書評検索結果

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「実験計画法」R.A.フィッシャー著

投稿日 2013/05/22

1935年に"The Design of Experiment"として初版が出た本書は、
英国の農事試験場で成果を上げた方法をフィッシャーがまとめたもので、
当然ながら事例はすべて農業実験で示されています。
ここで効率的な無作為化の方策として使われた「ラテン方格」が、
後に工業分野でも使いやすい現在の直交表に発展していきます。
実験の考え方から始まり、検定、推定、分散分析と、
現代につながる実験統計の大元がここから始まる歴史的な書です。

「品質コストの管理会計」梶原武久著

投稿日 2013/05/08

従来型の日本品質管理活動においては、「品質第一」主義が主流でしたが、
近年は過剰品質という評価も聞かれるようになり、一方でクレームやリコ
ールの話題も頻出しています。
本書では、品質コスト(予防、評価、不良)に関する広範なアンケートと
インタビューを通じて、これらのメカニズムを解明しています。
最適バランスポイントから遠く離れていた昔は、コストを評価するよりも
ひたすら不良を減らすことがすべての面で優位だったものの、バランスポ
イントに近づいた近年は品質コストが過少あるいは過大になる危険性が高く、
以前に比べると品質コスト評価の重要性が上がっていると結論付けます。
結論だけを知るならば、第9章を読むだけで十分でしょうが、もし$$$name$$$さん
が品質担当者であれば、過去の研究やデータの隙間に横たわる事実の襞を
感じ取るために、全頁をめくることも楽しいでしょう。

「工程能力指数 実践方法とその理論」永田・棟近 著

投稿日 2013/04/17

製造業の工程管理と言えば、管理図と共に良く活用される工程能力指数です
が、その名を冠する書籍はこれまで発刊されておらず、品質管理や統計
解説書の一節として扱われてきました。
JSQC選書の一巻として1年半前に出版された本書は、日本由来とも言われ、
シックスシグマの語源にもつながるこの評価方法を徹頭徹尾詳説します。
特に一般の参考書ではお目にかかれない工程能力指数の点推定、区間推定
や、データが正規分布していない場合など、興味深い考察が満載です。
工程能力の評価に日々悩んでいる方にお勧めです。

「実践SQC虎の巻」日本規格協会名古屋QC教育研究会編

投稿日 2013/04/03

名古屋地区は輸送機器大手が軒を連ねている事もあり、以前よりSQC
(統計的品質管理)が盛んなところです。日本規格協会名古屋QC教育
研究会が編集した本書も、自動車関連企業の執筆陣が並んでいます。
SQCの教育は、ややもすると統計的な意味や機械的な適用法に終わって
しまいがちで、それでは本当の解決につながらない事も多いものです。
本書では50件もの例題の解説に比重を置き、ヒストグラム、管理図から
多変量解析まで、実践データに基づいて解説してくれます。
第1章のビギナー編でも、統計式がばんばん出てきますので、基礎的な教育
を一通り受けた中級者向けと言えそうです。