ウェットエッチングのメカニズムと処理パラメータの最適化【新装版】

鍛示 和利 / (株)日立製作所 他

構成

発刊日 2008年07月30日 体裁 B5判 並製本 223頁

分野

固有技術 > 半導体技術

制作

価格

33,000円 (税抜 30,000円) 3点 在庫あり

商品説明

本書籍は、経験則に基づいた理想的なウェットエッチング方法と、研究で明らかになってきたウェットエッチングのメカニズム・影響因子の最先端技術動向について、実務経験豊富な企業の技術・研究者と大学の第一線研究者に、「事例」「考え方」「方法」を執筆いただいています。最適なウェットエッチング条件を見出すために、ぜひご活用ください。

発刊にあたって

松本 克才 / 八戸工業高等専門学校
高井 健次 /  日立化成工業(株)
多田 修  / 平井精密工業(株)
石川 典夫 / 関東化学(株)
式田 光宏 / 名古屋大学
篠田 和典 / (株)日立製作所
渡慶次 学 / 名古屋大学
菊谷 善国 / マイクロ化学技研(株)
小国 隆志 / 東レエンジニアリング(株)
石井原 耕一/ 東洋クロス(株)
山村 和也 / 大阪大学
竹中 敦義 / 旭硝子(株)
青山 哲男 / 林純薬工業(株)
猪原 康正 / (株)石井表記
板谷 謹悟 / 東北大学
八尾 秀樹 / 住友電気工業(株)
鍛示 和利 / (株)日立製作所

内容紹介

第1章 ウェットエッチングのメカニズムとエッチング速度・精度への影響因子

第1節 銅ウェットエッチングのメカニズムと影響支配因子
 1. エッチングとは
  1.1 速度支配過程(律速段階)
  1.2 物質移動特性
  1.3 エッチング溶液
 2. 銅のウェットエッチング
  2.1 攪拌槽実験
   2.1.1 塩化第二銅溶液によるウェットエッチング
   2.1.2 塩化第二鉄溶液によるウェットエッチング
   2.1.3 エッチングの異方性について(エッチファクタ)
  2.2 スプレー実験
 3. 界面化学反応支配について

第2節 銅エッチング液の特性と速度支配因子
 1. プリント配線板の製造方法とエッチング液
  1.1 各種配線形成方法
  1.2 プリント配線板で用いられる銅のエッチング液について
  1.3 セミアディティブ法とサブトラクティブ法のエッチング液の違い
 2. 各種エッチング液の速度支配因子
  2.1 物質移動係数
  2.2 各種エッチング液の攪拌依存性
 3. 硫酸/過酸化水素系エッチング液
  3.1 硫酸と過酸化水素の濃度依存性
  3.2 銅の種類の影響
  3.3 塩素濃度の影響
 4. ペルオキソ二硫酸アンモニウム系エッチング液
  4.1 添加剤の影響
  4.2 各添加剤が攪拌依存性に与える影響
  4.3 エッチング速度が液攪拌に依存しないエッチング液に関する考察

第3節 金属・合金ウエットエッチング処理の最適化
 1. 金属材料とエッチャントの選定
  1.1 一般的なエッチャント
  1.2 Fe、Fe合金、Ni、Ni合金、Cu、Cu合金のエッチング
  1.3 Alのエッチング
  1.4 Agのエッチング
  1.5 Moのエッチング
  1.6 Tiのエッチング
 2. エッチング面の平滑性
  2.1 前処理とエッチング
  2.2 材質毎のエッチング面の粗さ
 3. 金属材料とエッチング精度
  3.1 最小抜き寸法
  3.2 最小凹凸加工精度
  3.3 エッチング底R
  3.4 エッチング加工バラツキ
  3.5 厚板(0.5~1.0mm程度)・合金エッチング加工時のバラツキの低減
 4. 厚板・合金エッチングにおける品質とコスト
  4.1 液の劣化と品質・コストへの影響
  4.2 液劣化の対策
  4.3 長井式電解再生法
  4.4 エッチャントの再生と品質・コストへの影響
 5. まとめ

第4節 透明導電膜(ITO)ウェットエッチングの課題と対策技術
 1. 透明導電膜の種類
 2. ITO膜の種類(結晶質から非晶質へ)
 3. 非晶質ITO膜のエッチング技術
  3.1 シュウ酸水溶液のITO膜エッチング特性
  3.2 シュウ酸によるエッチングの課題と対策
  3.3 その他の諸特性
 4. 総括
 5. これからの透明電極膜用エッチング液の課題
  5.1 ITOエッチング液の今後
  5.2 次世代膜材料

第5節 異方性ウェットエッチング加工のメカニズムと処理の最適化
 1. MEMSデバイスにおけるウエットエッチング加工
  1.1 フォトリソグラフィー加工との組合せによるエッチング加工プロセス
  1.2 基板材料とエッチング形状
 2. 単結晶Siの結晶異方性エッチングにおける基本特性
  2.1 Siの結晶異方性エッチング
  2.2 エッチング速度の結晶方位依存性
  2.3 エッチング液濃度および温度依存性
  2.4 表面粗さの結晶方位依存性
  2.5 エッチング液種の違い(KOHとTMAHの違い)
 3. 単結晶Siの結晶異方性エッチングにおける注意事項
  3.1 エッチピット発生メカニズムとその対策
  3.2 マイクロピラミッド発生メカニズムとその対策
  3.3 液中不純物の影響
 4. エッチング加工の高機能化
  4.1 Siのアンダーカット現象のメカニズムとその対策
  4.2 多層マスクによるエッチング形状の多面体化
  4.3 機械加工との併用による加工形状の高アスペクト比化
  4.4 水晶基板における結晶異方性エッチング加工

