5Sを極める~工場の区画線

 

♦ 区画線:通路・作業両域を分けるだけのものではない

 工場内の線引きとは、安全確保やモノの置き方など、エリアレイアウトのために、床に決められた色で線を引いたり塗ったりすることです。

 先日、ある工場の視察に伺った際、責任者の方が「最近、床に白線を引き、通路を確保するようにしたので、見てもらえませんか」と話されましたが、私は工場床の区画線について違和感を覚えました。

 床を拝見すると、確かに真っ直ぐかつ、綺麗(きれい)に白線が引かれていたのですが、作業域の設備・保管棚・備品等の置き方は、方向性がなく、統一感も感じられないものでした。「区画線がモノを置く際の基準になる」という考え方がなさそうな気がしました。どうも線引きした際「通路を確保する」という意識だけが強過ぎ、他のモノの置き方には配慮していない様子でした。

 

 そもそも区画線の役割は、単に通路域と作業域を分けるためだけのものではありません。通路や作業域を明確にしながら、工場のレイアウトや物流、そしてモノを置くための基準となるものです。

 私は責任者の方に「区画線は基本的に壁に平行、または直角に引き、それを基準にモノをレイアウトされた方がよろしいと思います。そうすることで、工場全体の3S(整理・清掃・整頓)が行き届いて...

くるようになってきます」とお話させていただきました。

 こういったことで整理・清掃が徐々に進み、さらに整列がかみ合ってくることで、工場内はスッキリ感が出て、来訪者も感心してくれるはずです。

※今回のまとめ:区画線はモノの置き方の基準となるもの

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