数キャリアは電子となります。

 

p型半導体は、ホールが供給されることで、多数キャリアはホール、少数キャリアは電子となります。これは、真性半導体にアクセプタであるインジウムやガリウムの物質を添加すると、結合のための電子が不足してホール供給されるからです。

 

2.PCと半導体

(1)マイクロプロセッサ、DRAM、NAND

 

PCを分解すると、様々な部品から構成されていることがわかります。その内、ハードディスクドライブには、OSが格納されています。最近はHDDに替わって、SSDが使われるPCが主流となってきました。SSDには、NANDフラッシュ(以下NAND)という半導体メモリが搭載されています。HDDに比べてSSDは振動に強く、消費電力が低く、動作速度が速いのです。

 

HDDもSSDも、人間の脳にたとえると、長期記憶に相当する役割を担っています。電源を切っても、HDDやSSDの記憶は消えません。一度読み込んだデータは長期間、記憶されるのです。

 

最近主流となったSSDに使われているNANDにおいては、世界シェア1位がサムスン電子で、2位は東芝メモリです。SSDに記憶されていたOSは、DRAMという半導体メモリに移行され、DRAMは、NANDと違って電源を切ると記憶が消えてしまうメモリで、SSDほど大容量の記憶はできません。しかし、高速に読み出し書き込み動作ができるという特徴があります。人間の脳でいえば、「短期記憶」に相当する役割を担っています。

 

DRAMのすぐ近くには、CPUという半導体があります。マイクロプロセッサは、人間の脳で言えば思考する役割を担っています。キーボードに入力したデータをDRAMが記憶し、そのDRAMとマイクロプロセッサがデータをやり取りしながら、仕事を行うのです。

 

このように、PCには、半導体の種類としてプロセッサ、DRAM、NANDの半導体が搭載されています。

 

(2)SOC

 

SOC:System-on-a-chipと呼ばれる半導体があります。SOCとは、プロセッサやメモリをひとつにまとめ、その1チップだけで、あるひとつのシステムが動作するようにした半導体です。SOCにおいては、設計を専門に行うファブレスという半導体企業が多数存在し、ファブレスが設計したSOCを専門に製造するファンドリーという半導体企業が存在するのです。そのなかで特に、アップルのiPhone用のSOCを独占的に製造しているTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd.:台湾)がファンドリーのチャンピオンです。

 

3.パワー半導体

 

CPUやメモリは、人間の体に例えるなら頭脳です。そしてパワー半導体は筋肉です。CPUやメモリと役割の異なるパワー半導体ですが、他にもいろいろな違いがあります。

 

CPUやメモリといった集積回路は、小電力で動作します。一方、パワー半導体は小電力から大電力を扱います。モーター用の大電力を供給する場合もあれば、CPUやメモリ用の小電力を供給する場合もあるのです。そのため、パワー半導体の大きなものは、弁当箱を超えるようなサイズまであります。

 

パワー半導体は、力強さが求められる産業機器分野に主眼が置かれていますが、コンピュータや民生機器にも使用されます。

 

【パワー半導体の種類】

 

半導体でスイッチングを行うデバイスとしては、パワートランジスタとサイリスタがありますが、これらはスイッチングデバイスと呼ばれます。ダイオードはスイッチングを行わないデバイスです。

 

パワートランジスタは、数あるパワー半導体の中でも応用範囲が広く、デバイスとしては技術開発が盛んな部類です。パワートランジスタには、主に、パワーMOSFET、バイポーラトランジスタ、IGBTの3つがあります。

 

パワーMOSFETは、CPUに似た構造で、パワートランジスタの中で最も高速なスイッチングが行えます。バイポーラトランジスタに比べ、大きな電力が扱いにくく、MOSFETは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタと訳されます。

 

バイポーラトランジスタはパワートランジスタの中で、最も構造がシンプルなこともあり、より大きな電力を扱えるという利点があります。ただスイッチング動作するために消費電力が大きく、スイッチング速度も比較的遅いのです。

 

IGBTは、Insulated Gate Bipolar Transistorの略で、その構造は、バイポーラトランジスタとパワーMOSFETを組み合わせたもので、大きな電力が扱えると同時に高速スイッチングが行えるという利点を持ちます。ただし、その構造は複雑で、比較的大きな電力領域ではIGBTが主に用いられます。

 

 

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この記事の著者

鈴木 崇司

IoT機構設計コンサルタント ~一気通貫:企画から設計・開発、そして品質管理、製造まで一貫した開発を~

IoT機構設計コンサルタント ~一気通貫:企画から設計・開発、そして品質管理、製造まで一貫した開発を~


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