初心者向けセミナーです ポリ乳酸の基礎・最新動向と注目のマルチ機能改質剤【Live配信】

※本セミナーは都合により8月20日(金)へ延期し、Live配信(Zoom使用)セミナーに変更致しました。

生分解性プラスチックの基幹素材として
ポリ乳酸(PLA)の本格的実用化時代到来!
海洋プラスチック汚染の現状や関連規制動向も解説!


マルチ機能改質剤として優れた能力を持つポリグリセリン脂肪酸エステルにも言及


地球環境・資源・廃棄物問題の現状、結晶性高分子の成形加工と結晶化挙動、
ポリ乳酸(PLA)の基本特性と技術的課題、マルチ機能改質剤としての
ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE)等などについて徹底解説する
【項目】※クリックするとその項目に飛ぶことができます

    セミナー趣旨

     近年深刻化する海洋プラスチック汚染問題の背景下、いよいよ生分解性プラスチックの基幹素材としてのポリ乳酸(PLA)の本格的実用化時代の到来である。しかしながら、PLA単独では耐熱性や耐衝撃性、寸法安定性、成形加工性に劣るために、複数の改質剤の添加に伴う技術的課題が避けられないことが広く知られている。例えば、PLAの耐熱性を向上させるために結晶化促進剤としての造核剤を添加すると耐熱性は向上しても、逆に耐衝撃性は低下する。また、耐衝撃性を向上させるために可塑剤を添加するとPLA本来の基本特性である強度、弾性率やTgの大幅低下を招来する。
     本講はまず、海洋プラスチック汚染問題に代表される地球環境・資源・廃棄物問題について概観した後、結晶性高分子の結晶化挙動や成形加工性の基礎について整理する。そして、一分子内に二つの相異なる機能性分子鎖を有する高分子界面活性剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE)が極少量の添加でPLA本来の基本特性を維持しながら、耐熱性、耐衝撃性、成形加工性、寸法安定性等を同時に改良するマルチ機能改質剤としての興味深い作用機構について論究する。

    習得できる知識

    ◇ 海洋プラスチック汚染問題等の地球環境・資源・廃棄物問題
    ◇ ポリ乳酸の基本特性と高性能・高機能化材料設計・成形加工技術
    ◇ 高分子系界面活性剤ポリグリセリン脂肪酸エステルの一次構造と分子設計
    ◇ マルチ機能改質剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルの作用機構

    セミナープログラム

    1.地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
     1.1 地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
      1) 海洋プラスチック汚染の実態と生分解性プラスチックの役割
       ・海洋プラ濃度の経年変化(累積増加)曲線
       ・海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的(グローバルな)視点
       ・海洋に流入する流木・草本類、マイクロチップは太古の昔より存在した!?
       ・マクドさんやスタバさん、紙製ストローもマイクロチップのかたまりです!?
       ・海洋自然生態系が許容し得る海水中の生分解速度とは…ポジティブ・コントロールはリグニン?
      2) 地球上に生命が誕生して38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
      3) 自然界が有する真のリサイクルシステムである炭素循環へのリンク
     1.2 生分解性プラスチックの識別表示と環境負荷低減効果
      1)グリーンプラ・マーク…日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示制度
      2) カーボン・フットプリント…LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価
     1.3 持続的な資源循環型社会の建設のために
      1) 欧米グリーンガイド指針
       ※ 欧米の環境先進諸国では、ポイ捨てを助長する生分解性表示は禁止!?
      2) 食品残渣や食品容器・包装材の再資源化(バイオリサイクル)
        …欧米や北海道富良野市近隣5市町村(10万人都市)における公的堆肥化施設
      3) プラスチックのCompostable(堆肥化可能)認証基準
        …EN13432 by OK Compost or Din Certco, ASTM D6400 by BPI
     1.4 世界の法規制と業界動向
      1) 世界の法規制動向
       ・欧州ではごみ袋やレジ袋は生分解性が主流、仏は2020年に使い捨てプラ器具の50%を生分解性に切り替える法規制を制定!
      2) 業界動向
        …世界ラーメンサミット「大阪宣言」:ラーメン容器を生分解性に!

    2.結晶性高分子の成形加工と結晶化挙動
     2.1 成形加工の物理的意味…溶融体の賦形工程に於ける室温下への冷却・固化によるガラス化又は結晶化
     2.2 成形加工法と成形加工性支配因子
      1) 溶融押出過程
        …溶融粘度、溶融張力⇔分子量、架橋密度依存性
      2) 冷却固化過程
        …Tg又は結晶化速度⇔冷却速度、変形速度依存性
     2.3 結晶化の分類
      1) Melt Crystallization(メルトから室温下への降温冷却過程における結晶化)
        …押出成形、射出成形、ダイレクト・ブロー成形
      2) Cold Crystallization(室温からの加熱昇温過程における結晶化)
        …真空・圧空成形、発泡成形、インジェクション・ブロー成形
     2.4 等温結晶化挙動
      1) 結晶化速度式 G=G0exp(-ED/RT-KTm/RT(Tm-T) の物理的意味
       ① 第一項:セグメントの拡散過程…温度と正の相関
       ② 第二項:核形成過程…温度と負の相関
      2) 最も結晶化速度の速い結晶化温度 Tc(Tg<Tc<Tm)の検出法
      3) 結晶化速度パラメータ…ts, t1/2, te, kの算出法
     2.5 結晶化速度に影響を与える因子
       …一次構造、分子量、結晶化促進剤
     2.6 成形加工後の二次結晶化