第6節 化合物半導体のウェットエッチング技術
 1. 化合物半導体ウェットエッチングの基礎
  1.1 典型的なエッチング液組成とエッチングメカニズム
  1.2 エッチング速度と律速過程
  1.3 化合物半導体のウェットエッチング形状
  1.4 エッチング表面の損傷と汚染
 2. 各種材料のウェットエッチング
  2.1 InPのウェットエッチング
  2.2 GaAsのウェットエッチング

第7節 ガラスのウェットエッチング-マイクロ化学チップの作製法
 1. マイクロ化学チップの作製
  1.1 フォトリソグラフィー/ウェットエッチング法による標準的なマイクロ化学チップの作製法
  1.2 フォトリソグラフィー/ウェットエッチング法を応用した特殊形状のマイクロ化学チップの作製法

第8節 ポリイミドのウェットエッチング
 1. ポリイミドのエッチング加工方法
 2. エッチング加工プロセス
 3. アプリケーション例
 4. エッチング液の物理特性とエッチング速度

第9節 PETフィルムのウェットエッチング
 1. アルカリ処理液によるPETフィルムのウェットエッチング工法の原理
 2. アルカリエッチングの基本工程
 3. アルカリエッチングされたPETフィルムの特徴
 4. アルカリエッチングフィルムの詳細説明
  4.1 諸物性
  4.2 粗面形状
  4.3 表面改質
  4.4 アルカリエッチングフィルム粗面形状の原反種類による違い
 5. アルカリエッチングフィルムとマット化された他のPETフィルムとの違いについて
  5.1 特徴の違い
  5.2 光学特性、表面粗さの違い
 6. アルカリエッチングフィルムの用途

第10節 ローカルウエットエッチング法による光学素子の高精度加工
 1. 加工原理
 2. 形状創成原理と加工装置
  2.1 数値制御加工による形状創成
  2.2 石英ガラスの加工特性
  2.3 加工装置の例
 3. 応用例
  3.1 合成石英ガラス基板の平坦化
  3.2 1次元数値制御加工による硬X線集光用楕円面ミラーの作製
  3.3 2次元数値制御加工による中性子集光用楕円面ミラーの作製

第11節 BMのCrエッチング液の性能評価
 1. 液管理
 2. 価数別分析法
  2.1 試薬
  2.2 Ce4+定量法
  2.3 全Ce定量法(Ce3+定量法)
  2.4 Cr・6定量法
  2.5 測定例

第2章 エッチング液・浴の管理と最適化

 1. 等方性エッチングと異方性エッチング
 2. 各種金属薄膜のウェットエッチング
  2.1 アルミニウム(Al)薄膜のテーパーエッチング加工技術
  2.2 アルミニウム(Al)/ネオジウム(Nd)合金膜のテーパーエッチング加工技術
  2.3 高融点金属薄膜のウェットエッチング
   2.3.1 モリブデン(Mo)薄膜のウェットエッチング
   2.3.2 タンタル(Ta)薄膜のウェットエッチング
 3. 透明導電膜のウェットエッチング
  3.1 結晶質ITO薄膜のウェットエッチング加工技術
  3.2 非晶質ITO薄膜のウェットエッチング加工技術
  3.3 インジウム亜鉛酸化物(IZO)薄膜のウェットエッチング加工技術
 4. シリコン(Si)薄膜における異方性エッチング

第3章 ウェットエッチング装置の種類・特徴とエッチング処理のポイント

 1. ロータリーエッチャーとは
 2. 揺動式(スイング、平行移動)とロータリー式の比較
  2.1 液捌けについて
  2.2 噴射のアタックの方向性について
  2.3 ノズルの軌跡とムラについて
 3. 実際の装置構成

第4章 高度先端技術化への展望
~原子レベルでの半導体単結晶表面のエッチング過程の解明と今後の課題化~


 1. これまでの研究
  1.1 界面構造
   1.1.1 基板
   1.1.2 有機分子の吸着構造
   1.1.3 超高真空―固液界面複合装置
  1.2 界面反応
   1.2.1 半導体電極のエッチング過程
 2. 原子レベルでの半導体単結晶表面構造解析法
  2.1 電気化学走査トンネル顕微鏡(STM)
  2.2 Si単結晶表面構造と表面前処理
   2.2.1 理想表面
   2.2.2 Si(111)表面前処理による表面構造
 3. NH4F水溶液中における n-Si(111) 電極の電気化学とエッチング過程
  3.1 これまでの研究の概要
  3.2 NH4F 水溶液中での n-Si(111) 電極反応
  3.3 pH 調整したNH4F 水溶液中でのn-Si(111) 電極表面の電気化学的挙動
  3.4 電気化学 STM 観察
   3.4.1 n-Si(111) 電極表面の電気化学 STM 観察条件
   3.4.2 エッチング初期の n-Si(111)のSTM 観察
   3.4.3 エッチング機構
   3.4.4 Si(111)のまとめ
   3.4.5 n-Si(110)及びSi(001) 表面のエッチング過程
   3.4.6 GaAs、 InP単結晶表面のエッチング過程
 4. 今後の展望