整頓の標準化:ジャスト・イン・タイム生産(その25)

 

 

【実践編 目次】

第1章 改革の土台をつくる

(1)意識改革で改革の前提をつくる
   すべての改革は意識改革から始まる/3つの改革
(2)「整理」で要るモノ・要らないモノを明確にする
   「5S・3定」で基礎をつくる/「整理」とは捨てるモノを明確にすること
   不要なモノが引き起こすムダと問題/「赤札作戦」で不要なモノをオモテ化する
(3)「整頓」でモノの置き場・置き方を標準化する←今回の記事
   使いやすく、分かりやすく/整頓①田の字レイアウト
   整頓②ストライクゾーン/整頓③先入れ先出し
   整頓④置き場線で区画する/整頓⑤分かりやすく表示する「看板作戦」
   戻しやすさの追求
(4)「清掃」を日常的な点検・保全につなげる
   清掃点検・保全を一連の作業とする
(5)「清潔」は事後処理から予防へと踏み込む取り組み
  「予防3S」のしくみをつくる/予防整理:要らないモノを発生させない
   予防整頓:戻さなければ乱れない/予防清掃:ゴミを発生させないしくみ
(6)「躾け」で職場に緊張感をつくる
   

第1章 改革の土台をつくる

 改革を行なう際には、しっかりとした土台づくりが大事です。そのために必要なのが「意識改革」と「5S・3定」。整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)を中心とする現場改革の基本です。

(3)「整頓」でモノの置き場・置き方を標準化する

 モノの置き場と置き方のルールを決め、分かりやすい表示で現場を整頓する。

◆ 整頓⑤分かりやすく表示する「看板作戦」

 整頓の定義とは「要るモノを、使いやすいようにきちんと置き、誰でもわかるように明示すること」です。前項までで使いやすい置き場づくりができたら、次に、誰でもわかるように表示していきます。モノの置き方の標準化を行なうのです

 ポイントは、誰でもすぐに「見つける」「使える」「戻せる」です。まず、誰でもすぐに「見つける」ことができるように、モノの置き場を明示します。会社や工場のなか、棚などを、決められたルールに沿って、住所のようにたどり着けるようにそれぞれ表示します。これは、目で見る管理でもあります。

 そのために効果があるのが「看板作戦」です。住所表示のように、その場所を特定できるような番号や記号をふり、誰でもその場所が分かるように表示する方法です。次の手順で行ないます。

  1. 建屋に所番地を付ける(ロケーション看板)
  2. 職場の看板を付ける(職場看板)
  3. 機械の看板を付ける(機械看板)
  4. 縦き場の看板を付ける(定位・定品・定量)
  5. 仕掛り在庫に看板を付ける(仕掛り看板)

◆ 戻しやすさの追求

 最後に 「戻す」について考えてみましょう。原材料や部品などは、使われると製品になり、戻ってきませんが、治具・工具...

・文房具・資料などは、使われたあと、再び戻ってくる性質を持っています。その「戻る」こそ、モノが乱れる原因です。それは元通りに戻されないからです。「整頓」は置き場を決めるだけでなく、モノの「戻しやすさ」についても追求していかなければなりません(下図参照)。

 

図. 戻しやすさの追求ステップ

 

 

 次回は、(4)「清掃」を日常的な点検・保全につなげるを解説します。

【出典】古谷誠 著 『会社を強くする ジャスト・イン・タイム生産の実行手順』中経出版発行(筆者のご承諾により連載)

 

 

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