    3.ポリ乳酸(PLA)の基本特性と技術的課題
     3.1 何故、ポリ乳酸がベストの選択なのか?
     3.2 基本特性と現状・将来展望(メーカー/生産量、用途・製品・市場開発動向)
     3.3 技術的課題…耐衝撃性、耐熱性、成形加工性、寸法安定性
     3.4 第二世代ポリ乳酸…高L組成ポリ乳酸(High %L PLA),%D≦0.5
      1) PLA主鎖中のD体含量(共重合比)が結晶化挙動に及ぼす影響
       ① 結晶化速度
       ② 結晶化度
       ③ 融点
      2) PLAの分子量が結晶化速度に及ぼす影響
      3) 高L組成ポリ乳酸の熱的・機械的特性の改良効果
       ① 寸法安定性(低熱収縮率)
       ② 耐熱性
       ③ 成形加工性
     3.5 従来の改良添加剤の限界と問題点
      1) 耐衝撃性向上剤(可塑剤)→強度、弾性率、Tgの大幅低下;二次結晶化
      2) 耐熱性向上剤(造核剤)→耐衝撃性の低下
      3) これら添加剤を用いた改質PLA組成物の問題点
       ① PLA(主剤)基本特性の喪失
         …強度や弾性率、Tgの大幅低下
       ② 室温放置下での二次結晶化
         …形状や物性の経時変化
       ③ 高荷重下での耐熱性の低下
       ④ 添加剤コストアップ

    4.マルチ機能改質剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE)
     4.1 PGFEの基本特性
       …疎水性の高分子系界面活性剤
     4.2 PGFEの分子設計
       …グリセリン重合度、エステル化度、脂肪酸炭素鎖長
     4.3 添加剤としてのPGFE
      ① PLA/PGFEの限定的な相溶性→ミクロドメイン構造形成と界面構造制御
      ② PLA基本特性の維持→強度、弾性率、TgやTmはほとんど変わらず
     4.4 PGFE旧知の改質作用
      1) フィラー分散安定剤
      2) 流動性改良剤
      3) 可塑剤
      4) 耐衝撃性改良剤
     4.5 PLAのマルチ機能改質剤としてのPGFE
      1) 等温結晶化における結晶化促進作用
       ① 結晶化開始時間
       ② 半結晶化時間
       ③ 結晶化度
      2) 結晶化促進作用機序に関する考察(仮説)
       ① 造核作用
        …PGFEのPLA非相溶性(非極性)部分が関与
       ② 結晶化速度促進作用
        …PGFEのPLA相溶性(極性)部分が関与
      3) 射出成形(melt crystal.)と真空成形(cold crystal.)への応用
        …耐熱性と耐衝撃性、成形加工性、寸法安定性の同時改良効果
      4) 真空成形における透明耐熱性/透明結晶化への応用(120℃)
        …低融点の溶解型結晶化促進剤としての潜在的可能性

    5.質疑応答

    セミナー講師

    望月 政嗣 氏 工学博士(京都大学)、高分子学会フェロー
    専門
    高分子材料科学、特にバイオプラスチックや生分解性高分子、高分子の高性能・高機能化材料設計と成形加工技術、繊維・不織布の構造と物性
    略歴
     1968年、京都大学工学部高分子化学科卒。京都大学工学部助手を経て、1969年にユニチカ(株)入社。同社中央研究所から大阪本社技術開発企画室を経て、2003年に理事、テラマック事業開発部長。この間山形大学と京都工芸繊維大学客員教授京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授兼務。2007年にユニチカ(株)を定年退職した後、京都工芸繊維大学繊維科学センター特任教授(常勤)として5年間勤務。この間日経BP技術賞その他受賞、日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示委員会委員長、(社)繊繊学会理事関西支部長等を歴任。著書に「バイオプラスチックの素材・技術最前線」「生分解性ポリマーのはなし」その他多数。

    セミナー受講料

    49,500円( S&T会員受講料46,970円 )
    (まだS&T会員未登録の方は、申込みフォームの通信欄に「会員登録情報希望」と記入してください。
    詳しい情報を送付します。ご登録いただくと、今回から会員受講料が適用可能です。)
    S&T会員なら、2名同時申込みで1名分無料
    2名で 49,500円 (2名ともS&T会員登録必須/1名あたり定価半額24,750円)
    【1名分無料適用条件】
    ※2名様ともS&T会員登録が必須です。
    ※同一法人内(グループ会社でも可)による2名同時申込みのみ適用いたします。
    ※3名様以上のお申込みの場合、1名あたり定価半額で追加受講できます。
    ※受講券、請求書は、代表者に郵送いたします。
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    高分子・樹脂材料   環境負荷抑制技術

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