中国と日本企業の違いとは 中国工場の品質改善(その59)

 前回のその58に続いて解説します。

【第4章】中国新規取引先選定のポイント

◆ 中国企業と生じる意識のずれ

(4)4M変動管理

 これは、4M(人、機械、材料、方法)に大きな変動があると製品のバラツキや不良発生につながる可能性があるので、その管理をしっかり行う必要があるということです。自社はもちろんですが、取引先に対してもこの管理の徹底を求めると同時に、大きな変動がある場合は事前の報告や承認を要求しています。取引先が日本企業の場合は、特に問題もなくこの要求を受け入れています。

 ところが、中国企業の場合「4M変動管理」自体を知らないことが少なくありません。そんな中国企業に「4M変動管理」の実施や事前の報告・承認を求めても中々理解できません。要求されるがままに承諾したとしても、運用されないことになってしまいます。

 4M変動の中でもMateria1(材料)の変更は、重要な項目でありほとんどの企業で事前の承認を義務付けていると思いますが中国企業の場合、この材料の変更に関しても重要性の認識が甘いので注意が必要です。

 筆者も中国駐在員時代、金属製の部品を購入していた中国企業に何の報告や連絡もなく、材質を変更されていたことがありました。実は幸いにも変更されたものが元の材質に近いものだったので品質トラブルが発生していなかったことと、変更後2年近く経っていたことから事後承認するしかありませんでした。しかし、社内では材質の変更という重要項目が管理出来ていなかったことが大きな問題となりました。

【4M変動管理の主な項目】

人:Man

機械:Machine

備の改造

材料:Material

  • 原材料の変更
  • 材料メーカーの変更
  • 外注先/仕入先の変更

方法:Method

  • 工程変更
  • 作業方法の変更
  • 検査方法の変更

 次回は、工場を見る時の視点が異なる。から解説を続けます。

 【出典】根本隆吉 著 「中国工場の品質改善」 日刊工業新聞社発行、筆者のご承諾により抜粋を連載 

◆関連解説『生産マネジメントとは』

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