セーフティシステムのセキュリティ対策 制御システム(その4)

 

【制御システム 連載目次】

 

 この連載の最初の方で、制御システムは工場やプラントなどのコントロールに使用されており、情報系と違ってHSE+AICの優先度で設計、運用されるということを解説しました。

 そうした停止すると困る、安全性が確保されないと大変なことになるようなシステムは、安全系システムあるいは、セーフティシステムと称され、機能安全のコラムにも 書いたような特別な造りをして、外部の認証機関からお墨付きを得る必要があります。

 さて、そうした制御コントローラやシステムは安全を担保するために相当な工数・コストをかけなくてはなりません。そうしたシステムにセキュリティの対策を施すとなると、それは事業面では大きなインパクトになります。セキュリティの対策が既存の安全機能に影響を与えることがないようにしなくてはなりません。

 またセキュリィティ上どうしても必要な処置であるにもかかわらず、セーフティを優先するがために、セキュリティ対策をバイパスするようでは本末転倒です。そこで、IPAではそうしたセーフティシステムのセキュリティ対策をどのように進めたらいいのかを検討するための制御システムセーフティ・セキュリティ要件検討ガイドがリリースされています。

 私もこのガイドの編纂に携わりましたが、手順的には...

ざっと以下のようになります。

 詳細はこのガイドに譲りますが、この手順はすでにセーフティシステムが存在し稼働していて、それに対してセキュリティを検討するとしたならば、という前提になっています。しかし、これからゼロベースでセーフティとセキュリティの検討を同時並行で行おうとする場合は、安全分析の中でセキュリティ分析を含めてゆくようなアプローチになると思います。

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